- 2020.03.20
- 一般
新型コロナウイルスのPCR検査と胸部CTの感度比較論文
Ai T at al:Correlation of Chest CT and RT-PCR Testing in Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in China
こちらは、新型コロナウイルスのPCR検査と胸部CTの感度を比較した中国からの論文から結果を図に表したものです。
新型コロナウイルス感染の疑いがある1049人の方にPCR検査と胸部CT検査両方を行って、どちらの感度が優れていたかを比較しています。
PCR(+)〜PCR検査が陽性だった方
CT(+)〜CT検査が陽性だった方
PCR(ー)〜PCR検査が陰性だった方
CT(ー)〜CT検査が陰性だった方
PCR(+)でCT(+) → 580人(57%)
PCR(ー)でCT(+) → 308人(30%)
PCR(+)でCT(ー) → 21人(2%)
PCR(ー)でCT(ー) → 105人(10%)
PCR(+)でCT(+)の方が多いのは当然ですが、PCR(+)でCT(ー)だった方は少なく、PCR(ー)でもCT(+)だった方が30%もいた事から、CTの方が感受性は高かったと言う事になります。
最初は感冒と考えていたが、念の為に行ったPCR検査は陰性だったが、肺CT検査を行ったところ、新型コロナウイルス肺炎に特徴的な陰影があり、その後最終的にはPCR検査陽性になったと言う例が多いという事かと思います。
実は、日本のCT保有数は100万人あたり107.2台であり、G7平均の25.2台、OECD関連国の25.4台と比べても断トツでトップの保有数であり、諸外国に比べ圧倒的にCT普及率が高い事が知られています。
簡便にCTが撮影出来るなら、結果から強く新型コロナウイルス感染が疑われる場合にPCR検査を行ってもCTの方が感度が高い結果が出ていますので、遅くは無いのではと思います。
これは、現在日本で行われている方法に近いかと思いますので、やみくもにPCR検査をと言うより理にかなっているのではと思います。
PCR検査は濃厚接触者だったり、周囲に新型コロナウイルス感染が蔓延している場合に効果が有るもので、散発的な患者数である日本では希望者全員にPCR検査を行う事は不必要かと思います。ましてやPCRで陰性と出ても実際には陽性だった方も多数出ています。
ただし、CT室が汚染されてしまう可能性もあり、その地域に1箇所新型コロナウイルス患者対応でPPEがしっかり出来ているCT施設を設置するべきだと思います。
- 2020.03.18
- 一般
クラスター対応戦略の概要
- 2020.03.17
- 一般
新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック
東北大学大学院 感染制御・検査診断学講座より「新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック」の第2版が公開されました。
このハンドブックは、東北大学総合感染症学分野、東北医科薬科大学病院感染制御部、仙台東部地区感染対策チームが協力して作成したそうです。
このハンドブックがとても有用だと思ったのは、後半のマスクの付け方、手洗いの仕方です。
私としては、水道で手洗いした場合には、最後蛇口をひねる操作も慎重に行わないとならないと考えています。
その部分も丁寧に書かれています。
更には、熱が出ているけど、まだPCR検査に至らない場合のご本人、ご家族の家庭での対応も書かれておりますので、必見かと思います。
- 2020.03.16
- 一般
熱発時に使用する解熱剤について
新型コロナウイルスについて、フランスでは14日に新型ウイルスの感染者が3661人から4499人に急増。保健当局によると、死者は91人となっているそうです。
そこで、驚くべき話を聞きました。
Twitterからの情報なので、そう言う話をしている方がいると言う程度で聞いていただきたいのですが、フランスでは現在300人が重篤な状態で、その半数は50歳未満の比較的若い人だというのです。
これまで、新型コロナウイルスは高齢者が重篤化すると言うのに、フランスではどうなっているのかととても不安に感じました。
そうしたところ、Y!ニュースに下記ニュースが載りました。
コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:フランスの厚生大臣が発表(今井佐緒里) – Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200315-00167830/
フランスの厚生大臣が、新型コロナウイルスに関して、イブプロフェンを服用しないようにと声明を出したそうです。
新型コロナウイルスにかかっている方がイブプロフェンを服用すると、既にかかっている感染症を悪化させ、合併症を伴わせる可能性があると言っています。
熱がある場合は、アセトアミノフェンを服用する様にと言うメッセージを送ったとあります。
実は、インフルエンザでも同様の事が言われており、小児や高齢者のインフルエンザに伴う発熱に対してはアセトアミノフェン(カロナール、ピリナジンなど)を使用することが推奨されており、その他の解熱剤の使用は慎重にすべきだとされています。
使用を避けるべき薬としては
サリチル酸系解熱鎮痛薬であるアスピリン、バファリン、PL顆粒、ペレックス顆粒などや、市販の風邪薬。そして、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)とメフェナム散(ポンタール)などです。
複数の医者が、発熱のためにイブプロフェンを服用した後、併存疾患がないにもかかわらず、重篤な状態に陥ったコロナウイルスの若い患者の例を挙げていると書いて有ります。
熱発時にはアセトアミノフェンを飲んでおく方が無難かと思います。
ただ、熱が無い頭痛や尿管結石などの痛みに対しては、ボルタレンや通常の消炎鎮痛薬を使用すべきなので、なんでもかんでもという話では無い事を最後に付け加えておきます。
- 2020.03.14
- 一般
ビニールゴミ袋でエプロン作成
現在、医療機関でもマスク、アルコールが不足してきていますが、ガウンや使い捨てエプロンの入手も厳しくなってきています。
沖縄県立中部病院の高山義浩先生が
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。