2020.03.18
一般

クラスター対応戦略の概要

 3 月 10 日に日本公衆衛生学会感染症対策委員会からクラスター対応戦略の概要が発表されました。
前半は新型コロナウイルスの概要が書かれていますが、後半はウイルスの感染伝播の特徴が書いて有りますが、これは必読です。
通常の感染者の多くは2次感染者を生み出さないが、感染者のごく一部が 2次感染者を数多く生み出すクラスター感染が、流行につながっており、大規模クラスターに繋がる可能性がある。
クラスターを見つける為には、地域で複数の感染例が見つかった場合に、共通の感染源を後ろ向きに探していく作業が何よりも大切であり、周囲に別のクラスターがないか大局的な視点で探す事が必要だと。
クラスター連鎖が起きている場合は、社会活動を減らすことでクラスター形成を阻止するひつようがある。
クラスター連鎖は一般に人口の多い都市部で起こる可能性が高い。
患者数が医療機関のキャパシティを超える場合は重症例が早期に検知されない結果、クラスター連鎖を早期に検知できない可能性がある。
また、若年層は重症化率が低く、 若年層でクラスターが発生したら相当進行しないと判明しない可能性がある。
特に都市部の 一人暮らしの若年層など、中高年層とあまり接触のない人たちの間でクラスター連鎖が起きると、大規模クラスターとなり重症者が発生してくる。
などと書かれていました。
現状、都市部でのイベントは控えた方が良さそうだという事と、都市部の学校の休校は止む得ない手段では無いかと思います。
2020.03.17
一般

新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック

東北大学大学院 感染制御・検査診断学講座より「新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック」の第2版が公開されました。

 

http://www.tohoku-icnet.ac/Control/activity/images/guide/post_200316.pdf?fbclid=IwAR3B7yLYG-6rrXM41YCrP6ZNm_inb3mHX9GzRQFpa2PfpqgbrBG45BSEcFk

 

このハンドブックは、東北大学総合感染症学分野、東北医科薬科大学病院感染制御部、仙台東部地区感染対策チームが協力して作成したそうです。

 

このハンドブックがとても有用だと思ったのは、後半のマスクの付け方、手洗いの仕方です。

 

 

私としては、水道で手洗いした場合には、最後蛇口をひねる操作も慎重に行わないとならないと考えています。

その部分も丁寧に書かれています。

更には、熱が出ているけど、まだPCR検査に至らない場合のご本人、ご家族の家庭での対応も書かれておりますので、必見かと思います。

 

2020.03.16
一般

熱発時に使用する解熱剤について

新型コロナウイルスについて、フランスでは14日に新型ウイルスの感染者が3661人から4499人に急増。保健当局によると、死者は91人となっているそうです。

そこで、驚くべき話を聞きました。

Twitterからの情報なので、そう言う話をしている方がいると言う程度で聞いていただきたいのですが、フランスでは現在300人が重篤な状態で、その半数は50歳未満の比較的若い人だというのです。

これまで、新型コロナウイルスは高齢者が重篤化すると言うのに、フランスではどうなっているのかととても不安に感じました。

 

そうしたところ、Y!ニュースに下記ニュースが載りました。

コロナウイルスにかかったら飲んではいけない薬:フランスの厚生大臣が発表(今井佐緒里) – Y!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200315-00167830/

 

フランスの厚生大臣が、新型コロナウイルスに関して、イブプロフェンを服用しないようにと声明を出したそうです。

新型コロナウイルスにかかっている方がイブプロフェンを服用すると、既にかかっている感染症を悪化させ、合併症を伴わせる可能性があると言っています。

熱がある場合は、アセトアミノフェンを服用する様にと言うメッセージを送ったとあります。

 

実は、インフルエンザでも同様の事が言われており、小児や高齢者のインフルエンザに伴う発熱に対してはアセトアミノフェン(カロナール、ピリナジンなど)を使用することが推奨されており、その他の解熱剤の使用は慎重にすべきだとされています。

使用を避けるべき薬としては
サリチル酸系解熱鎮痛薬であるアスピリン、バファリン、PL顆粒、ペレックス顆粒などや、市販の風邪薬。そして、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)とメフェナム散(ポンタール)などです。

 

複数の医者が、発熱のためにイブプロフェンを服用した後、併存疾患がないにもかかわらず、重篤な状態に陥ったコロナウイルスの若い患者の例を挙げていると書いて有ります。

熱発時にはアセトアミノフェンを飲んでおく方が無難かと思います。

ただ、熱が無い頭痛や尿管結石などの痛みに対しては、ボルタレンや通常の消炎鎮痛薬を使用すべきなので、なんでもかんでもという話では無い事を最後に付け加えておきます。

2020.03.14
一般

ビニールゴミ袋でエプロン作成

現在、医療機関でもマスク、アルコールが不足してきていますが、ガウンや使い捨てエプロンの入手も厳しくなってきています。

沖縄県立中部病院の高山義浩先生が

 

(2020 年 3 月 13 日版)をweb上にアップしました。

そこに使い捨てエプロンの代わりにゴミ袋の底に1カ所と側面の2カ所に穴を開けて、レインコートの ように被ることで代用できると言う記載があり、実際にやってみました。
後面はすぐ脱げるように縦に切ってテープで止める様にしました。
通常のエプロンよりガード出来る部分が大きく見栄えは悪いですが、使い勝手は良さそうです。
前面です。
袖はないですが、全体がカバー出来ます。
後面は縦に切ってテープで止める事ですぐに脱げるようにしています。
このぐらいしないといけないくらい現場では物品が不足してきています。
2020.03.11
一般

新型コロナウイルスのPCR検査について〜韓国で何が起こったのか。

ソウル聯合ニュースによれば

韓国の新型コロナ感染者計7134人(3月8日)です。
0~9歳  58人 (0.8%)
10代  360人 (5.0%)
20代 2133人(29.9%)
30代  760人(10.7%)
40代  975人(13.7%)
50代 1349人(18.9%)
60代  878人(12.3%)
70代  409人 (5.7%)
80歳以上212人 (3.0%)
韓国の新型コロナウイルス陽性者は50才未満の方が6割、70才未満の方で9割を超えています。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200308000700882
亡くなられた方の年齢についてはコリア・レポート編集長の辺真一氏によると
3月4日午前9時現在で32人が死亡しており、70代が最も多く11人。続いて60代(8人)、80代(5人)と50代(5人)の順になっている。30代と40代それに90代はそれぞれ1人。20代と10代は1人もいないとのことです。
10代   0人 (0%)
20代   0人 (0%)
30代   1人(0.03%)
40代   1人(0.03%)
50代   5人(15.6%)
60代   8人(25.0%)
70代  11人(34.3%)
80歳以上 6人(18.7%)
70才代が中心ですね。
本文に記載されていますが、この中で5名の方が病床不足で自宅待機中に亡くなっています
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20200304-00166033/
陽性患者の9割である重症化するリスクが少ない世代を入院隔離してしまえば、自ずと重症である高齢者の治療がおろそかになり、入院出来ずに亡くなると言うケースも出てくるのは当たり前の話です。
韓国で誰でも検査を受けられる体制を取ったことが間違いだったか解るかと思います。
若い方の多くは軽症です。
新型コロナウイルスで助けなければならないのは重症化するリスクが高い高齢者です。
更には、ベットが満床となると、交通事故などで入院が必要な方も入院出来なくなります。
新型コロナウイルスで亡くなられた方にカウントされない死者が多数出ている事も十分考えられます。
希望者全例にPCR検査をすれば韓国の二の舞になる恐れがあるという事は十分知っておいた方がいいですね。
お茶の間に頻回に登場してPCR検査をどんどんするべきだと訴えている上昌広先生は血液内科が専門で感染症が専門ではありません。
白鴎大学の岡田晴恵特任教授も医師ではありません。
感染症を専門とする医師でPCR検査を希望する全ての方にした方が良いと訴えている方がいましたら是非とも教えて欲しいと思います。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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