- 2020.10.14
- 一般
都道府県別のオンラインHDFでの血流量の比較
日本透析医学会では、毎年年末に全国の透析施設に統計調査をお願いし、「わが国の慢性透析療法の現況」を作成しています。
このデータベースを学会員が有効に活用出来る様に、2017 年 12 月から会員なら誰でもウェブサイト上で帳票を自由に作成できる WADDA system(Web‒based Analysis of Dialysis Data Archives System)を公開しています。
第26回日本HDF医学会学術集会・総会で、埼玉医科大学の小川智也先生が都道府県別のオンラインHDFでの血流量を調査して発表されました。
小川先生のご許可を頂いたので、掲載いたします。
- 2020.10.11
- 一般
第26回日本HDF医学会学術集会・総会に参加いたしました。
昨日、本日と第26回日本HDF医学会学術集会・総会に参加しております。
今回はコロナ禍という事で、本来はパシフィコ横浜での開催予定でしたが、Web会場でのオンライン開催となっています。
今回、土曜日のシンポジウムトップバッターでの発表でした。
シンポジウム1:HDFと透析運動療法の組合せを考える
運動療法をHDFに活かすために必要なことは?
にて【基調講演】理学療法士や健康運動指導士がいない施設での0から始める透析運動療法
演者 鈴木 一裕(すずきクリニック)
を何とか無事に発表させて頂きました。
友人である、東京世田谷区の腎内科世田ヶ谷院長の菅沼信也先生にスクリーンショット撮影して頂きました。ありがとうございました。
バーチャル背景の援腎会の模様が反転しているのですが、私から見ると反転していないので不思議です。こちらもご指摘も頂き修正いたしました。
感謝です。
午後からは当院臨床工学技士の人見が
O-05-7
日機装社製BV plusにおけるBV波形の基線上昇について
と言う演題名で発表しております。
また、本日は
一般演題7「感染症対策」
でも座長を任命して頂きました。
ありがとうございました。
本日のランチョンセミナーで甲田内科クリニックの甲田 豊先生が透析治療のレビュー的なご講演をされて、KT/Vは透析不足を警鐘する指標なのに、至適透析の指標として用いるべきで無いと言うスライドがあり印象的でした。
KT/Vについては、数値が一人歩きしてしまい、○○達成しているから大丈夫だという誤った解釈をしている方がいますが、これは間違っていますので、十分注意して欲しいです。
Webになりますが、全国の透析治療に情熱をかけている仲間の顔を見る事が出来て、大変有意義な学会でした。
明日からまたより良い透析医療を目指して頑張りたいと思います。
- 2020.10.01
- 一般
KT/V(尿素の標準化透析量)について
尿素の標準化透析量であるKT/Vについて質問があり、説明文を作成して院内に掲示しました。
KT/Vは除去する効率に時間をかけて体表面積で割った数値であり、簡易的に透析量が測定出来ますので、多くの施設でも使われているかと思います。
日本透析医学会が発行している『維持血液透析ガイドライン:血液透析処方』にもKT/Vは1.2以上を推奨し1.4以上が望ましいと書かれています。
1.6以上になると死亡リスクに大きな差が出なくなりますが、1.8以上までは死亡リスクの有意な差があるとも書かれています。それ以上になると、絶対数が少なくなってしまい十分な比較が出来ないので差が出ないのではないかと思います。
説明文にも書きましたが、KT/Vは簡便な指標で、明かな透析不足が無いかを調べるツールと考えた方がいいと思います。今は、高性能の膜を使ってβ2マクログロブリンやα1マクログロブリンなどの低分子量蛋白をターゲットとしていますので、KT/Vのみで透析が十分であるかどうかを議論する事は出来ないですね。
それと、以前米国で、大きな膜を使って血流を上げることで、透析時間を短くしてもKT/Vを下げない治療を行った時期がありました。3時間透析で血流は500ml/分とかの条件です。
そうしたところ、具合が悪くなる方がたくさん出てきました。
いくらKT/Vが下がらなくても透析時間を短くすれば具合が悪くなると言う事が分かり、その後改善されたようです。
透析時間は、KT/Vとは独立した生命予後を決める因子だという事が知られています。
- 2020.09.18
- 一般
日機装社の小冊子に当院の透析室が紹介されました。
1ヵ月以上もブログ更新出来ていなく申し訳ありませんでした。
特に何か有った訳でも無いですが、今年は学会もWEB開催ばかりであり、コロナウイルスへの対応等もあり、ずるずると漠然とした毎日を過ごしていました。
8月になったら、実は貯まっていた仕事に気がつきまして。
日本透析医学会のワークショップでの講演スライドを音声入りのPowerPointで作成するとか、依頼されていた原稿を書いていたりしていましたら、あっと言う間に9月になっていました。
ブログの更新もしていないなあと思っていたら、先日透析メーカーの日機装社より取材を受けていたのですが、その小冊子が出来て届いたと透析室長から報告を受けました。
その小冊子がとても素敵でしたので、これはブログで紹介しないといけないと思いまして、掲載といたしました。
当院の透析治療はオンラインHDFを主に行っていおります。
多くの方が、前希釈オンラインHDFですが、一部で後希釈法を用いてオンラインHDFを行っている方もいます。
患者さんの愁訴や栄養状態を診ながら、最も適した透析方法を考えるのは、我々にとってとても重要な事ですし、醍醐味でもあります。
当院では、その方に適した治療法を選択する事から、後希釈法も積極的に行っています。
当院では、後希釈法を行う場合は、濾過率がコントロール出来る日機装社製のコンソールを使用してオンラインHDFを行っています。
今回、冊子には透析室長の鈴木と臨床工学技士の人見も載っており、彼らが冊子の編集にも加わってくれました。
一般の方が手に触れる事は無いかと思いますが、透析従事者の方で学会等の医療機器展示場で、日機装社のブースに置いてあるかと思います。
是非とも手に取ってみてください。
- 2020.08.04
- 一般
イソジンうがい液でのうがいはコロナウイルスに有効か?
大阪府の吉村洋文知事が会見を開き、イソジンうがい液でうがいをする事で、うがいをしていない人よりウイルス量が減ったと言う話をしたことが話題となり、店頭からうがい薬が消える事態になっているようです。
メルカリでも高値で販売されていると話題になっています。相変わらずの現象ですが、いったい何なのでしょうか?
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大阪府と大阪はびきの医療センターが新型コロナウイルス陽性の軽症患者41人に対し、イソジンうがい薬で1日4回のうがいを実施したところ、唾液のPCR検査の陽性率が9%となり、うがいをしなかった患者では陽性率が40%だったという結果が得られた。
吉村知事は、特に風邪に似た症状がある人とその家族、接待を伴う飲食店の従業員、医療・介護従事者にうがいを行ってほしいと訴えた。
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でも、イソジンって一般的には風邪予防で販売されていますし、既存のコロナウイルスは風邪のウイルスですから、当然と言えば当然の様な気がします。
風邪に似た症状がある人がイソジンでうがいを頻回に行う事はとても勧められる事だと思います。
でも、予防として有効なのでしょうか?
たとえば、イソジン以外の水でのうがいではどうでしょうか?
実は、過去の研究でうがいをする場合、イソジンガーグルを使わず水のみでうがいした方が感冒の予防効果が有るという報告がされています。
うがいしない群と比較して水うがいは風邪発症率をさげたが、ヨード液うがいは下げなかったという報告です。
こちらに日経の記事をご紹介いたします。
風邪予防にヨードうがい―水道水なら効果あるのに…
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200802/505528.html?n_cid=nbpnmo_twbn
早速イソジンの買い占めが起こって購入困難となっているようですが、本当に有効なんでしょうか?
まあ、水でうがいするよりはイソジンうがい液でうがいした方がうがいした感があり、やったぞ!感は強いかもしれません。
それと、アルコール消毒が簡単でやりやすいですが、アルコール消毒よりも手洗いが大切です。
帰宅したらまずは手洗いをしましょう。
そして水でもイソジンガーグルでも良いですので、是非ともうがいをする習慣を付けましょう。
追伸)
本日研究を行った先生がテレビに出演していました。
今回のイソジンうがい液による効果は感染した患者さんに対しての効果であり、予防についての効果は解らないとの事でした。それなら納得出来るのではないかと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。