クーリングは凄いです。
週末、39度の熱を出してしまいました。
土曜日の診療が終わった午後からでしたので、土曜、日曜はじっとしていました。
実は、以前よりアスピリン喘息の原因であるアセチルサリチル酸のアレルギーを持っています。
そのため、アスピリンは使えないのですが、心配なので他の消炎鎮痛剤も使わないようにしています。
元々、高い熱を出す体質でなく、布団に入ってじっとしていると熱が下がるので、無理して使わなくてもすんでいたからです。
それで、20年くらい使った覚えがないくらいです。
ただ、今回は39度ですので、頭痛はするし、節々は痛いし、非常にだるい状態が続きました。
そこで基本に戻って、クーリングをすることにしました。
額、両脇、両鼠径部に保冷剤を付けてじっとしていたところ、熱は37℃台に下がってくれました。
一時はどうしようと思ったのですが、やっぱり基本は大切なんだと実感した週末でした。
でも、38.5度でも飯だけは食べられました。
さすがに39度だときつかったですが、カレーライスもぺろりと食べました。
こういうときに食べられないでやせたりするのかもしれませんが、僕の場合は違うようです。
引き続き治療法です。
昨日に引き続いて、過活動膀胱の治療法です。
まずは、一番手っ取り早く誰でも出来るのが、 膀胱訓練です。
膀胱訓練は、尿意を感じても、少しだけ我慢しよう、最初は5分ぐらい我慢しよう。だんだん10分、15分と、我慢する時間を延ばしていくことで、おしっこを溜めることが出来るようになっていくという治療法です。
実は、僕も以前より過活動膀胱の症状があり、頻尿で急におしっこがしたくなることがよくありました。
でも、以前つとめていた太田西ノ内病院の外来は大変混雑しており、なかなかトイレに行けない状態でした。
そのため、トイレに行くのを我慢することが多くなっていたところ、自然に尿意切迫感はよくなっていました。
これは、必要に迫られてやった膀胱訓練と言うことになります。
このように、膀胱訓練は今すぐ出来る治療法ですので、一番お勧めの治療法だと思います。
そして、低周波治療器を使って骨盤底筋の収縮力を強化する治療法も、かなり有効な方法ですので、お話しいたします。
その理由は、
1,骨盤底筋体操を継続して行うのが難しいこと。
2,薬物治療が行えない方がかなりいること。
です。
尿失禁に対し、骨盤底筋体操が有用だと以前から言われています。いわゆるおしりをつぼめる訓練を一日数回行うことです。
ただ、つぼめる場所を覚えるのが難しく、なかなか習得するのが難しいと言われています。
そして、毎日忘れないで続けていくことも大変だと言われています。
そのため、機械を使ってつぼめる方法を習得する訓練を行ったり、集団で集まって一緒に骨盤底筋体操を行い効果を上げようとしているところもあります。
そのような状態ですので、外来で骨盤底筋体操のパンフレットを渡すだけでは、なかなか効果が出るようになるのは難しいようです。
低周波治療器ですと、定期的に外来通院することで、骨盤の筋肉を鍛えることが出来ますので、効果的に継続できると思います。
それから、過活動膀胱に非常によく効く抗コリン薬が、口渇や便秘などの副作用が出てしまい、使えない方がいらっしゃいます。
また、前立腺肥大症の方では、抗コリン剤を飲むとオシッコが出なくなってしまう方もいらっしゃいます。
このような方達には、副作用が全くない低周波治療器は有効な治療法といえます。
過活動性膀胱(OAB)について
以前にも一度記事にしたことがありますが、前回お話ししたウロマスターに関連した話題で、最近よく話題になっている過活動性膀胱(OAB)についてお話しいたします。
1. 尿意切迫感〜急にトイレに行きたくなり、我慢することが難しい。
2. 頻尿(夜間頻尿)〜日中8回以上トイレに行き、夜間も1回以上尿意で起きる
3. 切迫性尿失禁(尿漏れ)〜尿意切迫感が強く、トイレまで我慢できずに尿が漏れてしまう。
このような症状がある方は、過活動膀胱の可能性があります。
特に、「尿意切迫感は重要で、頻尿でしかも、急な尿意でトイレまで我慢するのがやっとです。」という人は、明らかに過活動膀胱のかたです。
だいたい、40歳以上の8人に一人は持っているという病気ですので、かなり一般的なものです。また、高齢になるほど頻度も高くなり80歳代では3割以上の方が過活動膀胱を持つと言われてます。
原因ですが、脳血管障害、パーキンソン病や脊髄の障害などの「神経因性」と、前立腺肥大症や骨盤底筋のトラブル、加齢、そして原因不明なものを含めた「非神経因性」があります。
実は、原因の分からないものが一番多い病気なのです。
治療法は、抗コリン剤の内服が非常によく効きます。
しかし、「口の乾き」「便秘」などの副作用が起こる場合が有ります。また、前立腺肥大症の方に安易に抗コリン薬を処方すると尿が出にくくなりますので、処方には注意が必要です。
薬物療法以外でも、膀胱訓練や骨盤底筋を鍛える骨盤底筋体操などの運動療法や、前回記事にしたウロマスターも有効な治療法です。
これらの薬物療法以外の治療については、長くなりそうなので、次回説明するようにいたします。
尿失禁・頻尿治療器
今日は、久しぶりに院内設備の説明です。
当院では、尿失禁・頻尿治療器であるウロマスターを装備しています。
1,日中おしっこが近い。夜もトイレに行くために何回も起きる。
2,咳・くしゃみをしたり、重いものを持つとおしっこが漏れる。
3,おしっこをトイレまで我慢するのがつらい。
4,水道で手を洗うとトイレに行きたくなり漏れそうになる。
この装置は、これらの頻尿や尿失禁などの症状を改善するのに有効な装置です。
一般的によくある尿失禁として、
・出産後に多い腹圧性尿失禁
・トイレに間に合わなくて漏れる切迫性尿失禁
・そしてその両方がある混合性尿失禁
があります。
腹圧性尿失禁が重症なら手術が有効ですが、程度の軽い場合は、なかなかよい治療はありません。
骨盤底筋体操という肛門を締めることを繰り返す運動がありますが、継続が難しいと言われています。
また、切迫性尿失禁では抗コリン剤という薬が有効ですが、口が渇く事や便秘という副作用があります。
そこで、電気や時期で骨盤にある筋肉を刺激してそのような症状を改善できないかという観点から開発されたのが、干渉低周波装置です。
原理は、下腹部とおしりに貼った電極から、周波数の近い電流を2種類出すと、骨盤内の刺激したい部分で電流が交差して干渉波を出すそうで、その干渉波がじわじわと広がり、骨盤底筋を収縮させ、排尿に関する神経も刺激するとのことです。
説明を聞くだけで、効きそうでしょう。
1回の治療は約20分間で、服を着たまま受けられ、痛いということはほとんどありません。
もちろん、副作用もありません。
保険が適用されますので、治療の自己負担は数百円だけです。
3週間で6回、それ以降は2週に1回の治療になります。
ただ、治療をやめてしまうと、再び症状が出るようになるのが、欠点です。
以上、ウロマスターの説明をしましたが、お薬で副作用が出るので使えない方や、高齢者や身体の弱い方でも安全・簡単に治療が行えます。
狭心症とたばこ
今朝の新聞で、松山千春の退院会見というのがありました。
狭心症で入院したそうですが、緊急手術の末、元気になって退院したとのことです。
新聞に、松山は血色がよく「医者からはたばこを禁止されてるが、たとえ1000円になっても吸う」などと千春節も復活。
とありました。
でも、狭心症の人がたばこを吸うと、非常に危険であることは、特に医療者でなくてもよく知っていることだと思います。
医者にだめと言われても、松山千春がたばこを吸うことは、個人の自由かもしれません。
しかし、それを見た人が、『松山千春だってやめなかったんだから、俺がやめなくってもいいんじゃないの』と思ってしまう可能性を考えてほしいのです。
学生時代はよく松山千春の歌をカラオケで歌ったりしました。
影響力のある方だと思いますので、よく考えて発言してほしいですね。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。