2021.08.13
一般

ワクチン2回接種後の抗体定量検査を勧めます。

福島県でも昨日230名の感染と新型コロナウイルス感染者数も増えてきており、大変な事態となっています。未だ、重症化を防ぐ有効な治療薬が普及してきていません(抗体カクテル療法が有効と言われていますが、まだ使える方が限られてしまっているようです)。

現在、最も有効な手段はワクチンとなっています。

 

『ワクチン接種状況と新規感染者数等の動向について』から

 

先日のブログでもご紹介しましたように、ワクチン接種を受けている高齢者の感染率や重症化率は劇的に減少していますので、その効果は甚大です。

ただし、ワクチン接種しても十分な抗体が出来ていない場合も有るというニュースがありました。

 

ワクチンの効果発表 抗体ができていない例も 和歌山県:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASP8D6QMYP8DPXLB00G.html

 

85歳以上の9人は抗体値が低く、1人は抗体が確認されなかったそうです。ワクチン接種後に重症化したり亡くなられた方も出ていると言う事ですが、接種後の低抗体価の方の可能性もあるかと思います。

 

有名なランセットに掲載されたアメリカからの論文をご紹介いたします。
ワクチンではありませんが、過去に感染して抗体価が高くなった方の再感染に関する論文です。
IgG抗体力価と感染リスクの逆相関を示しており、抗体価が高ければ感染しにくくなっている事を示し、中和抗体が感染防御や重症化に働くと思われます。

 

どのくらいの抗体価があれば十分なのかと言う事については、培養細胞での試験からの研究報告があり、ワクチン接種後の抗体価が4,160 AU/mL有れば95%の確率で高力価であり、抗体価が1000AU/mLだと62%の確率で高力価と言う事でした。

ちなみに、回復期患者血清の基準は840 AU/mLと言う事ですので、この程度の数値があれば比較的安心なのではと思います。

 

当院では、勤務する職員全員のワクチン2回目接種1ヵ月後の抗体価を測定しました。

 

 

 

千葉大学病院が1,800人程度を対象としたワクチン後の調査ですと、

抗体が付きやすい場合は

 感染の既往あり

 女性

 1回目と2回目の投与間隔が長い

 抗アレルギー薬内服中

であり

抗体が付きにくい場合は

 年齢が高い

 ステロイド内服中

 飲酒の頻度が高い

と言う結果でした。

 

https://www.ho.chiba-u.ac.jp/hosp/dl/news/info/info2021_03.pdf

 

ちなみに私は男性で飲酒の頻度が比較的高いのですが、抗体価は7000くらいで十分な数値となっていました。

 

透析患者さんも検査しています。

検査案内に、集計したデータは学術で使用する場合がある事を了解して頂き検査を受けて貰っています。

 

 

人数が少ないですが、抗体価が低い方もいます。透析を受けている方の抗体価は低いと言う報告もあります。

しかし、80歳を超える高齢の方でも抗体価が1万くらいの方もいます。

ワクチン接種したことでどのくらい感染リスクが下がったかを知るための指標となりますので、是非とも検査を受ける事をお勧めいたします。

 

検査はワクチン接種2回目の1ヶ月後くらいが良いようです。ちなみに保険診療では出来ませんので、自費診療となり、検査代金はその医療機関によって異なります。

 

 

 

 

2021.08.11
一般

新型コロナワクチンの予約を再開いたしました。

7月19日より新型コロナウイルスワクチン接種の受付を一時休止していました。

今回、郡山市の新型コロナウイルスワクチン 接種プロジェクトチームより、国からの通知で12歳以上人口の8割に2回接種できるために必要な量を、10月10日までに配分 すると言う連絡があったそうで、10月中旬以降の予約を取って構わないと言う話を頂きました。

 

つきましては新型コロナワクチンの予約を再開する事といたしました。

電話での予約をお待ちしております。

2021.08.05
一般

『ワクチン接種状況と新規感染者数等の動向について』から

厚生労働省の8月2日付けの『ワクチン接種状況と新規感染者数等の動向について』と言う資料から感染の動向に関して書いてみました。
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第1波修了後は感染者数がほぼゼロになっていますが、第2波修了後からは下げきらずに次の波が起こる様になっており、底値の事をnadirと言いますが、波が来るたびにnadirが上がってきています。
これを見てもゼロコロナを目指すのは無理があることが判るかと思います。
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グラフから
薄緑の線ですが新規陽性者数のうちの65才以上の割合となっていますが、高齢者のワクチン接種が進んできている事から感染者数の割合がかなり下がってきていますね。
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こちらは新規陽性者数7日間の平均ですが、20-30才代が急増しており、今回の第5波での感染者数の多くの方が高齢者以外の方だと判るかと思います。20-30才代の次が40-50才台で、次に20才未満が続いており、60才以上の方は今回の第5波ではほとんど増加していないようです。
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年代別感染者数を見ると20-30才代が多かったですが、入院している世代を見ると40-50才台が多くなっています。次に20-30才代となっています。
20-30才代の方でもかなりの方が入院しているんですね。
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その中でも人工呼吸器が必要な重症者の推移は40-50才台が急増しています。
呼吸器やECMOを装着していると言う事から、重症というよりは重篤と言った方がいいので以下は重篤と表現します。
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このグラフで言える事は以下の3つのポイントとなります。
・40-50才台の重篤者が急増している。
・40-50才台の方へのワクチン接種が行き渡れば医療を圧迫する重篤者数は改善していく可能性がある。
・20-30才代の感染者数の急増に伴い、20-30才代でも重篤化している人数が増えている。
と言う事が判るかと思います。
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40-50才台の方はなるべく早くワクチン接種を受けるべきであり、それ以下の年齢の方でも重篤化している方が一定数出てきていると言う事からワクチンを接種した方が無難だと思います。
若い世代はワクチン打たなくても大丈夫だとかいろいろな話が出ています。
そこで大切な事は何かですが、自分の目でデータを含めた状況をしっかり確認して物事を見極める事が大切です。しっかり見れば自ずとどうすべきかが判ってくるかと思います。
尚、データはキチンと行政が出しているデータが良いと思います。行政が出しているデータですと、おかしなデータの場合直ぐに批判されてしまうからです。
2021.08.04
一般

マスクの付け方に気をつけて

新型コロナウイルスの第5波で感染される方が急増しています。
ワクチン接種が2回終了している高齢者の感染は少数で、若年者での感染が多くなっています。
若年者でも感染した場合には後遺症を残す事もありますので、感染しない為の対策が必要です。
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現在流行しているデルタ株は感染力が強く、1人が8~9人程度に感染させてしまうほどだと言われています。
感染に関しては、以前は接触感染もあると言われていましたが、現在は飛沫感染や空気感染に近いマイクロ飛沫感染での感染が主流と言われています。
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感染予防として重要なのは、換気とマスク着用です。
換気の悪い密閉空間では、5μm未満の粒子がしばらくの間空気中を舞うことで感染が広がる可能性が有ると言われています。ですので、換気が重要であり、換気されているかの評価にはCO2モニターが有効です。
当院の外来では、診察室や透析室にCO2モニターを設置して、常に換気が十分であるかを確認しています。
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また、私自身も携帯型のCO2モニターを持っていて、滞在した場所が換気されている場所なのかをチェックしています。
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最近では、アクリル板は換気を妨げてクラスター発生の要因となる場合もあるとも言われています。
対策は対策する場所に合わせて十分考えて行う必要あります。
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マスクに関しては、不織布マスクが有効です。
ウレタンマスクは効果が低い様ですので、その事も考えて装着ください。
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マスクを装着するときも、鼻を出している方やずり落ちている方がいて、これでは効果が期待出来ません。
自分の顔にフィットさせ隙間無く装着できるかがとても重要となります。
マスク装着時に、「鼻」「ほほ」「あご」にすき間ができないようにする事が大切です。
マスクは下記の様に鼻の形を作り装着してください。
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まずはマスクを半分に折りましょう。
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そしてW字を作る用な形を作ります。
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そして、マスクを装着します。
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この後、頬や顎に隙間が空かない様に装着してください。
最後に、フーッと息を吹きかけて漏れないか確認出来れば完璧です。
漏れを確認した後の写真です。
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尚、今の季節は暑いですから、換気のいい屋外でのマスク着用は密集した場所で無ければ不要と思います。追記いたします。
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最後に、お勧めの本です。
国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長の西村秀一先生の著書です。
新型コロナウイルス感染に関する対策がとてもわかりやすく書いてあります。
自宅で家族が読む分とクリニックでスタッフが読む用に2冊購入しちゃいました。
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2021.07.30
一般

ビデオ付き喉頭鏡を購入しました。

以前、ラリンゲルマスクの講習会を行った事をブログの記事にしました。

 

ラリンゲルマスクの講習会を行いました。

透析治療は体外循環を行う治療であり、急変して呼吸停止する事も希にあります。また、ワクチン接種でアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。

その為、ラリンゲルマスクを用意しましたが、より確実な方法で気道確保出来る様に、

McGRATH MAC ビデオ喉頭鏡を購入いたしました。

 

 

こちらは先端部にカメラが付いており、気管チューブの位置を用意に確認出来て確実に挿管チューブを気管内に入れる事が出来ます。

もちろん、無愁訴透析を目指す事が原則ですが、不測の事態にも対応できる準備は出来ていた方がいいですので、購入いたしました。

 

 

こちらが先日メーカーさんが人形を持ってきてくれて、実際にデモ的に使用した時の写真です。

喉頭蓋がしっかり観察出来ます。

 

 

この様に挿管チューブを気管内に容易に挿入出来ます。

 

 

 

AED BOX設置いたしました。

 

AEDと合わせ、緊急対応がしっかり出来る体制を整える事が出来たかと思います。

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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