一般名処方加算について
今年の4月から診療報酬が改訂されます。
我々医療機関が医療行為を行って受け取れる報酬額です。
中央社会保険医療協議会(中医協)と言う会議で決定されるのですが、今回の改訂で後発品のある医薬品について、医師が製品名ではなく一般名で処方した場合の評価として「一般名処方加算」を新設し、処方せんの交付一回につき2点を処方せん料に加算することになりました。
1点は10円なので、1回に付き20円の加算となります。
国として後発医薬品を推進させて医療費を抑制する事を狙っていると思います。
ただ、どれだけの効果が有るかは疑問です。
医師・医療従事者向けに行った『薬剤の一般名処方に関する意識調査』では、8割の以上の医師が「一般名処方は行っていない」と回答しており、現在一般名処方を行っていない医師の50%が「今後も行いたくない」と回答せいています。
理由として、「一般名は長く覚えにくいため、記載ミスが怖い」「商品名ですでに記憶している。」などがありました。
さらに、「製品によって効き方にばらつきがある」「一般名処方ではどの薬剤が実際に渡されるのか分からないので責任が持てない」と言う意見が有りました。
以前もブログで書きましたが、後発医薬品には度重なる値下げのため正規品の1割近くの値段のものも有ります。
以前はプロスタールと言う薬で説明しました。
プロスタール25が1錠で113.4円に対し、
プロスタット錠25mg 1錠 96.4円
ルトラール錠2mg 1錠 28.2円
ゲシン錠25mg 1錠 15.4円
クロルマジノン酢酸エステル錠25mg「タイヨー」 1錠 15.4円
ヴェロニカ錠25mg 1錠 15.4円
クロキナン錠25mg 1錠 15.4円
レコルク錠25mg 1錠 15.4円
クロルマジノン酢酸エステル25mg錠 1錠 15.4円
サキオジール錠25mg 1錠 15.4円
後発医薬品でこれだけの薬価の違いがあります。
プロスタールは2錠で前立腺肥大症の薬ですが、4錠では前立腺癌の治療薬です。
抗がん剤なのにこれだけ安い価格で薬が作れるのか心配ですし、一般名で処方した場合は、調剤薬局がどの後発医薬品を処方するか決めますので、我々はとても不安になります。
本来は、
後発医薬品が販売されたときに、後発品と同じ程度に正規医薬品を値下げさせればいいのです。
もしくは、現在の誰でも後発医薬品を作れる状態では無く、きちんと選ばれたメーカーのみが作れるようにするべきです。
そのようにしなければ後発医薬品はこれ以上広まっていかないと思います。
- 2012.02.22
- 生活 / くらし
WBCの検査結果をふまえて
http://medg.jp/mt/2012/02/vol410wbc.html#more
医療ガバナンス学会 と言うメールマガジンがあります。
そこに、南相馬市立総合病院の坪倉正治先生という方が南相馬市で行っているホールボディカウンターの結果について投稿しています。
結果から明らかになったこととして、
・時間と共にセシウムが検出されなくなってきている
・慢性被ばくの量はかなり少ない
・しかし、下がりが悪い人達がいて、内部被曝の影響と考えている
・きちんと検査されている食品を食べれば、福島県内で生活しても都内で生活しても変わらない
福島県で生活している我々にとって勇気づけられる結果が書かれています。
是非、ご覧になってみてください。
被災者の窓口負担金免除の期間が延長されました。
今回の窓口負担金免除は、24年2月29日まででしたが、上記の様に延長される事が決まりました。
免除証明書は引き続き使用することが可能です。
お知らせいたします。
- 2012.02.20
- 生活 / くらし
「費用」「学校」で避難できず=福島の子育て世帯、宇都宮大など調査
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201202/2012022001051&g=soc
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昨年秋の調査ですので、現在は少し異なるかもしれません。
「避難を考えていない」が38%
「避難を考えているがさまざまな事情がある」が47%
「放射線の少ない所に避難したい」が20%
このブログできちんとした対策を取らないと福島県は大変な事になるよと書いていますが、避難を考えている人がこれほど多いとはビックリしました。
なんとか避難を考えている方達が踏みとどまる方策を行政が考えて欲しい者です。
- 2012.02.19
- 生活 / くらし
コメ作付け制限:新基準に福島11市町村が否定的
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120210k0000m040116000c.html
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100ベクレル超のセシウムが検出された地域の米は作っても売れないでしょう。
しかも、強引に作ったと言う印象が残ってしまいます。
県内の制限されていない米もさらに売れなくなります。
一番心配なことは、売れなくなった米がどこに行くかです。
文句を言わない学校給食と外食産業に流れます。
来年作付けするかどうかについては、その米を食べる消費者、特に子供たちの事を考えて決めて下さい。
お願いいたします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。