2011.08.15
診療
研究
仕事 / 職場

透析クリニックが被災して 10

何度も書きますが、今回の地震では、郡山から須賀川にかけて建物の損壊が大きかったんです。

左上の写真、手前がいつも行っている床屋さんです。
その奥のきしもとと書いて有るビルですが、斜めになっています
4回立てのビルなのですが、1階が潰れてしまいました。

現在は、取り壊されて更地になりましたが、震災後2ヶ月くらいはこの道路が通行止めになり、とても不便でした。

その事もありますが、この建物の脇は通学路になっていまして、我が子が5分前に通っています。
いつもなら2時45分くらいは、ちょうどこの建物の脇を通るくらいの時間ですが、その日は家でTVゲームをする約束をしていたので、走って帰ってきたので難を逃れました。
地震時にはちょうど玄関にたどり着いたところでした。

この建物の中で、1階に人がいたそうですが、運良く助かったとのことです。
その事を聞いて本当に良かったと思いました。

あまり、無駄話をしていてはいけません。

援腎会すずきクリニックは、建物が出来てまだ3年足らずでした。
これまでの地震の経験から透析室ではたくさんの地震対策が行われています。

まず、機械室では、重いRO装置は転倒防止器具であるゲルセーフの上に設置されています。
また、背の高い多人数用透析液供給装置は免震装置上に設置されています。
配管は、フレキシブルなチューブ配管にて施工されています。

透析室
透析監視装置は自立型で、福島県で初めて地震検知システムを搭載した装置です。
もちろん、キャスターはフリーロックとなっています。

2011.08.15
診療
研究

第38回東北腎不全研究会

毎年夏の終わりに開催されている東北腎不全研究会が今年は8月27日(土)、28日(日)に盛岡市で開催されます。

http://rf-t38.umin.jp/outline/index.html

 

27日(土):ホテルメトロポリタン盛岡
28日(日):いわて県民情報交流センター(アイ―ナ)

今年は27日の土曜日が、研修会、イブニングセミナー、懇親会だけで、28日の日曜日がメインです。

今回の東北腎不全研究会は、今回は「東日本大震災(災害と透析医療)」に関する演題だけに絞って、演題募集が行われました。

本日抄録集が届いたのですが、震災についてとても中身が濃い内容です。
実際に経験した東北の透析に関わる人達の発表ですので、とても参考になると思います。

ちなみに私も、

14:30〜15:20 一般演題2 臨床的検討で

O-10 震災前後における血圧の変動〜家庭血圧の評価〜
援腎会 すずきクリニック 鈴木 一裕

を発表させて頂きます。

と言う事で、お盆中は演題のスライド作製に励んでいました。

日曜日1日で震災への対策を全て見ることが出来ます。
是非ご参加ください。

 

 

2011.08.15
生活 / くらし

放射性廃棄物、発生市町村に一時保管

http://www.minyu-net.com/news/news/0814/news1.html

 

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郡山市内でも、学校の校庭の表土をどこに持って行くかでもめて、放射線に汚染された土が未だに学校の片隅にあります。
市町村内に置くと言っても誰も引き受けなどしません。

郡山市内はホットスポットはまだまだたくさんあります。
昨日、たまたま酒蓋公園に行き、放射線量を計ってみましたが、地表50cmくらいで2.9μSありました。
我が家から歩いて5分かかりません。

次男の同級生のお宅は、室内でも1μS/hあるそうです。
だからと言って、そうそう避難出来る訳ではないですよね。

誰が汚染された表土や汚泥を引き取るとか決めていたら、除染は全く進みません。
我々はあとどれくらい我慢しなくてはならないのでしょうか。

夏休みを機会に、どんどん転校する子どもが増えています。
こんなたらい回しのようなことをしていたら、もっともっと郡山から人が減ってしまいます。

これまで、たくさんの原発周辺の方と話をしましたが、誰もすぐに戻れるとは思っていません。
郡山の表土や汚泥は、原発周辺の土より数値は低いです。
だから、福島第一原子力発電所敷地内にホットスポットの表土や汚泥を取り除いて持って行って下さい。

今すぐ出来ます。

それから、学校給食です。
学校は、誰も買ってくれない食べ物を持って行く場所ではありません。
我々父兄は、子供たちに安心して食べられるものを食べて欲しいのです。

500ベクレル未満が安全とか言う議論をするつもりはないです。
そんな議論を続けていけば、郡山の子どもはどんどんいなくなります。
500が安全とかでなく、どうすれば郡山の小学校の生徒が減らなくなるのかを考えて下さい。

基準値以下で安心と言い続け地産地消を続けることはもうやめて欲しいです。

 

プールについては驚きました。
6月にプールの水は安全ですと文部科学省は発表しています。
学校のプールに汚染されていない水を入れれば何とか使えると言うことですよね。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/06/1307437.htm

 

最近の報道で、未だに福島県中通りの多くの小学校が、震災前のプールの水を排水出来ていないことが発表されました。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110813k0000m040165000c.html

 

多くの小学校のプールの水を捨てることが出来ていないことも知らずに、文部科学省はこんな発表をしていたのでしょうか。

こんなことばかりでは、我々は疲れてしまいます。
昨日、ラジオで有名歌手が沖縄にサマーキャンプとして20人の福島の子供たちを迎えて過ごしたことを番組として放送していました。

20人では少なすぎです。
小さい子どもは親無しではいけません。

そのような活動はとてもありがたいです。

ただ、先ずは福島・郡山の子どもが安心して地元で生活出来る為に応援をお願いします。

 

 

 

 

 

2011.08.14
生活 / くらし
旅行 / 宿

猪苗代に行ってきました。

土曜日に透析診療を終え、家族が先に行っている猪苗代に行ってきました。
会津、猪苗代は放射線量が低く近いですので、ちょっとした休みを取るには良いところです。
明日からは再び透析診療がありますので、お盆休みはほんのちょっとです。
明日の朝戻ってくれば良かったと今頃後悔していますが、1泊しか予約していなかったので後の祭りです。

透析が終わり、クリニックから一番近い仮設住宅の脇の停留所から駅に向かいました。

停留所でバスを待っていると、仮設住宅からおじいさんがやってきて、必然的に『暑いですね。』と会話が始まりました。
おじいさんの話では、富岡で被災して、原発事故の影響でビックパレットに移動して抽選でクリニックそばの仮設に住むようになったとのことです。

バスも隣に座ったので、そのまま会話が続きます。
おじいさん、とても話し好きなかたでした。

地震の後、津波は家から50mくらいまで来たそうです。
情報が入らず、その後も家にいたそうですが、18日の大きな余震で頭をぶつけ失神し、3日後に自衛隊に助けてもらったと話してくれました。
自衛隊の人から、あんたが最後だと言われ連れてきてもらい命拾いしたと言っていました。
浜から避難された方の話は時々聞きますが、命からがらやっと逃げてきたと言う話が多く、いつもいつも本当に大変だったんだなあと思います。

その他にもいろいろお話を聞かせていただき、あっと言う間にバスは郡山駅に着きました。

駅にある札幌ラーメンのお店で遅い昼ご飯を取り、電車の時刻まで暇をつぶしてホームに行きましたが、磐越西線はラッシュ時のように満員ですし詰め状態でした。

始発とは知らず、暇をつぶしていましたが、もっと早く行けば良かったです。
しかも、中山峠付近で電車が急停止。

しばらくすると車内放送で、『列車がカモシカと衝突しました。しばらくお待ちください。』
峠とはいえ、すごいのがぶつかってくるもんだと思い、なんとか猪苗代に到着しました。

まあ、その後は楽しい時間を過ごせましたので、明日からの診療もまた頑張っていきたいと思います。

2011.08.11
診療
研究
仕事 / 職場

透析クリニックが被災して 9

震災から5ヵ月が経過しました。
3月11日に透析治療中、緊急離脱した時の状況ですが、ベッドから患者さんが転落したり、針が抜けてしまう様なことはありませんでした。
ただ、揺れはとても強く、透析装置につり下げていた鉗子が落下して地面に散乱してしまうくらいでした。
透析を始めたばかりであり、止血バンドがバックの中にあったり、回収セットに消毒液が入っていなかったり、さらに一部はベット上から落下し散乱していました。

回収を行える状況でなかったため、緊急離脱をすることになりましたが、離脱法が統一化されてなかったため、回収方法は個々のスタッフの判断で行いました。
皆必死でした。

緊急離脱を行った10名の離脱方法です。
スタッフが落ちた鉗子を拾い集め、鉗子をかけて離脱させ、シートで包んで、シャント肢を保護するように患者さん達に持ってもらい、1階へ誘導させました。

年配の看護師はが鉗子をラインにかけて切断して離脱させましたが、その操作がとても早かったとのことです。

院長が駆けつけたところ、まだ離脱出来ていない患者さんが残っていて、サイドテーブルにはベルトとガーゼが置いてありましたので、抜針してベルトで止血しました。

最近では、切断法は危険であり行うべきではないと言われています。
それは、いつもやっていない切断という非日常的な方法を緊急時に行うことは出来ないと言う考えからです。

今回、一部の看護師ですがこれまでの知識から切断法を知っていたためスムースに行う事が出来ました。
しかも、最も早く離脱させることが出来ました。
これは、きちんとした訓練を行っていれば、とても有効な方法であると皆実感しました。

火災などでとにかく早い離脱を行わなければならない場合には、最も早く離脱出来る切断法は有用であると思います。

この方法は、常日頃より練習することも出来ますので、当院では超緊急時には切断法で離脱することを選択することにしました。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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