2011.08.05
診療
グルメ / お酒

伊佐美のゼリー

先日友人から伊佐美のゼリーをいただきました。

上から

横から

お酒が入っていてほろ酔い気分になります。
とっても美味しかったです。

2011.08.04
診療
研究
仕事 / 職場

透析クリニックが被災して 5

震災直後の様子を示します。

透析液を作る機械室です。

機械室に入った水道水(原水)は、逆浸透装置(RO装置)を通ることで純粋となり、多人数用透析液供給装置でA液(電解質液)およびB液(重炭酸)と混合されて透析液となります。

と言うことで、当院の透析室にあるのは、RO装置、多人数用透析液供給装置、A・B粉末剤溶解装置です。

左上はA・B粉末剤溶解装置です。
固定してあったのですが、動いてしまっています。

左下は多人数用透析液供給装置です。
多人数用透析液供給装置は縦長の機械で、免震装置がついており、ひどい揺れでも被害が生じませんでした。

左下はRO装置ですが、こちらもA・B粉末剤溶解装置と同様に固定が外れ動いてしまいました。
ちなみに、RO装置の重さは960kgあります。
約1トンですね。

右上は機械室にある検査等の機材です。
高額な血液ガス分析装置、浸透圧計は簡単に落下してしまいました。
トキシノメーターも落下しました。
軽くて価格の安かった電解質測定装置のみ無事に台の上に残りました。
パソコンやプリンターは落下してしまいました。

2011.08.04
診療

透析クリニックが被災して 4

3月11日金曜日に地震が発生しました。
当院では、今年初めより月水金の午後クールの透析を開始していましたので、当時は透析中の患者さん10名と午前の透析が終わって止血等を行っている5名の患者さんが2階透析室にいました。
対応したスタッフは8名です。

院長は1階で腹膜透析のチューブ交換をしていました。
いつもは簡単にできるチューブ交換がその日に限ってはうまく出来ませんでした。
実は、前回の交換を別な病院で入院中に行っており、当院で使っているものとは別なもので、その時の道具では交換が出来ないものと後日分かりました。
メーカーがその事をきちんと伝えてくれなかったのは問題ですが、交換中でチューブ消毒中に地震が起こっていたら大変だったのではと思います。

地震が発生し、直ちに2階に直行しようとしましたが、階段の揺れが激しくて、階段を駆け上がることは出来ませんでした。

これは、階段と壁の間に出来た隙間です。
とてもひどく長い揺れでした。

揺れが収まってきたので、2階に駆け上がって行きましたが、目も当てられない状況になっていました。
その時の状況については後でお見せします。

透析継続は全く出来ませんでしたし、強い揺れが再び生じる可能性もあり、透析途中の患者さんは全て緊急離脱を行いました。
ほとんどの方が歩行可能だったので、とりあえず1階外来待合室へ移動していただきました。
1人だけ車いすの方がいらっしゃったので、この方は抱えて降りたことを覚えています。

患者さん達には1階で待機して頂き、スタッフがロッカーの荷物を取りに行きました。
写真があるので、元気な患者さんも一緒に行ったのかもしれません。
ぱっと見ると誰かを救出している様に見えますが、そうではなく荷物を取り出しています。
これも、いくつかの倒れたロッカーを起こしてからの状態です。

日付が入った写真は患者さんが撮っていた写真です。
もちろん、スタッフにその余裕はありませんでした。

その後、何度も大きな余震が起こりました。
強い余震があると駐車場に避難しましたが、外は寒くて居られませんので、再び室内に戻る。そして、余震で外に出るの繰り返しでした。

受付脇の水槽の水が溢れて水浸しになっていましたが、倒れることはありませんでした。

その間に抜針止血を行いました。
職員がいつの間にかバケツを用意して、抜いた針やガーゼを入れてくれました。何の指示も出しませんでしたが、せっせせっせと必要なことをやってくれていました。
あれだけの惨事で誰もけが人がいなかったのはとても幸運だったと思います。

患者さんの人数を確認した後に解散としました。
送迎の方は送迎車で送っていきました。
1人の方がタクシーの送迎を受けていましたが、とてもタクシーが来てくれる状況でなかったので、院長が運転して職員1名とともに自宅に送ってきました。

ちょうど、その時に外来の患者さんがやって来て、今日は午後休診かと怒られたなんてこともありました。(笑)

送迎途中も大きな揺れが何度も起こりました。
道路は問題なく、信号機も通常通り動いていましたが、周囲の建物の被害は大きかったです。

患者さんを送ってから、一度自宅に戻り家族が無事であることを確認しました。早い段階で家族の無事が確認出来てありがたかったです。
私はマンションに住んでいますが、マンション住民の多くの方が駐車場の車の中に避難していました。
その日は余震が繰り返して起こりましたので、近くの体育館に泊まった方が多かったようです。

我が家はクリニックに泊まることとして、クリニックへ移動しました。
途中、コンビニで必要な食べ物を購入し戻りました。
ガソリンまでは気づきませんでしたが、スタッフの中には震災直後にガソリンを入れに行ったスタッフもいて、その先見の明にビックリしました。

クリニックに戻り、院内の設備の点検を行いました。
その時点で、電気はつきました。給湯は使えず、水道は出ました。

正確に言うと、貯水タンクから蛇口までの水道は通っていることが分かったということです。
水道管からタンクに水が流れているかは分からない状況でした。

透析室の被害が大きかったので、今後透析が継続可能か見通しがつかず、いくつかの施設に透析の受け入れが可能か電話を入れました。

どの施設も大変だったようです。

その後、翌日透析予定の患者さん1人1人に電話をかけて、土曜日は透析出来ない事を伝えました。
電話はかかりづらく、しかも通じない方がたくさんいて、この作業は夜までかかりました。
震災時には、明日の透析が出来るかどうかの確認を患者さんから電話してもらう様にしておくべきでした。

午後8時に解散しましたが、その後も夜中まで電話がかかってきた震災当日でした。

2011.08.04
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透析クリニックが被災して 3

今回のシリーズで用意した項目です。

まずは、当院の震災時の状況について書きます。

そして、被災時は透析診療を行っておりましたので、実際に行った緊急離脱について書きます。

次は、当院の透析機器の損害と事前に行っていた震災対策を書き、さらに有用であったかの検証を行いました。

そして、震災直後のインフラがどうであったか。どの様に対応したのか。

震災直後に原発事故が発生し、ひどい目に遭いました。
今も逢っています。
原発事故による影響は書かずにいられません。

終わりに〜まとめです。

以上54枚のスライドを作成しました。

2011.08.03
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透析クリニックが被災して 2

援腎会すずきクリニックは、福島県郡山市にあります。
3年前の平成20年5月に開院しています。
1Fが泌尿器科外来であり、待合室が右上の写真です。
総2階の建物で、2Fが透析室となっており、30床あります。

この建物は、耐震問題で建築基準法が改正されましたが、改正後に郡山市で初めて認可された建物で、耐震については全く問題無い建物です。
ただ、この周辺は農地であり、当院も農地転用後に建築しています。

東日本大震の概要です。

震源地は、三陸沖で、震源深さが24km
規模 はマグニチュード9.0
福島県では、白河市・須賀川市・二本松市が震度6強、福島市・郡山市が震度6弱でした。

今回の震災では、津波の被害があまりにも大きく、地震による直接の被害が話される事は少ないです。
しかし、僕の印象としては郡山・須賀川地区の被害はかなりひどいと感じていました。

実際に調べてみましたが、福島県では全壊した家屋がほぼ同じ人口の福島市が161戸であるのに対し、郡山市は1879戸と10倍以上の被害となっています。

各地の全壊棟数をみても、棟数が多い市町村が津波の被害を受けた沿岸部に集中しているのに対し、内陸部で郡山・須賀川だけ際だって色が濃くなっていることが分かると思います。

福島県では、全壊した病院が2病院となっていますが、両施設共に県中地区です。
さらに、全壊では無いですが他のいくつかの病院が立ち入り禁止となりました。
インフラの問題でなく、建物の損壊によって透析室が使用不能となった病院が3病院ありました。

郡山は地盤が固く、地震には強い土地であると多くの方が思っていいました。
今回の事でビックリした人は多かったと思います。
(もちろん僕もそうです。)

以前、ブログでも紹介しましたが、この地区は湖だったという報告がありました。
10万年前に福島県中部の内陸にあったとされる古代の湖「郡山湖」の内側で、特に家屋倒壊などの被害が大きかった

「建物の老朽化もあるが、湖と被害の大きかった範囲がぴったり一致した」

今回の地震で海岸付近では揺れによる家屋倒壊は少なかったのに対し、郡山市や須賀川市など内陸部で家屋倒壊や地盤沈下などの被害が続出。

被害が郡山湖の範囲内に集中しており、特に沼地跡の周辺や河川の跡で被害が大きかったことを突き止めた。

ビックリしましたね。
これが、先ず前提となる状況です。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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