- 2008.03.06
- 研究
夜間頻尿
泌尿器科外来には、頻尿、特に夜間頻尿で困っている患者さんがたくさんいらっしゃいます。
実は、大学時代の僕の研究テーマが頻尿の研究でした。
代謝ゲージと言う箱の中でラットさんに住んでいただいて、箱の下におしっこを感知する機械をおいて、24時間、10秒ごとにおしっこしたか記録します。うんちは混じらないように工夫してあります。
それを一日4匹ずつやっていきます。
この研究で大変なことは、解析することです。毎日、6×60×24×4回の記録をながめ、おしっこした部分だけを抜き取り、データとして解析することです。
非常に地道な作業で気が遠くなっていきます。でも、どちらかと言うとコツコツやっていくのが好きで、直前に徹夜で頑張るのが苦手な僕にとっては、まあまあ向いている研究でした。
そして、人間に見立てたラットモデルを用いてこの研究を行うことで、皆さんの頻尿がどのようなメカニズムでおこっているのか調べるというのが研究の最終目的です。
もちろん、大学の動物実験を行うことに対しての倫理委員会を通している実験です。
この研究は、国際禁制学会と言う、排尿障害、尿失禁や過活動性膀胱、神経因性膀胱などの病気を専門とする学会で発表させていただきました。
ほんとは、夜間頻尿についてのうんちくを話そうと思ったのですが、どんどん話が脱線してしまいました。
夜間頻尿の詳しい話は次回といたします。
- 2008.03.04
- 診療
たまに泌尿器科の事も
援腎会すずきクリニックは人工透析と泌尿器科の専門施設とうたってます。これまで14年間、泌尿器科診療についても、一生懸命やってきたつもりです。これからも、励んでいきたいと考えています。
ということで、たまには泌尿器科のお話。
泌尿器科と言えば、前立腺肥大症。高齢の男性では、しばしば見られる病気であり、泌尿器科外来では最も多い疾患となります。
おしっこが近い、いわゆる頻尿で受診する人も多いです。
前立腺肥大により尿道が圧迫され、尿が出にくくなると、膀胱が過敏になり、ちょっとの刺激でおしっこに行きたくなります。過活動性膀胱という病態です。
前立腺肥大症による頻尿を直すためには、α1ブロッカーというお薬を飲むと、尿道が広がり尿を出しやすくなります。そうすると、膀胱の刺激も軽減され、頻尿が改善する仕組みです。
もちろん、おしっこの出も良くなります。
それで、おしっこが近くて困るという患者さんに、α1ブロッカーを処方して、『これで、オシッコの出が良くなるからね』と言うと、いきなりしかられます。
『俺はオシッコが近くて困ってんだ。これ以上出たら困る!』
結構、よくしかられます。
丁寧にオシッコが近いのと、オシッコの出が良くなる事の違いを説明して、納得してもらいます。
外来では、時々いろいろなことがあって楽しいです。
- 2008.03.03
- 診療
透析者の運動療法
日曜日に、日本透析医会研修セミナー「透析医療におけるCurrent Topics 2008」を受講してきましたが、その中では、透析患者の運動療法と透析患者への漢方薬の応用と期待という講演がおもしろかったです。
今日は、透析患者の運動療法についてのお話です。
透析患者は、心機能の低下・貧血などがあり、運動耐容能は一般人の半分以下であるとされています。
そして、運動する事によって、乳酸が賛成され、体液が酸性に傾いてしまうという難点が指摘されました。なおかつ、透析日での運動量の低下も問題になっていると指摘されています。
これらを解決するために、近年下肢エルゴメーターを使った運動を透析中に行うことが推奨されてきています。
析開始30分後から1時間ぐらい、負担にならないくらいの労力で自転車運動を行うのです。
これなら、乳酸による血液の酸化は透析により改善されます。
そして、運動中は透析スタッフが目を配っていますので、一人で行うより安心です。
この効果は、
運動耐容能の改善で死亡率が低下する。
心筋細胞の機能改善
筋の廃用予防
耐糖能改善
交感神経活性の安定性
などが、あげられます。
透析中に運動を行うことで、透析中の血圧低下を予防する。尿毒症物質の除去効率を上げるなども、最近言われてきています。
要は、『透析中にエキソサイズ→ハッピー、ハッピー』とのことです。
『いっぱい透析をして、沢山ご飯を食べて、どんどん運動して、それが透析者の生きる道』ですかね。
援腎会すずきクリニックでも、エルゴメーターでの透析中の運動を行っていく予定です。
- 2008.03.02
- 診療
研究会
今週は、土曜、日曜と東京で行われた研究会に行ってきました。
土曜日は、第13回バスキュラーアクセスインターベンション治療(VAIVT)研究会で、日曜日は社団法人日本透析医会 研修セミナー
「透析医療におけるCurrent Topics 2008」で、どちらも昨年に引き続き参加です。
非常に内容が濃かったので、かなり勉強になりました。
それで、講演の内容について、書き込もうと思いましたが、今日は別の内容です。
実は、昨日の夜、ちょっと時間が空いたので、夜8時頃、銀座に行きました。
お目当ては、有楽町イトシアに昨年オープンした、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」です。
昨年、開店の次の日に有楽町に行く機会があり、のぞいてみたら3時間待ち。その後、もう一度行ったときが2時間待ち。
昨日は、45分待ちとのことで、並んでドーナッツおみやげにゲットしました。
店の前は大行列です。
以前行ったときは行列もそれほどでもないと思ったので、並ぼうとしたら、人が多すぎるので、一度行列を区切って地下道の別の位置にその先の行列が出来ていました。
かなり待たされて、店の中へ、
ベルトコンベアーでドーナツが流れてきて、油の中で揚げられ出てきました。試食で一つ頂いて、もちもち感が良かったです。
まあ、話のネタにはなりますが、自分が食べるために2時間待ちはきついかな。
お土産にはホットな商品です。
- 2008.02.28
- 診療
ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則〜その2
この本は、『ビジョナリーカンパニー』と言う本の続編ですが、前作を読まなくても関係有りません。この本は、どうすると優良企業になれるかが書いてある経営の本です。
以前、透析の講演会で、透析専門の経営コンサルタントである、櫻堂渉さんが今後の透析室の運営について講演されたのですが、彼のホームページで紹介していた本でした。
この本では、アメリカで大きく成長して、長期にわたってその実績を維持した企業をそれぞれの競合企業と比較し、リーダーシップ、人材戦略、企業文化等から分析することで、企業が成功するための必要な条件を明らかにしている本です。
成功する企業には、『針鼠の概念』があるそうです。
それは、
偉大な企業は針鼠に似ている。針鼠は単純で冴えない動物だが、肝心要の点を知っており、その点から離れない。
とあります。
つまり、企業が成功するには、
情熱を持って取り組めるもの
自分が一番になれるもの
経済的原動力になれるもの
を選んで、そのことに絞って、死にものぐるいで頑張ることが成功の秘訣であると言うことでした。
これは、企業が成功するためだけでなく、一人の人間が生きていくためにも変わらないはずです。
その当時40歳を目前に、自分が将来どの様に生活するのがいいのか考えていました。
僕は、マルチな人間でもなく、どちらかというと不器用な方ではないかと考えています。
それで、手術は好きで太田西ノ内病院という環境にも恵まれていましたが、自分が最も好きで、最も得意な透析に絞って、頑張ってみたいと考え、援腎会すずきクリニックを開院することを思い立ちました。
今、これまでの思いのすべてを、援腎会にぶつけようと思ってます。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。