2008.06.05
診療

総血液処理量

再び、透析のお話をします。

透析療法を受けている皆さん。
透析の時に、よく『血流』と言う言葉を聞くかと思います。
正式には、血液流量が本当です。
要は、針を刺して血を抜いてダイアライザーを通してきれいにして、戻しているのですが、その抜いている血液のスピードです。
通常、平均的な血流は180~200ml/分と言われています。

そして、『総血液処理量』という言葉を知っていますか。
これは、一回の透析で、どのくらいの血液を処理(ダイアライザーを通過させる)しているかを示しています。
血流200ml/分で4時間の透析でしたら、200ml×60分×4時間=48000mlで48リットルとなります。

この『総血液処理量』は、多ければ多いほど、それだけ透析の効率が上がり、老廃物の除去量が増加することが分かります。
『総血液処理量』は、少なくともドライウエイトのKg数と同じか、できれば1.5倍有った方がいいと言われています。

『総血液処理量』を規定する因子は、血流と透析時間です。
今回の保険点数の改訂でも透析時間が長いほど保険点数が高く付けられました。もっとも効果的な『総血液処理量』の増やし方は時間延長となりますので、調子の悪い方は透析時間延長を検討ください。

血液流量については、「日本透析医学会」が出している目安で、ドライウエイトの4倍の血流量を目安にすると言う考え方があります。
つまり、60kgの人で240ml/分、70kgの人で280ml/分と言う具合です。

ただ、70kgの人で280mlで4時間透析をしたとしても、『総血液処理量』は67.2リットルで、70リットルにはやや足りません。

元気で長生きするために、できるだけ透析時間を延ばすこと、血流を上げていくことが重要となります。

では、血流の上げ方はどうすればいいのでしょうか。
血流を急に上げてしまうと不均衡が起こる可能性が出てきます。
そのため、ゆっくり上げていく必要があります。
身体の状態やシャントの状態によって、その人その人で、血流を上げられるかは変わってきますので、時間をかけてゆっくり上げていき、調子が悪ければ下げるという様に対応していく必要があります。
また、前希釈オンラインHDFを行うと、血流量を上げても不均衡が起こりにくいと言われています。

2008.06.04
生活 / くらし

そろそろ一ヶ月

そろそろ開院して一ヶ月です。
開院してかなりの間、これまで診療をしていたなじみの患者さんたちが大勢来てくださいました。
なじみの患者さんは、ほとんどの方が来てくださったようで、今は開院後に初めてお会いした新たな患者さんが主となっています。

と言うことで、クリニックの泌尿器科外来はすごーく空いています。
今が、来院のチャンスです。

でも、僕自身は暇というわけではありません。
透析の診療がある日は特に忙しく、今までは昼ご飯をやっと食べていた状態でした。
最近は、食事後にちょっと一息付ける様になってきました。

朝は、透析の回路のプライミングを行い、外来が始まる前に透析の針を患者さんの腕に刺して透析の開始を行っています。
昼も透析の回診を行った後、やってくる業者の方々と打ち合わせを行ったりと、あっという間に午後の診療となってしまいます。

今日は透析診療があったので、忙しかったのですが、外来が暇だったので、少しの間、金魚を眺めてみました。
金魚っていやされますね。

実は、金魚が来たときから、6匹すべてに名前を付けました。
名前の付け方は、かなりいい加減でした。

でも、当院の外来スタッフはすべての金魚の名前を覚えているようです。
来院したときには、当院スタッフに名前を聞いてみてください。

2008.06.02
診療

魚のもり

今日は、以前勤務していた太田西の内病院の先生方との飲み会でした。
場所は、朝日にある『魚のもり』でした。
鰹やあいなめなどのお魚と鯨料理がおいしいお店です。

お店の中の写真を撮ってきました。

カウンターもいいですよね。

マスターの森さんです。
この道一筋の板さんと言う感じです。
以前は、板さんはマスターだけでしたが、今日は若い人もいるようになったみたいです。
すごく流行っているお店です。

このブログ、グルメ系でさらなる発展を狙おうかと思っています。

2008.06.01
診療

また日曜日がやって来ました。

今日は、日曜日。
妻からは午前中は仕事に行ってもいいよと言われたのですが、せっかくなので、子供たちを連れてちょっとお出かけしました。

でも、やっぱり行く場所はクリニックの隣の公園。
この公園、地元の小学校の5年生の児童と近隣の方々が立案して計画した公園だそうです。

広いグランドが中心にあり、周りに滑り台やブランコ、鉄棒などの遊具が置いてあります。
遊具の数は少ないのですが、周囲がフェンスで囲まれているので、ボール遊びをするのには適している公園です。

で、ちょっと変わった遊具?があります。

まずは、足ツボ踏み台 ?

やる人いるのかなと思ったのですが、時々靴を脱いでやっている人を見かけます。
気持ちいいですからね。

それから、背のばしベンチ

これ、かなりいいです。
たまにやってます。
そして、右後ろに見えるのが平行棒で、左後ろにも遊具があります。

そして、腹筋台

クリニックが落ち着いてきたら、毎朝ジョギングと腹筋でもやろうかなーなんて、思ってもないことを書いたりしています。

 

2008.05.30
診療

元気で長生き

たまに、まじめな話。
透析患者さんで、どういう人が長生きできるのだろう。

このブログにもリンクを張っていますが、どのような透析の患者さんが長生しているのかの指標を書きます。

体重増加は、4〜6%
心胸比(透析前) 50%未満  
平均血圧100〜120mmHg

水分は取りすぎてはいけない。血圧も高くない方が良い。
当たり前のことです。
でも、ちょっと血圧は低いような気がしますが。

 1回の透析時間は、5時間以上やったほうがいい。
 標準化透析量(Kt/V) 1.6以上
 β2マイクログロブリン濃度(透析前) 30mg/l以下

要は透析はいっぱいやった方が良い。
時間は長い方が良い。
大きな物質を抜ける透析の方が良いと言うことですね。
これは重要です。
 
血清リン濃度(透析前)  4〜6mgdl
血清アルブミン濃度 4,0g/dl以上
ヘマトクリット値(透析前) 30〜35%

リンが高いのも困るけど、栄養状態はよい方が良い。
貧血もない方が良い。
でも、血が濃すぎるのもちょっとよくないようですが。

長生きするためには、いっぱい食べて、いっぱい動いて、いっぱい透析することが一番な様です。
短い透析は、急激な変化ですから、体も疲れるようですよ。

いつも、患者さんが幸せになる治療を目指したいと考えています。
ちょっと、そんなことで、書いてみました。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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