今年の目標
前回の記事は帰省先の実家からiPadを使用して書きました。
下書きする時間も無く書きましたので、ちょっと不安に思っていました。
ところが、さっちゃん、kusakari先生、山羊さんとネットをしている透析者と医療者なら誰でも知っている代表的な方々からコメントを頂き、今年も手を抜けないなと改めて実感いたしました。
ボルテージが上がり始めていたところ、昨日戻ってきてチェックした年賀状には、郡山のグルメの記事をもっと充実してくれと言うご意見もありました。
皆様のご意見を参考にに気楽に書いていきたいと思います。
ところで、
今年の目標を考えました。
1月17日より月水金の2クール目が始まります。
患者さんの人数も増えてきましたが、これまでと同様に1人1人丁寧に診療を行っていくこと、しっかり透析を提供する事が今年の一番の目標です。
昨年からは、恒常的に週4回透析を開始しました。
今年も希望する方に提供していきたいと考えています。
また、4時間より4.5時間。出来れば5時間透析を行うことで長期間体調がいい状態を維持できるように患者さんたちと話し合って行きたいと思います。
血流300ml/min、オンラインHDFで4.5時間の透析を行うと、リンや高血圧のコントロールが多くの方で可能となり、体調も良く過ごされている方が多いようです。
ただ、4.5時間から5時間透析となると、とても調子が良いと話してくれる方が多いことも実感しています。
合併症の管理ですが、当院では通常の採血、胸部レントゲン、心電図の他に、
体液量管理と脂肪や筋肉量をチェックして栄養評価に役立てるインボディー検査
循環器合併症の発見の為の心エコー
腎癌などの早期発見を目的とした腹部エコー
動脈硬化をチェックする頸動脈エコー
シャント管理の為のシャントエコーとシャント造影
骨密度測定
などの検査を行っています。
これまでも、検査で発見した疾患については病診連携や診診連携で専門医の先生方にお世話になり、とてもありがたく感じております。
今年の目標としては、これまで僕の頭の中に入っていたこれらの情報をデータベースにまとめて、スタッフみんなで共有して管理出来る様にすることが必要と考えています。
次に、学会発表についてです。
昨年は、福島腎不全研究会6月と12月、東北腎不全研究会、透析学会総会と年に4回の学会発表をさせていただきました。
今年は、昨年の4つに加え、HDF研究会でも発表できたらと考えています。
また、4月から夏にかけて看護学校で腎泌尿器疾患の講義をして欲しいと依頼を受けました。
90分の授業8回行う予定であり、準備出来るか不安ですが、年明けから少しずつ始めていきたいと考えています。
今年も忙しい1年になりそうです。
お正月は十分にゆっくり出来ました。
明日から通常の診療が始まります。
さあ、頑張っていきたいと思います。
明けましておめでとうございます。
明けましておめでとうございます。
このブログも開始してもうすぐ三年が経過します。
先ほどこれまでの総アクセス数を確認したところ、いつの間にか102万アクセスと、100万アクセスを超えていました。
延べ員数ですが、これまでのたくさんの方に見ていただいていると改めて実感いたしました。
今年も昨年以上により良い医療が提供できようにスタッフ一同頑張っていきたいと考えております。
これからも援腎会すずきクリニック及びこのブログをよろしくくお願いいたします。
- 2010.12.27
- 診療
本日で今年の外来終了です。
本日で、今年の泌尿器科の外来診療は終了となります。
今年もたくさんの患者さまが診察にお越し頂きありがとうございました。
来年は、1月4日から新年の外来が始まります。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
尚、透析診療は、日曜日以外は行っています。
郡山は大雪です。
郡山は大雪です。
昨日は岳温泉で大学医局の忘年会があり、お泊まりでした。
夜になり徐々に降り積もり、朝にはすでに雪が積もっていました。
岳温泉は安達太良連峰の麓にあり、海抜600mあるそうなので、郡山は大丈夫かと思いましたが、そうではありませんでした。
通常は降り止むのですが、午前中いっぱい降っており、年1回あるかないかの大雪になりました。
年内にこれほど降るのは珍しいですね。
当院では透析患者さんの送迎を行っており、雪が降ると大渋滞になりますが、本日土曜日ですので、幸いにも道は混んでいなかったようです。
郡山の皆さん、雪道は滑りますので、気を付けてください。
第83回福島腎不全研究会 5
この方は、透析導入してそれほど時間が経過していない方ですが、転院時より穿刺が難しく、一度造影してみようと言うことでシャント造影を行ったのですが、案の定、吻合部付近に狭窄を認めました。
手術時に静脈を動脈につなぎ合わせるときに、どうしても静脈がねじれてしまい狭窄を起こす事が多いようです。
PTAを行いましたが、狭窄は容易に拡張されました。
このときは気づかなかったのですが、後日写真をよく見ると、黄色い矢印の部分から中枢がうまく写っていないのです。
そして、半年後の9月に、シャントの熱感と痛みが出てきて、シャント静脈炎と診断しました。
原因検索の為にすぐにシャントエコーを行ったところ、先ほどの黄色い矢印の部分で狭窄が有りました。
PTAを予定しましたが、ガイドワイヤーが狭窄部を通過せず、PTAを断念しました。
その後、この部分の人工血管置換術を行ってもらいました。
4月の写真をよく見ると狭窄が疑われます。
この辺が、当院のレントゲン装置の限界かもしれませんが、病院に有るようなDSA(デジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ)は予算の関係から導入することが出来ず、患者さんには申し訳ないと考えています。
4人目の方です。
前医でタバコ窩でシャントを作製してもらいました。
脱血不良があり、バルーンで拡張しました。
狭窄は容易に解除されたのですが、術後も150ml/minまでしか血流が取れず、シャント再増設となりました。
このようにPTAを行って拡張が解除されても、元々のシャントが十分に作られていないとこのような結果になります。
5例目は学会で発表しなかった方です。
結果的には、PTAがうまくいった方ですので、特に発表には入れませんでしたが、今回は提示します。
この方もタバコ窩です。
高度狭窄が2カ所有りました。
手首より手前は簡単にバルーン拡張できました。
タバコ窩吻合部直近は、ガイドワイヤーは通るのですが、バルーンカテーテルが通過しません。
無理矢理バルーンカテーテルを押しつけながら広げ、なんとか十分な血流が確保出来るまでとなった方です。
考察のスライドです。
PTAを行うことで、93.5%で術後十分な透析が可能でした。
閉塞例もマッサージとPTAを併用することで、5例中4例で手術が回避出来ました。
次回のPTAまでの期間は、平均5.9ヶ月であり、症例提示で示した方も含め、PTA後は定期的な再狭窄のチェックが必要です。
今回、4例目、5例目はタバコ窩シャントの方ですが、僕の考えとしては、シャントは十分な血流が取れる部位で行うべきであり、PTAが行える現在では、タバコ窩での手術は避けるべきだと思います。
最後のスライドです。
当院では、前述しましたがDSAなどの高額な装置はなく、通常の泌尿器科診療で行う造影検査で使用しているのと同じ造影装置でPTAを行っています。
先ほど示しました方の様に、DSAだったり、もう少し僕に画像を読む力が有ったなら、事前に狭窄が分かったと思われる方もいらっしゃいます。
このことは残念で患者さんには申し訳ないのですが、多くの方のメンテナンスは出来ていると考えています。
こんな貧弱な設備でも、たくさんの方の造影やPTAをすることが出来ます。
シャントは透析をするためにとても大切なもので、マメなメンテナンスが必要です。
設備が十分な施設がなくても、このように造影と治療が出来る事を最後に書いて今回の発表を終わりとします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。