- 2011.03.18
- 診療
震災から1週間が経過しました。
3月11日(金)の震災から7日目の朝が来ました。
昨夜、やや大きめの余震が有りましたが、建物に損害を与える様なレベルのものはなくなりました。
大きな余震がなければ、当分の間現在の変電器で透析が続けられそうです。
現在のところ、患者さんに入院などを要する大きな状態悪化は見られません。
ただ、血圧が高くなったりなど体調不良を訴える方は数人いらっしゃいます。
透析に必要な薬品や医療機材については、現時点では何とか足りており、特に困る事はありません。
薬品の問屋さんや医療機材の問屋さんがとても努力してくれています。この場を借りてお礼を言わせて下さい。
院内はエアコンが壊れていて、また変電器の負担を減らす為に十分な床暖房が入れられなく、患者さんには寒い思いをさせています。申し訳ありません。
これまで、機械の負担や薬剤入手の不安などから3時間透析を患者さんたちにお願いしてきました。
出来るだけ早く透析時間の延長が出来るように考えております。
泌尿器科に関しましては、現在診療は行っていません。
しかし、かかりつけの患者さんに対しての処方箋の発行は行っております。
まずはお問い合わせ下さい。
勘違いしないでくださいね。
ちなみに、僕は退避命令が出たら患者さんに申し訳ないですが、僕の家族やスタッフと共に真っ先に逃げます。
それは宣言します
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コメントで患者さんを見捨てるとか書かれている様ですが、そのような考えでは無い事を書いておきます。
逃げるのは、退避命令が出た場合の話です。
しかも、透析中にそのような事態になった場合に見捨てて逃げると言う事はありえません。
そのようにとられたらごめんなさい。
書いた先生の様な事はなかなか出来ないと書きたかったのですが、患者さまに余計な心配をかけました。
失礼しました。
お詫びいたします。
追伸)
今日、透析室で先生どこにも行かないでくれと言われた意味がやっと分かりました。
平謝りです。
毎日の変化が大きいです。
昨日は、朝からガソリン探しと原発事故におびえた1日でした。
震災後、通常60名の透析患者さんに対し、120名を収容して透析を行ってきました。
職員はオーバーワークになっています。
他施設から来て透析を受けている方が一部別の施設に移られ、やっと昨日から夜間透析をしなくても良くなり、ほっとしています。
現在、一番の問題は、ガソリンがないことです。
震災後、ガソリンスタンドには長蛇の列が出来ていましたが、終日仕事をしているスタッフが行く時間は有りません。
遠方のスタッフほど通院が困難になり、昨日までに3名のスタッフが院内に寝泊まりしています。
そこで、これまで使用してきた患者送迎車を使って朝夕のスタッフの送迎を行うことを考えました。
昨日は、朝から給油してくれるガソリンスタンドを探す事から始めました。
ガソリンスタンドに問い合わせたところ、給油を行っているのは緊急車両だけだと言われました。
郡山市、福島県の災害本部にこの実情を話し、当院の患者送迎車を緊急車両に指定して欲しいとお願いしました。
ただ、緊急車両は高速を使って物資を被災地に運ぶ車両であり、それ以外が認められないと言われました。
警察署にも何度も電話し、一度はOKと言われましたが、警察署に申請を申し込みに行ったところ、やはり駄目だと言われてしまいまいた。
これだけの事をするのに昨日は1日かかり、とても疲れました。
夕方になり、医療関係者にも給油してくれるガソリンスタンドが見つかり、一部の職員が給油してもらえました。
職員が給油できたことですごく元気になりました。
何でこんな事に1日かかるのかと思いつつ、被災地ってそんなものかなと考える次第です。
食料品も買い出しに行くことが出来ません。
日中、スーパーとかは営業していますが、朝から晩まで働いているスタッフが行ける時間がありません。
郡山は、ガソリンに比べ食料品の供給は良いですが、日中ずっと仕事をしているスタッフは購入できないのです。
また、原発事故により郡山からも避難する人たちが増えてきています。
皆とても不安がっています。
昨日の午後、南相馬の泌尿器科医の先生から電話がかかってきました。
『透析患者を引き取って欲しい』と。
現在、当院では新規の患者様は断っている状態です。
その先生にその事を伝えましたが、何とか引き受けて欲しいと言われました。
南相馬は現在室内退避になっている場所です。
『先生、そこは逃げなくてはいけない場所じゃないの?』
と、聞いたところ、
『もう少しで全員の行き先が決まりますので、そうしたら逃げます。』
と言われ、涙が出て引き受ける事としました。
ちなみに、僕は退避命令が出たら患者さんに申し訳ないですが、僕の家族やスタッフと共に真っ先に逃げます。
それは宣言します。
- 2011.03.16
- 一般
震災より5回目の朝が来ました。
おはようございます。
震災より5回目の朝が来ました。
余震も徐々に少なくなってきました。
毎日ドラマチックに状況が変わっていきます。
震災直後は、透析出来るかどうかと言う事が一番の問題でした。
その後、他施設からの患者の受け入れでした。
電源がやられて応急処置の状態ですので、強い余震が来ないことを祈りつつでした。
やっと余震が収まってきて、これからと言うときに今回の原発事故です。
もうすでに郡山から逃げ出した人たちもいます。
風評被害も出始めています。
浜通から透析を受けて欲しいという電話がたくさんかかってきます。
現在、新規の透析患者様の受付は行っておりません。
現時点でもスタッフはオーバーワークです。
元々少ない人数ですので、出来る範囲で頑張りたいと思います。
行政には、出来るだけ早く、被災されたり避難した患者さんたちが安心して透析出来る場所に移動できるように、早急に努力して欲しいです。
強く要望します。
今の現状を知って欲しい
これまでの状況と要望を書きます。
当院は、30床のベットで約60名の透析患者です。
金曜日の被災後、変電器が故障しましたが、現在のところ復旧しました。
幸運なことに他には透析できなくなるような損害はなく、水道、電気も通っており、透析可能となっています。
近隣の施設で透析困難な施設からの患者様や被災して逃げてきた患者さまを引き受け、現在120名が当院で透析しています。
変電器は一時的な修理で、大きな余震がくれば透析ができなくなる恐れがありますが、今のところ大丈夫で、徐々に余震も沈静化していますので昨日までは安心していました。
しかし、本日原発の避難範囲が広がり、スタッフは浮き足立っています。余震も続いていて、精神的にかなりつらい状態です。
これは、他の施設でも同様です。
周囲の外来クリニックは診察を中止ししています。
聞いた話では、すでに他府県に移動した方もいるようです。
現在、原発周辺から逃げてきた3名の方たちの透析を行っていますが、本日ご家族から相談がありました。
ガソリンがなくなって来られないので、透析回数を減らしてほしいとの事でした。
とても切実な事です。
現在、少なくとも4時間行うべき透析を3時間で我慢していただいています。
それを2回にしてほしいというのです。
また、遠方のスタッフは通院できないので2名ほどクリニックに泊まり込んでいます。
皆、ガソリンがなく、同伴で出勤しています。
昨日、あるガソリンスタンドで工事関係の方だけに給油を行っていました。
我々医療関係にもガソリンを分けてください。
そして、原発から逃げて避難所に居る3名の方や郡山市内の避難所で生活しながら透析を受けている方が県外に脱出できる手配をしてください。
正直きついですが、スタッフと一緒に頑張っています。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。