慢性前立腺炎3
今回は、慢性前立腺炎の診断法についてです。
慢性前立腺炎は、慢性前立腺炎1・2で書いたような症状の疾患です。
この様な方が当院を受診した場合、先ず検尿をしてもらいます。
若い男性で多い尿道炎を否定するためです。
この時点でオシッコが汚れていた場合には、尿道炎や膀胱炎として治療を行います。
尿所見が無く、慢性前立腺炎の症状があれば、直腸診を行います。
肛門に指を挿入して、肛門の直上で腹側に位置する前立腺を触診します。
ただ、痔の有る場合には直腸診の痛みが強く出る場合も有りますので、事前にお知らせ下さい。
時々、肛門に指を入れる時の痛みが強い方がいますので、慎重に行っています。
前立腺を圧迫して痛みがあれば前立腺炎と診断します。正常の方は前立腺に痛みはありません。
ここで、前立腺のマッサージを行います。
マッサージで前立腺から膿を出して診断しますので、これは大切なことです。
また、マッサージはそれ自体を治療法として行っている施設もあります。
マッサージ後の尿検査で尿に白血球や細菌がないか確認します。
前立腺マッサージ後の尿 (VB3)を用いて慢性前立腺の分類を行います。
マッサージ後の尿で白血球が多数あり、細菌も確認されると慢性細菌性前立腺炎と診断しますが、これはあまり多くありません。
細菌が見当たらない場合は、慢性非細菌性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)と診断します。
白血球が見られるが細菌は無い場合、Ⅲa炎症性と言う分類になります。
白血球も細菌も無い場合、Ⅲb非炎症性です。
Ⅲb非炎症性は、以前は前立腺痛や前立腺症と言って、慢性前立腺炎とは別な病気と区別されていましたが、現在の分類では慢性前立腺炎の一部とされています。
そして、前立腺癌精査中や精液検査での異常などの他疾患精査中に偶然発見発見された者を無症候性炎症性前立腺炎としています。
- 2011.12.08
- 診療
高齢者等のインフルエンザ予防接種
郡山市で行っている65才以上の方へのインフルエンザ予防接種の公費助成は明日までです。
明後日からは助成が受けられなくなりますので、ご注意ください。
高齢者等のインフルエンザ予防接種について
高齢者等のインフルエンザの発病防止や重症化を予防し、さらにそのまん延の予防を目的に実施いたします。
1.対象者
(1) 郡山市に住民登録をしている65歳以上の方で、接種を希望する方(健康保険証をご持参ください)
(2) 60歳以上65歳未満の方で、心臓・じん臓又は呼吸器の機能に自己の日常生活が極度に制限される程度の障害を有する方及び、ヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する方(身体障害者手帳1級を所持する方又は、医師の診断書により同程度の障害を持っていると認められる方)
(3) (1)、(2)に該当する対象者のうち、意思疎通のできない方は除きます。
2.実施期間
平成23年10月11日(火)~平成23年12月9日(金)
※ 接種に伴う副反応に備え、日曜・祝日の接種及び午後5時以降の接種は行わないことになっておりますので、予防接種を受ける際にはあらかじめ医療機関に電話で御確認ください。
3.接種場所:郡山市内の指定医療機関
※ 「平成23年度高齢者等インフルエンザ予防接種の受けられる医療機関」については、下記のダウンロードファイル「インフルエンザ予防接種医療機関」をご覧ください。
高齢者等インフルエンザ予防接種のお知らせ(PDF:160KB)
平成23年度高齢者等インフルエンザ予防接種の受けられる医療機関一覧(PDF:117KB)
4.接種料金(自己負担金)
1,050円 (公費による助成は1人実施期間中1回です)
【自己負担金免除者】
[1]生活保護受給者 : 郡山市社会福祉課で発行する証明書をご持参ください。
[2]中国残留邦人等に対する支援給付受給者 : 本人確認証をご持参ください。
なお、期限は市町村によって異なりますので、郡山市以外の方はご確認ください。
- 2011.12.07
- 生活 / くらし
郡山で給食の放射性物質の測定開始!
やっと郡山でも給食の放射性物質の測定を始めたようです。
来年2月からは本格的に放射性物質検出器2台を導入するとのことですが、あまりにも遅い対応です。
心配している父兄はたくさんいるのですから、もっともっと早くやって欲しかったです。
また、放射性物質は検出されなかったと書かれていますが、検出感度はいくつだったのでしょうか。
それは教えてもらえないと困りますよね。
我が家はずっと郡山で生活していくことを決めているので、なるべく安心したものを子供たちに食べさせたいという気持ちがあります。
ずっと言い続けているのですが、この程度までなら安心ですと言っていたらこれからも若い世代は福島県からいなくなってしまいます。
外部被曝も除染で少なくしますが、内部被曝もここまで頑張って減らしていますと言うような話は福島から出てこないのでしょうか。
他県では厳しい基準を作ってやっているのですから。
だから、安心宣言が出た米が後になって基準値を超えたりするんです。
どうか、行政のトップはそのような気持ちを持って仕事をして欲しいです。
カンジダ(Candida)
性感染症学会で、カンジダ症についての教育講演が有りました。
皮膚科の先生の講演でしたが、とてもまとまっていて判りやすかったです。
メモを取ってきましたので、一般的な知識と一緒に記事とします。
時々、当院にも亀頭部が赤くなったと言うことで来院する患者さんがいます。
カンジダを性病と考えている方も多いかもしれませんが、カンジダは口の中や消化管、膣粘膜にある常在菌です。
元々、カンジダの病原性は低いのですが、体調不良で免疫力が低下している方、高齢者、妊婦さんなどで、皮膚や粘膜の環境の変化(高温・湿潤・ステロイド外用)が有ると発症して来ます。
性感染によるものは5%以下と少ないですが、男性で繰り返して起こす場合には性感染症の場合を考えた方がいいそうです。
皮膚表面の一部を取って鏡検でカンジダ菌の菌糸を確認することで診断出来ます。
膀胱炎の検査では、細菌尿を培養検査に出して菌の種類を確認しますが、カンジダの場合は培養検査をしてはいけないそうです。
常在菌だから培養をして増やしたら感染の原因となっていなくても培養で増えるとのことで、なるほどと思いました。
治療は、ラノコラゾール軟膏などの抗真菌薬ですが、免疫力が低下して生じるので、基礎疾患の治療を行うこと。そして、病気が生じた部位が湿気の多い部位の場合はその対策を取る事も重要だと言う話でした。
講演を聞いたことで、これまでの知識が整理されました。
明日からの診療に役立てていきたいですね。
日本性感染症学会に参加します。
現在、午前の診療後新幹線に乗っています。
東京の都市センターホテルで本日・明日と開催されている日本性感染症学会に参加する為です。
僕は透析学会の専門医であると共に泌尿器科専門医です。
開業医となる前は、総合病院に勤めている事がほとんどでしたので、泌尿器科としては主に前立腺癌や膀胱癌、腎臓癌などや、尿路結石症の治療を行っていました。
淋病やクラミジア感染症などの性感染症の治療も行ってきましたが、専門家というレベルまでは達していません。
今回の学会に参加することで、性感染症に関する最先端の治療法や考え方を学んできたいと考えています。
数年後には、性感染症の専門医も取得する予定です。
なにか、面白い情報がありましたら、ブログにも記載したいと思います。
現在、大宮なのでもうすぐ東京です。
それでは、行ってきます。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。