「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」
福島大学の放射線副読本研究会と言うところが出している「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」と言う読み物があります。
https://www.ad.ipc.fukushima-u.ac.jp/~a067/FGF/FukushimaUniv_RadiationText_PDF.pdf
文部科学省が昨年 10 月に小・中・高校生向けの放射線副読本を作成したのですが、事故に関する記述がほとんどなく、健康への影響を過小しているなど内容が偏っていると指摘されています。
そこで、福島大学の教員有志が独自の副読本を作製しました。
福島で放射線の被害に遭っている我々にとっては理にかなった内容で、これまでの考えが整理出来ます。
以下に、内容のポイントを書きましたので、ご覧になってください。
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放射線と被ばくの問題を考えるための副読本
副読本のポイント
自然の放射線は身近にありますが、人工の放射性物質による放射線は身近にはありません。
無用な放射線は出来るだけ浴びないに超したことがありません。
いわゆる「低線量被ばく」による健康影響については未だ解明されていません。
放射線の被ばくによる健康リスクを考える際には、便益(ベネフィット)や負担の公平性についても考慮されなければなりません。放射能に汚染された地域での無用な被ばくには便益は伴っておらす負担にも不公平性が有ります。
「原子力の安全神話」は原発推進側に偏った教育・広報によってつくられてきました。二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、教育や広報における公平性を追求するとともに、一人ひとりが判断力や批判力を育むことが大切です。
放射線と被ばくの問題を考える際のヒント
放射線は正しく怖がることが大切です。
→低線量被ばくについてはその影響は解明されていません。専門家でも安全と考える立場から小さくてもリスクはあるとする立場まで捉え方に幅かあり「正解」は出ていません。
つまり、「怖がり過き」を「間違い」と断定出来る根拠はありません。
放射能のことを心配し過ぎる方が健康によくない
→誰が不安の原因を作り出したのか、誰が責任を負うべきなのか、その最も重要なことを忘れて発言することがあれば、その言葉は被害者をさらに傷つけ逆に加害者を助けることになりかねません。
「低線量被ばくは安全」と言っている学者が「余計な被ばくは出来るたけ避けた方かよい」とも言っている。
→安全と言っておきながら、一方で危険かもしれないと言っています。
年間 100mSv の放射線被はくによるかん死亡者の増加割合は 0.5%たから,たいしたことない
→その 1000分の1の確率を想定の外において対策を行わすに事故を招いた人々に、1000 分の1を軽視するようにアドバイスされるいわれはないでしょう。
放射線よりもタハコや自動車の交通事故の方か危険だ。
→放射線被はくと日常的なリスク要因を同列に扱うことか果たして妥当かどうか。
少なくとも 3 つの論点か考えられます。
1 点目 そのリスクを個人で管理できるかどうか
→放射線に汚染された地域では、ここの力ではその被ばくを完全に避けることは出来ない
2 点目 そのリスクに伴う便益(ベネフィット)があるかどうか
→放射能の汚染による被ばくは何ら便益をもたらさない
3 点目 リスクの代替か妥当かどうか。
→性質の異なるリスクの比較は、危険性の目安にはなってもそれを許容させる根拠にはなり得ない
福島の原発事故で死者は出ていない。津波による被害に比べて深刻に扱われ過ぎだ
→人災である原発事故には「加害者」がいます。その道義的責任の有無における重大さを考慮する必要があります。また、実際に原発事故に伴う避難の際に犠牲になった人々や、放射能汚染を苦にして自殺に追い込まれた人々もいます。
リスクを見つめ,今を大切に生きることが人生を豊かにする
→リスクの認知は、その不確かさという特性から、人の心の不安を増大させることはあっても豊かにすることはますあり得ません。
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このような状況ですから自主避難する方が多数いてもおかしくありません。
その選択はここの考え方によるもので、どのように考えるかは尊重されなければなりません。
しかし、内部被曝を十分に注意して、ホットスポットを避けて生活していけば普通の生活も可能です。
最近、行政や学校が、どんどん安全宣言を出してこれまであった規制を外そうとしています。
我々父兄が安心して子育て出来るように、より住民サイドの考えに立って行動して欲しいです。
我々家は、このような状況でも福島で生活し子育てをしていく事を選択しています。
そして、〝福島県で子育てをしていく現在の状況をこれからも訴え続けていくつもりです。
原発再稼働―なぜ、結論を急ぐのか
http://www.asahi.com/paper/editorial20120327.html
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こちらは東京新聞の記事です。
日本は地震が多い国ですので福島県以外の地域でも、他人ごとでは無いです。
4号機が爆発したのは、3号機でベントした水素が4号機に入り込んだからですよね。
その事を考えれば、ベント弁を独立させる事は当たり前です。
もちろん、ベントフィルターも絶対必要です。
福島は免震棟があってそこで作業員が寝泊まりしていましたが、免震棟さえ無い原発が有ると言うことも驚きです。
しかも、規制や監視が全くされていないと言うのです。
普通は災害が起こってから対策が遅かったと後悔して次の事態に対する対策を行うものです。
現在は、災害が起こったのに次の対策を行うと言う事を無視しようとしています。
やはりみんなで声を上げなければならないでしょう。
Mozilla Japan のワークショップに参加しました。
日曜日に子ども達とビックアイに遊びに行きました。
目的は土曜日から行われていた春休み特別企画「ロボットで遊ボット!」のはずでした。
しかし、1階でMozilla Japanによる「Web の力で世界へ羽ばたこう」をテーマとしたワークショップが行われていて、楽しそうで参加してきました。
http://www.mozilla.jp/blog/entry/7984/
最初は1階でいくつかの企画に参加して、その後7階で本格的なワークショップに参加してきました。
長男は、簡単にプログラミングができる「Scratch (スクラッチ)」と言うワークショップに参加しました。
自作の動物を描き、もぐらたたきゲームを作って大喜びでした。
僕と次男は、手書きの絵などでカスタマイズした自分ブラウザを作る「Domova (ドムーバ)」と言うワークショップに参加しました。
次男に書いてもらった絵をブラウザの画面として使える用になりましたので、現在使用しています。
たくさんの方が福島の子ども達のためにいろいろな企画を考えてくださっています。
とても感謝しています。
今回は僕も便乗してブラウザを作る事が出来ました。
ありがとうございます。
[医療解説] 腎臓リハビリ… 透析中に運動、体調維持
読売新聞の医療サイトに当院でも以前から取り組んでいる腎臓リハの話題が載っていました。
このブログの記事は、
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20080730/1
をご覧ください。
新聞の内容は、
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=56392
レストレスレッグス症候群(RLS)への試み5
RLSスコアの経時的変化です。
3ヶ月後入院中だった1名を除く、8名での集計結果です。
開始時、平均22.1だったスコアは、1ヶ月後15.5、3ヶ月後6.6と
有意差を持って低下していきました。
このうち、2名は3ヶ月後にスコア0と、症状消失しました。
レストレスレッグス症候群は、身体末端の不快感や痛みによって特徴づけられた慢性的な病態であり、発生頻度は透析患者の20~40%にも達するといわれています。
当院におけるRLS患者は9名(全体の13%)でした。
これらの方に、補液量を調節し、Alb漏出量を3.5g程度に抑えながら、α1MG除去率を30%程度にあげることで、レストレスレッグ症候群の症状は軽減・消失しました。
このことから、アルブミン領域にもおよぶ大分子量物質の除去効率が、腎不全で蓄積する物質から起こるRLS治療に深く関与していると考えられました。
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以上で今回のシリーズは終了です。
コメントお待ちしています。
プロフィール
![援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕](https://enjinkai.com/wp/wp-content/themes/enjinkai/images/photo.png)
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。