2012.07.26
生活 / くらし

自主避難

民報新聞の記事です。
家族が第一原発事故で自主避難している家庭の割合が8.5%あるそうです。
相双地区が16.7%と最も多く、県北県中地区が9.2%だそうです。

僕の考えでは、我が家がある郡山市の高線量地区でも自主避難するほどの放射線量では無く、気を付けて生活すれば十分生活出来る環境だと考えています。
ただ、室外の放射線量が高いため、子ども達を外で遊ばせることはちょっとためらうのも事実です。

でも、県外に行くと全くこのことが忘れ去れていて、安全性の確認もせずに原発を再稼働させようとしています。
また、県内でも、行政を中心に大丈夫だ運動を盛んに行っています。

これだけの方が自主避難している状況を周知させることは、福島の住民が我慢して生活しなければならない状況を打破する為にも重要な事だと考えております。

2012.07.26
診療
研究

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討6

考察です。


今回の検討で、栄養状態としてDW、alb、GNRI、筋肉量、脂肪量について検討しましたが、有意な変化は認めませんでした。
若干アルブミンは上昇傾向にあり、栄養状態の悪い患者さん達で悪化していなかった事は良かったことです。

心機能の指標としてCTRの経過も同様でした。

今回一番注目すべきは、腎性貧血に対する効果です。
HbはESA製材でコントロールしているため、若干上昇傾向にあるものの、有意な変化を認めませんでした。
ESA使用量は、全体及び低栄養の患者で使用量が減少していました。
しかも、GNRI91未満の低栄養患者では、平均使用量が7176単位から2694単位に減少していました。

さらに、9000単位/週以上のESAを使用している患者数は、L-カルニチンの投与により3人から0人になっていました。

このことは、L-カルニチンがESA抵抗性の貧血に有用出ある事が示唆される事です。

まとめです。

L-カルニチンの投与により、栄養状態や心機能の改善は認めなかったが、低栄養の患者でも低下する事無く推移しました。

ESA使用量は、有意差は無かったが使用量が減量出来る傾向にあり、EPO抵抗性への効果が示唆されました。

今後は、L-カルニチンの増量と1年以上の長期成績について検討したいと考えています。

 

2012.07.23
診療
仕事 / 職場
その他(医療関連)

歯磨き指導

昨日、援腎会すずきクリニックでは、透析患者さん向けの歯磨き指導を行いました。

講師は、大熊町で歯科医院を経営していて、原発事故で避難した後、ビックパレットで避難者の歯科治療を行い、現在は大玉村にある仮設住宅の診療所で歯科診療を行っている新妻学先生です。

お昼頃に午後の患者さんを対象として歯磨き指導を行ってもらいました。
その後、午前中の患者さんの指導をお願いしました。

ポイントは、歯ブラシの毛先部分を歯と歯肉の境目に軽くあてて、力を入れすぎず、大きく動かすのではなく小刻みに、軽く振動させるように5分くらい磨く事で、夜間は唾液が出ないので、寝る前には必ず磨くように指導されました。

希望した患者さん1人1人の磨き方を指導して下さいました。
丁寧な指導ありがとうございました。

火木土の患者さんについては、後日指導していただく予定です。

元気で長生きするためには、口腔内ケアは重要事項の一つだと考えています。

今後も、透析医療のみで無く、食事療法、運動療法、そしてそれ以外のケア的な部分も充実させた診療を行っていきたいと考えております。

2012.07.22
生活 / くらし

原子力規制委員会の人事

eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会) と言うグループより、原子力規制委員会の中心メンバーが「原子力村」出身であり、これまで原発を推進してきた田中俊一氏を委員長にさせるのはおかしいと言う声明が出ています。

原発事故を防げなかった人達から今後の規制を行う人を選ぶと言うのは、誰が診てもおかしい事だと思います。

原子力規制委員会法が成立して、政府からの独立性の高い原子力規制委員会を設置されます。

原子力規制委員会では、原発の再稼働の審査に加え、原子炉の40年廃炉方針や、大飯原発で示された「安全性」に加え「原発による電力の必要性」を考慮する方針などを、再び審議することとなっています。

原子力規制委員会は、政府からの独立性の高い委員会であり、原子力規制委員会の委員を原発推進勢力で固められてしまえば、「独立性・専門性の壁」に阻まれて国民の声が通らなくなる恐れがあるというのです。

原子力規制委員会のメンバーを安易にこれまで原発を推進してきた人から選ぶ事に反対します。

2012.07.22
診療
研究

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討5

 

ヘモグロビン値の変化です。
Hurotらは、透析患者へのL-カルニチン投与は貧血の改善に効果的であると報告しています。

ヘモグロビン値は若干上昇している傾向にありますすが、有意な差はありませんでした。
ただ、ヘモグロビン値は10-11くらいの値になるようにESA製剤の量を調節していますから、当然の結果かもしれません。

そこで、この期間に使用したESA製剤の量です。
患者さんによっては、ダルベポエチンを使っていた方も居ますし、エリスロポイエチンを使用していた方もいらっしゃいます。
そのため、ダルベポエチン1単位をエポエチン200単位に換算して計算させていただきました。

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週あたりのESA製剤使用量に有意差はありませんが、週あたり4693単位が2727単位と減少していました。
しかも、栄養状態の悪いGNRI91未満の方9名では、週あたり7176単位が2694単位に減少していました。

これだけ投与量が減っても有意差が付かなかった理由ですが、スライドの下方に週あたり9000単位以上ESA製剤を使用していた割合に注目ください。

週あたり9000単位以上ESA製剤を使用していた方は、投与前22名中3名でしたが、6ヵ月後は0名という結果でした。
つまり、大量にESAを使用しなければならない方が減ったことと、それ以外の方は小さな変化だったと言う事が言えます。

カルニチンの貧血に対する効果については、貧血が改善しない症例も一定の頻度で存在することも言われています。
しかし、エリスロポエチン抵抗性の貧血にある一定の効果があるのでしたら、これは大きな事だと考えております。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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