- 2013.05.23
- 生活 / くらし
退屈なんです。
当院のすぐ近くには郡山市内でもっともたくさんの仮設住宅があります。400戸以上の仮設住宅が並んでいます。
富岡町、川内村、双葉町の原発事故で避難している方達です。
仮設にはお年寄りも多く、内科を標榜している当院にも、毎日たくさんの方が受診してきます。
双葉町から避難のお爺さん
診察で困った事無いですかと聞いたところ
『退屈なんです』
双葉町で農家をしていて、幸せな生活をしていたのに、仮設住宅で毎日やる事もなく過ごすようになってしまったと。
川内村のおばあさん
川内村は原発に近いけど線量も低いので村長さんが帰村宣言をしました。
おばあさんも郡山から自宅の川内村に帰っていきました。
帰ったはずなのにまた受診して
『家の周りは大丈夫なんだけど、山の汚染がひどくて、農作業も出来ない。やる事無いから郡山に戻ってきました。』
その他にもたくさんのお年寄りの訴えがあります。
人生の最後に、家族みんなで仲良く暮らしていたのに、家族はばらばらになって、何もする事もなく過ごしている方達が沢山います。
原発が爆発するとこんな状況になることを県外のたくさんの皆さんに知って欲しいと改めて思いました。
月1回の面談
援腎会すずきクリニックでは、開院以来月1回の面談を続けています。
もちろん、毎回の透析毎にベットサイドで患者さんに声をかけて日々の調子を聞いたり、行った検査の説明をしたりしています。
それ以外に月1回電子カルテの前でその月に行った検査結果の説明や、透析中や自宅の血圧の確認、体調について聞いています。
透析中に血圧が下がっていないか。
透析後怠くないか。
痒みはないか。
痛いところはないか。
便秘はないか。
眠れるか。
困っていることはないか。
などです。
我々が得られる情報も多く、面談でドライウエイトを変えたり、処方を変更する事もしばしばです。
以前は、1階にある診察室で行っていたのですが、面倒だからと帰ってしまう人が続発して、それで体重計の脇の電子カルテの所で行う様にしたんですよね。
それでも捕まらない様にと言う感じで逃げちゃう方もいて、時々めげていましたが、現在は、皆さん面談の重要性について分かってくれる様になって、そのような方はいなくなりました。
透析は4時間もやって大変だから、終わったらすぐ帰りたいと考える方も多かったし、どんな透析をやっても同じだと言う考えの方も根強く有ったと思います。
でも、時間を延ばして血流を上げることで体調が良くなることを実感した患者さんが増えて、高かった血圧も下がり安定する様になって、徐々にそのような患者さん達も我々に心を開いてくれる様になったのではと思っています。
透析施設は透析だけやれば良いところではないと思います。
腎臓が動いていない代わりを行うのはもちろんのことですが、高齢者や糖尿病を患う方が多いので、合併症の管理や必要に応じて専門医への紹介をする事も重要です。
昨日、今日でずいぶんと面談も進んだので、今週中には終わるかと思います。
月1回の一大イベントですが、きちんと問診をする事はとても大切です。
引き続き行っていきたいと思っています。
日本透析医会研修セミナー
本日、朝早い新幹線に乗って、品川で行われた日本透析医会研修セミナー に参加してきました。
今回のお題目は、
透析医療における Current Topics 2013
「主題:合併症対策と進歩」
です。
写真は昼休み、総会が始まる前です。
45分の講演と15分の質疑応答です。
午前中は、
演題 透析中の危険な心電図異常
演題 透析患者の無症候性脳梗塞と予後
演題 導入時死因の第一位を占める感染症の現状
の3演題でした。
透析中生じることがある虚血性心疾患の心電図、そして電解質異常による不整脈、脳梗塞に対するワーファリンの投与について、そして肺炎を中心とした感染症の現状など、第一人者の先生方が最先端の情報を講演してくださいました。
午後からも、
演題 透析患者と運動療法:腎臓リハビリテーションの考え方
演題 透析患者における悪性腫瘍に対する治療戦略
演題 CKD-MBD 対策から:副甲状腺機能をどう管理するか
の3演題でした。
当院でも行っているエルゴメーターの話題もありました。悪性腫瘍については、がん薬物療法専門医である専門家のDrから最先端の治療について講義があり、CKD-MBD 対策については、今話題のFGF23についての話がありました。
集中して聞きましたので、最後はふらふらになりながら新幹線に乗りました。
今日覚えた知識を、明日の臨床で役立たてて行きたいです。
建築進行中
今日は午後から建築現場を再度見学しました。
数日前に見たばかりですが、どんどん工事は進んでおります。
透析室内では個室ブースの建築が始まったようです。
建物の外では、浄化槽を設置する為の深い穴を空けていました。
建物の基礎を作る時もビックリするほど深く穴を掘っていました。
しっかりした建物を作ってくれていると何時も感じます。
水野君(現場監督です。)ありがとう!
今後は、内装を中心に、細かい工事が続いていくでしょう。
完成まで、1ヶ月半です。
待ち遠しいですね。
福島県における透析患者の避難状況について
参議院議員荒井広幸さんが、本日15日の予算委員会「提言と質疑」で震災時の福島県における透析患者の避難状況について2回質問するとのことです。
時間は
13:57~14:10迄の(13分NHK)
17:04~17:16迄の(12分)
以上、急な話ですが、お時間の都合のつく方は是非ともご覧になってください。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。