- 2014.02.12
- 一般
診療報酬改定
昨日、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)が開催され、2014年度の診療報酬改定案がまとまりました。。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037011.pdf
初診料は120円増加し、再診料も30円増のアップで、入院基本料も平均で2%程度の上昇です。
診療報酬改定率は全体で0.1%増加とのことです。
でも、新聞報道でもありますが、実質は1.26%減少だそうです。
と言うのは、医療機関は、薬剤を含め消費税を乗せて物品購入しいます。
しかし、患者さんが診療費を支払う時には消費税を受け取っていません。
ですので、消費税が上がってその分の埋め合わせが無ければ実質診療費は値下がりしているのと同じです。
本来は、医療にかかわる医薬品や材料は非課税にするべきだと思います。
でなければ、医療機関への支払時も消費税を課税させるかどちらかにしなければフェアでないと思います。
よく分からない仕組みが続いているのです。
大雪でした。
昨日の郡山は大雪でした。
今年はずっと降らなかったので、降らなかった分がいっぺんに来た印象です。
朝からクリニックでは雪かきを行いました。
今シーズンに向けて購入したユキオス2台が大活躍でした。
午後になっても止まず、透析後も除雪が必要な状態でした。
夜に向かってもガンガン降っていますので、日曜日も除雪に行こうかと思います。
頑張ります。
ジェネリックより安い配合錠
最近、ジェネリックを希望する患者さんが増えてきているようです。
ジェネリックについては、以前ブログにも書きました。
信頼のおける調剤薬局が選んだジェネリックなら間違いはないと思います。
そのような薬剤については当院でも積極的に処方を行っています。
ただ、薬剤によっては、成分が同じでも構造の違いから同様の薬効とならないものも有ります。
アダラートCRと言う薬は、速溶性の外郭層と徐放性の内殻層を持つ2重構造となっています。
服用服薬2時間後と10時間後に血中濃度がピークに達するため、就寝前に服用した場合の降圧効果の二次ピークが早朝血圧上昇時に一致して早朝高血圧を防ぐと言われています。
この構造は製造メーカー特有の手法で作られていますので、ジェネリックメーカーがまね出来るものではありません。
アダラートCRを処方する場合は、基本的に変更不可にしています。
また、ジェネリックは価格が安いと言われていますが、一概にそうではありません。
最近、2つの薬効を持つ薬を合わせた配合錠がたくさん出回っています。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬の配合剤や、利尿剤とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の配合剤などです。
他にも種類の違う糖尿病治療薬の合剤もあります。
時々、この配合剤を飲んでいる患者さんからもジェネリックにして欲しいと言われます。
最近発売されてきている配合剤は、特許が切れていないジェネリックの無い薬とジェネリックのある薬の配合剤となっている事が多い様です。
実は、処方を2剤に分けると値段が高くなる事が有ります。
エックスフォージ配合錠は、
ディオバン錠80mg錠と
アムロジピン錠5mg錠を
合わせた薬で、120.3円の薬価です。
この薬でジェネリック希望の場合は、
ディオバン錠80mg錠 114.8円+アムロジピン錠5mg錠のジェネリック 23.1ー42円(種類がたくさん有り薬価も違う)になります。
つまり、137.1ー156.8円になってしまいます。
ジェネリックにして2錠に増えて、値段が17-36円増えています。
ジェネリックを選択したことで値段が高くなるなんてちょっとびっくりですよね。
夜間在宅血液透析の生存率
Survival among nocturnal home haemodialysis patients compared to kidney transplant recipients
Robert P. Pauly:Nephrol Dial Transplant (2009) 24: 2915–2919
夜間在宅血液透析と腎移植の生存率を比べた論文があります。
2009年のもので、Nephrology Dialysis Transplantationと言う雑誌に載っています。
夜間在宅血液透析は1回6-8時間で週3-7回行っています。
その成績を生体腎移植と献腎移植の生存率と比べています。
nocturnal Hemoが夜間在宅透析で、Deceased donorが献腎移植、Living donorが生体腎移植です。
夜間在宅血液透析の生存率は、生体腎移植にはやや劣りますが、献腎移植とほぼ変わらない生存率である事が分かります。
腎移植は、水分制限も無く、透析を行う時間が必要ではありません。
やはり、一番優れた治療法であることは間違いないと思います。
僕もそう思っていますので、若い方には腎移植の登録を勧めています。
でも、どうしても移植が出来ない方もたくさんいらっしゃいます。
移植が出来ないから長生き出来ないと思っている方達に見て欲しいと思い、この記事を書きました。
夜間在宅透析なんて無理だよと言うかもしれませんが、施設透析でも長時間透析を行っている施設はたくさん有ります。
長時間が難しくても30分透析時間を延ばすとか、血流量を上げるとかはそれほど難しくないのではと思います。
5時間透析の勧め
当院は、5時間、4.5時間、4時間の順番で穿刺を行っています。
夜勤の仕事をしていて、午前の透析中はずっと寝ている患者さんがいます。
ただ、この方4時間透析だったので、毎回9時すぎの穿刺でした。
眠そうな顔でいつも来院して、透析が終わっても寝ている事もありました。
個室透析センターの運用が始まったので、ご本人にお話して、寝るのに適した環境の個室での透析と穿刺時間を1時間近く早めることを提案し、その代わり個室透析センターで透析を受ける条件である5時間透析を受ける様にお話しました。
当院は、現在半数以上が5時間透析の施設です。
多くの患者さんが透析時間延長に理解を示してくれるなかで、開院以来ずっと透析時間延長を拒んでいた方ですので、最初はなかなかうんと言ってくれませんでした。
僕もスタッフも繰り返しお話して、やっと試しにやってみようよと言うことで納得して頂きました。
毎回の除水量も多く、透析開始時は血圧が高く終了時には下がってしまっていましたが、4時間から5時間に時間を延長したことで透析中の血圧は安定し低めにコントロール出来る様になりました。
何種類もリン吸着剤を飲んでもコントロール出来なかった血清リン値も、現在ではしっかり目標値にコントロール出来る様になりました。
ご本人の体調も改善してきたようです。
僕にはなかなか話してくれませんが、時々スタッフには調子がいいんだと言ってくれているようです。
もちろん、この方の血液流量は400ml/minです。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。