2012.07.19
診療
その他(医療関連)

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討2

患者背景です。
対象は、L-カルニチン600mg/日を投与開始した27例中、6ヵ月以上投与継続出来た22例です。
男性が16名、女性が6名、年齢は、平均68.1±1.85歳
原疾患は、DMが13例で非DMが9例でした。
透析歴は、44.9±9.94ヶ月
透析時間は、4.38±0.07時間
血流量が、265±7.8ml/min
Kt/vは1.8±0.05
です。

現在の当院の平均透析時間は、4.7時間。血流量が300ml/minくらいですので、母集団の透析量は少なめのようです。
これは、カルニチンを投与する対象として、食事摂取が少なかったり、低栄養だったりしている方が多く、透析量を抑えている方が多いためかと思います。
時間に関しては、本来は栄養状態が悪いから短くて良いと言うことはないのです。
時間を延ばさせてくれない方の栄養が悪いと言う事かもしれません。

投与理由は、当院の考え方として、基本的にはカルニチン投与の適応は栄養状態が良くない方と考えており、そのため20名の投与理由が栄養状態不良でした。
また、下肢痙攣が4名、ESA抵抗性の貧血の方が1名でした。

27名中5名が脱落しましたが、2名は下肢痙攣が改善しないため、内服中止しています。
また、副作用として2名、投与中に別の疾患で死亡された方が1名いました。

方法としては、
L-カルニチン600mgを6ヵ月投与して

筋症状がどのくらいの程度改善したか。
採血や胸部レントゲン写真の結果や、Inbody720で測定した筋肉量、脂肪量などを

栄養状態 :DW、alb、GNRI、筋肉量、脂肪量

心機能 :CTR

腎性貧血 :Hb、ESA使用量

として評価しました。

また、GNRIが91未満の栄養状態の悪い患者に対するL-カルニチンの効果も全体と比較してみました。

2012.07.18
診療
研究

当院の週当たり透析時間の分布

 

当院で現在透析治療を受けている方の週当たり透析時間の分布です。

現在71名の方が透析治療のために通院しています。
3名の方は5−5−5−4時間の週4回19時間の透析治療を受けています。
5時間の方もたくさんいらっしゃいます。
5時間を受ける様になった方のほとんどが満足されているようです。

4時間半以上の透析時間の方も多く、全体の9割となっています。

現在、4時間透析の方は71名中7名ととなり、開院以来初めて10%を切りました。

透析時間は長ければ予後が良いことは良く知られています。
援腎会すずきクリニックでは、当院で透析を受けている患者さんの生命予後が良好で、合併症が少なく、透析後のだるさを極力無くした透析を目指しています。

 

2012.07.16
研究
その他(医療関連)

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討1

先月、第57回(社)日本透析医学会学術集会に参加してきた事をブログで報告し、後日ブログでも紹介すると記載していましたが、そのままとなってしまい、1ヵ月近く経過してしまいました。

やり出さないと始まらないですね。
発表した演題は、

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討

と言う演題です。
当院では、透析患者のエルカルチン欠乏に対し、積極的にレボカルニチンの投与を行っています。
その効果について今回は発表させていただきました。

研究の背景です。

カルニチンは低分子量のアミノ酸誘導体で、細胞のエネルギー代謝、脂肪酸のミトコンドリアへの輸送、CoAによる代謝反応の制御、赤血球膜の安定化などの生理機能に必須の物質です。

透析患者では、透析治療によってカルニチンが除去されてしまうため、カルニチン欠乏が起こりやすいことが知られています。

カルニチンが心筋や骨格筋のエネルギー代謝、赤血球膜の修復に必要な物質であるため、その欠乏は心臓や骨格筋の機能、貧血の程度に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、透析者カルニチンを補充することで、

心機能の改善
筋痙攣などの筋肉症状の消失
EPO低反応性貧血の改善

などの効果があると言われています。

当院に維持透析で通院中のカルニチンの欠乏が疑われる透析者に対して、L-カルニチンを投与してカルニチン欠乏状態を改善させ、その効果について検討しました。

2012.07.12
診療
開業 / 病院経営
仕事 / 職場

プロモーションビデオ

『しっかり透析』の布教と職員募集の為にプロモーションビデオを作成する事としました。
いつものちゃんこ屋さん関連の友人にお願いしました。

昨日は、クリニック内で施設の設備や僕が透析室でご挨拶をする部分の撮影を行いました。
ご協力いただいた患者の皆様、ありがとうございました。

本日は、郡山市内のスタジオで、しっかり透析の効果を説明するスライドに音入れをしました。

印象としては、聴力検査室みたいな感じでした。

ナレーションのお姉さんが、テレビのアナウンサーの様な声で普通の会話をするので、ビックリしました。

秋口にはホームページでご覧になれるかと思います。

2012.07.10
診療
研究
その他(医療関連)

島原に行ってきました。

7月7日8日と、透析治療に関する勉強会が長崎県島原市で行われ、参加してきました。

7日午後から8日昼までの勉強会でしたので、6日の診療後新幹線で蒲田に泊まり、京急線の始発で移動して、ヒコーキに乗り換え行ってきました。

今回の勉強会でも、震災の事を喋らせていただきました。

震災の話をするのはこれで4回目になります。
回を重ねるたびに、内容が豊富になっていきます。
今回は、原発事故後1年経過しての福島の状況についてもお話させて頂きました。
今後は、これから新たな災害が発生した場合の対策についてお話出来る様にしていきたいです。

日曜日のお昼は、島原名物の具雑煮を食べました。
島原の乱の時、天草四郎が信徒たちと籠城した際、餅を備蓄させ、山や海からいろいろな材料を集めて雑煮を炊いたのが始まりのようです。

勉強会の後に少し時間が出来ましたので、仲間達と雲仙の噴気や温泉の集まっている「地獄」を見学してきました。

もちろん地獄内は立ち入り禁止だそうです。
こんなところ、怖くて入れません。

地獄の周りを30分くらいかけて回りましたが、話ていたことは透析の事ばかりで、ほとんど景色も見ていなかったかもしれません。
なかなか語り合えないことがどんどん話せてあっという間に時間が過ぎました。

島原を15時過ぎに出て、バス、ヒコーキ、新幹線を乗り継いで郡山にたどり着いたのは23時過ぎでした。
でも、勉強会に集まった皆さんが、透析を真剣に考えていて、勉強会で学べた内容も充実していて、疲れを忘れてしまうくらいでした。

同じ目標を持った仲間が集まると言う事はすばらしいと感じました。
「患者さんにいい透析を」
いい言葉だなあ。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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