2012.07.22
生活 / くらし

原子力規制委員会の人事

eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会) と言うグループより、原子力規制委員会の中心メンバーが「原子力村」出身であり、これまで原発を推進してきた田中俊一氏を委員長にさせるのはおかしいと言う声明が出ています。

原発事故を防げなかった人達から今後の規制を行う人を選ぶと言うのは、誰が診てもおかしい事だと思います。

原子力規制委員会法が成立して、政府からの独立性の高い原子力規制委員会を設置されます。

原子力規制委員会では、原発の再稼働の審査に加え、原子炉の40年廃炉方針や、大飯原発で示された「安全性」に加え「原発による電力の必要性」を考慮する方針などを、再び審議することとなっています。

原子力規制委員会は、政府からの独立性の高い委員会であり、原子力規制委員会の委員を原発推進勢力で固められてしまえば、「独立性・専門性の壁」に阻まれて国民の声が通らなくなる恐れがあるというのです。

原子力規制委員会のメンバーを安易にこれまで原発を推進してきた人から選ぶ事に反対します。

2012.07.22
診療
研究

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討5

 

ヘモグロビン値の変化です。
Hurotらは、透析患者へのL-カルニチン投与は貧血の改善に効果的であると報告しています。

ヘモグロビン値は若干上昇している傾向にありますすが、有意な差はありませんでした。
ただ、ヘモグロビン値は10-11くらいの値になるようにESA製剤の量を調節していますから、当然の結果かもしれません。

そこで、この期間に使用したESA製剤の量です。
患者さんによっては、ダルベポエチンを使っていた方も居ますし、エリスロポイエチンを使用していた方もいらっしゃいます。
そのため、ダルベポエチン1単位をエポエチン200単位に換算して計算させていただきました。

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週あたりのESA製剤使用量に有意差はありませんが、週あたり4693単位が2727単位と減少していました。
しかも、栄養状態の悪いGNRI91未満の方9名では、週あたり7176単位が2694単位に減少していました。

これだけ投与量が減っても有意差が付かなかった理由ですが、スライドの下方に週あたり9000単位以上ESA製剤を使用していた割合に注目ください。

週あたり9000単位以上ESA製剤を使用していた方は、投与前22名中3名でしたが、6ヵ月後は0名という結果でした。
つまり、大量にESAを使用しなければならない方が減ったことと、それ以外の方は小さな変化だったと言う事が言えます。

カルニチンの貧血に対する効果については、貧血が改善しない症例も一定の頻度で存在することも言われています。
しかし、エリスロポエチン抵抗性の貧血にある一定の効果があるのでしたら、これは大きな事だと考えております。

2012.07.20
診療
研究

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討4

レボカルニチンの続きです。

筋肉量(kg)です。
全体としては若干減少傾向ですが有意差は出ませんでした。
栄養状態の悪いGNRI91未満の方ではほぼ横ばいですね。

脂肪量(kg)です。
こちらも評価は難しいです。
GNRI91未満の方ではドライウエイトと筋肉量が全く変わらず、脂肪量が落ちている傾向にありました。
栄養状態の悪い方では、脂肪量が落ちるということは良いことではありませんので、良くない傾向かもしれません。

CTRは途中まで下がる傾向でしたが、6ヵ月目を見ると変わっていません。
変わり無しでした。

2012.07.20
診療
研究

慢性血液透析患者におけるレボカルニチンの有用性の検討3

結果です。

まず、筋症状です。
筋症状は、筋痙攣いわゆる「こむらがえり」です。

カルニチンの欠乏状態では、筋肉の引きつりが起こりやすいことが知られていて、カルニチンを筋痙攣症状のある方が内服すると、症状が改善すると言われています。

当院では、4名の方に筋症状がありました。
ただ、症状の出現は月に1回程度であり、軽度の症状でした。

カルニチンを内服することで、2名の方は症状が消失しましたが、2名の方は改善せず、1ヵ月で内服を中止しました。
筋症状については、カルニチンはある一定の効果があったという結果でした。

ドライウエイトの変化は特に認めませんでした。
栄養状態の悪いGNRI91未満の方でも同様の結果でした。

僕的には、栄養状態の悪いGNRI91未満の方もそれ以上痩せなかった事に満足しています。

アルブミンについては、全体で変わらず、栄養状態の悪いGNRI91未満の方でやや上昇する傾向がありました。
元々低栄養の方達ですので、半年間悪化していないと言うことは良かったのではと思います。

GNRIは全体で変わらず、GNRI91未満の方はアルブミンが上昇した結果若干上昇している結果でした。

栄養状態が悪い方にカルニチンを処方して、半年後に栄養状態が少なくとも悪化しなかったことは、カルニチンの効果としては満足できる効果だったのではと考えています。

2012.07.20
生活 / くらし
その他(一般)

内部被曝通信

https://aspara.asahi.com/blog/hamadori/entry/TpigXw1NWt

朝日新聞に医療サイト「アピタル」と言う会員制のサイトがあります。
東大の坪倉正治医師がブログを書いており、一般の方でも見る事が出来ます。
坪倉医師は週の半分は南相馬で医療支援を行っており、南相馬で行っているホールボディカウンターの結果から分かったことをブログに書かれていますが、とても参考になります。
一度ご覧になってください。

それと、昨日ラジオ福島で、東大の早野教授と坪倉医師が内部被曝についてお話してくれました。

いくつか記憶に残った部分を書きます。

・チェルノブイリ比べて内部被爆の量は二桁違う

チェルノブイリでは、汚染直後に食品の規制をしなかったために、汚染した牛乳を飲んだ子供たちが甲状腺癌になったことが知られています。
食品が規制されている現在では、きちんと流通している食品を食べていれば内部被曝の量はとても少ないとの事でした。

南相馬で行っているホールボディカウンターの結果によると、ほとんどの方が測定感度以下であり、一部の被曝量が多い方でも1日20ベクレル程度の被曝量との事でした。

・ホールボディカウンターは子供をはかるより一緒に住んでる親を測ったほうがいい

これは、今回の内部被曝通信にも書いて有る事です。
うちの次男も郡山の高線量地域に住んでいる幼児として、つくばにバスで内部被曝量を測りに行ったのですが、本人だけで無くお母さんも一緒に測る様に言われた事を思い出します。
その時は、小学生の長男を測って欲しいと思いましたが、お母さんを測る理由はあったのだということが分かりました。

・1964年当時は日本国民のほとんどが毎日5ベクレルほどの内部被曝を受けていて、現在の福島での内部被曝より多い

今回の原発事故が起こらなければ全く知らなかった事です。
1950~1960年代を中心に、非常に多くの核実験が大気中で行われ、たくさんの放射性物質が降ってきていたそうです。

グラフの縦軸は指数ですから、とんでもない量が降っていたことが分かりますね。

以上です。 早野、坪倉両先生の話は2回に分けて放送されます。 次回は7月28日の土曜日、午後2時からとのことです。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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