2009.11.13
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基礎疾患をもつ人(その他)

11月16日から基礎疾患のある人の中で最優先者と妊婦の方の新型インフルエンザワクチン接種が始まります。

当院にかかっている患者さんでは、腎臓病の方が多いですので、最優先の方は、
①人工透析を受けている方
②透析導入間近の方(慢性腎臓病ステージ5)
③ 腎移植後患者
④ 腎臓疾患で副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬の投与を受けている方⑤ 腎機能が30%未満まで落ちている方(慢性腎臓病ステージ4)
となっております。

新型インフルエンザワクチン接種の手引きには、事細かく最優先者について書いてあります。

その後12月1日より〝基礎疾患のある人(その他)〟という方々の摂取が始まります。
ところで、〝基礎疾患のある人(その他)〟はどのような方々なのでしょうか。

お知らせや手引きを見ると、
基礎疾患を持っている人(優先接種の対象となるかどうかは、かかりつけ医の判断によります)
と書いてあります。

あまりにも漠然としていてよく分からないので、保健所に聞いてみたのですが、明確な答えが返ってきませんでした。
心臓病でも、高血圧だけではダメとか、心房細動のみではダメだと言う話を聞いたことが有るのですが、腎臓病ではどうなんだろうと考えてしまいます。

腎機能が60%未満の方(慢性腎臓病ステージ3)は、該当しそうですが、腎障害が軽度の方 (慢性腎臓病ステージ2)や蛋白尿のみの方(慢性腎臓病ステージ1)はどうなんでしょうか。

12月1日から始まるというのに、かかりつけ医の判断と言われても困ります。
きちんとした指標を出してほしいです。

2009.11.10
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新型インフルエンザへの対応

先日、新型インフルエンザ対応機関に登録しなかったことについてコメントを書きましたが、やはり新型インフルエンザワクチンが接種出来ない施設と勘違いしている患者さんがいらっしゃいます。

それと、優先接種対象とする基礎疾患のうち、特に優先する最優先対象者の接種が11月16日より開始となります。
しかし、クリニックに割り当てられたワクチンは当院で透析をおこなっている患者さんの人数より少なく、開始の16日に全ての患者さんに接種することが出来ません。

優先対象者がいるかどうかの調査がおこなわれた時に、当院にいる人工透析をおこなっている患者さんの人数を提出してはいるのですが、実際に割り振られたのは、必要な人数には全然たりないのです。

やはり、行政もなかなか十分な対応が出来ないようです。

素朴な疑問ですが、毎年のインフルエンザワクチンは、その年に流行りそうな株を元に作られると言います。
それならば、季節性の株に新型の株を混ぜて培養できたら、同時に出来てしかも足りないという心配も無かったのではないかと思います。

もしかしたら、もっと早く鳥インフルエンザだけでなく豚インフルエンザも研究していたら、可能だったのではなんて考えてしまいます。

分野的によく分からない分野であり、専門でも何でも無いですので、聞き流して下さいね。
もっとしっかりした理由が有るのかもしれませんので。

 

2009.11.06
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目指す透析2

現在、前回書きました目指す透析を達成している方は、現実的にはそれほど多くはいらっしゃいません。
現在5時間透析をおこなっているのは30名中5名ですので、その方たちは〝目指している透析〟となっています。

時間延長が出来ていない一番の理由は僕の力不足になりますが、時間を延ばすことが辛いと訴える方が多いことです。
どうしても4時間より長くはやりたくないと頑張る方がいらっしゃいます。

それでもお話をして、納得していただける方は4時間半の透析としています。そうすると、かなり調子が良くなる方が多いです。
現在、当院では、30名中14名の方が4時間半の透析をおこなっており、その他にも週の初めは5時間とか4時間半の方もいらっしゃいます。

僕が実感しているのは、4時間透析と4時間半透析を比べると、調子の良さが全く違う気がするのです。
皆さん、血圧も落ち着き、とても体調良く過ごされています。

現在4時間透析で調子が悪い方は、5分でも10分でも時間延長をおこなうことをお勧めいたします。

2009.11.05
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めざす透析1

以前より、どの様な透析を提供したいかについては、何回も書いています。

5時間透析で、
オンライン前希釈(当院では時間当たり12リットル)HDF
血流300ml/min
です。

でも、もっと凄いところは全国にたくさんあって、当院のホームページやブログでリンクしている松江腎クリニックでは、通院している全ての患者さんの1週間の平均透析時間が15時間を超えているそうです。

しかも、透析自体も高透析量の透析で、前希釈オンラインHDFで血流増加にも積極的で、400ml/ml以上の血流量を取っている方もいるような施設です。(当院では現在の所、最大360ml/mlです。)

1週間の平均透析時間が15時間と言うと、5時間以上の透析を週3回行っているか、週4回の透析を行っているかになります。

当院でも週4回の透析を行っていた方がいましたが、現在は5時間オンライン血流300でコントロール出来ており、今のところいらっしゃいません。
でも、希望される方がいましたら大歓迎です。

時間延長や回数増加は、最初の3ヵ月ぐらいは辛いかもしれませんが、それを過ぎれば身体はとても楽になると考えています。

時々、時間を延ばしたり、回数を増やしたりしたら、クリニックの持ち出しになるから止めた方が良いという意見を聞くことが有ります。

短期的にはそうかもしれません。
しかし、長期的に見ると、患者さんが元気になりますから、包括化されたエリスロポエチンの量も減りますし、具合が悪い方が減るので、スタッフの手間が減って人件費も少なくなります。

さらに、当院のような紹介をしていただかないと患者さんが増えていかない施設では、具合が悪くなり、入院してしまうとそれだけで収入が減ってしまいます。
患者さんが調子が良く、入院しないように対策を取ることがとても重要なのです。

2009.11.05
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いい加減にして欲しい

【ゆうゆうLife】松原のぶえさん 腎臓移植から復帰
2009.10.30 07:49

演歌歌手の松原のぶえさん=10月19日、東京都港区赤坂(荻窪佳撮影)
 ■弟からもらった命で大好きな歌届けたい
 演歌歌手の松原のぶえさん(48)は今年5月、腎臓の移植手術を受け、ステージへの復帰を果たした。
     中略
 人工透析は通常4時間程度かけて血液を浄化するんですが、私は3時間以上続けると呼吸が苦しくなって、気を失ったことも何度もありました。特異体質らしく、透析をすると血圧が一気に下がるんです。あまりの苦しさに、「このまま死んでしまうかも」と思ったほど。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/091030/bdy0910300751001-n1.htm

以前、『生きて歌いたい ~松原のぶえ決意の腎臓移植~』と言う番組が放送され、そこで、いかに透析を受けていることが辛くて、耐えられないような状況であると言うことが放送されました。

この放送に対しては、全国腎臓病協議会 からも抗議文が出されました。
この放送が、現在の日本の透析医療と患者現況を客観的に表したものではなく、 あくまで個人の治療状況から透析医療全体について情報提供したものだと。

http://www.zjk.or.jp/pdf/topics/tv_asahi.pdf

別に彼女が特異体質だった訳ではありません。
考え方が間違っていただけです。

腎不全で透析を受けている方は、塩分を控えて透析間の体重増加が少なくなるようにしなければいけません。

それを、食欲がないからと言って、お茶漬けしか食べなかったら、塩分をたくさん取り、水分摂取量が増えてしまい、次の透析までに随分と体重が増えてしまいます。

本来は、体重の増加が多い方は時間をかけて除水をすべきなのに、忙しいからと言って、4時間でも足りない透析を、3時間しか行わないのですから、血圧が下がって具合が悪くなるのは当たり前です。

間違った知識を皆さんに広めることはやめて欲しいです。
ただ、その事をきちんと説明し、理解させることが出来なかった医療者側にも問題が有ると言うのも事実です。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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