- 2008.03.30
- 診療
5,前立腺癌の数値が高いと言われた。
今回は、最近どんどん増加している前立腺癌のお話です。
患者さんがやってきます。
『前立腺の数値が高いようだ!』
→『結果を見せてください。前立腺がんの腫瘍マーカーPSAが高いのですね。PSAが4以上だと前立腺がんの可能性が高くなりますので、さらなる検査が必要です。』
となります。
『PSAは、数値が4~10ならば約20%、10以上なら半数以上でがんが見つかります。でも、前立腺肥大症や前立腺炎などでも高くなります。詳しく調べましょう。』
とお話しします。
ただ、年齢の若い方では、正常を2以下とし、それ以上が異常値とする場合も有ります。
クリニックでは、再度PSAを採血し、その後、おしりから肛門に指を入れて前立腺を診察し、その後、超音波の機械をおしりから入れて、前立腺の状態を詳しく観察します。
前立腺はお腹から超音波を当てると距離があり観察しにくいのですが、肛門からは膜一枚なので、超音波ではきれい見えます。
がんに行く血流が見えるカラードップラー超音波を用いることで、さらに診断の精度が高まります。
前立腺がんの診断は、PSA採血と直腸診、経直腸前立腺エコーの三本セットが基本です。
これらの検査で少しでも異常があれば、前立腺がんを疑い、前立腺に針を刺して組織を取る検査が必要になります。
その場合は、患者さんの希望によりやり方を決めたいと思います。
針を直腸から刺す方法と、陰嚢と肛門の間(会陰)から刺す方法があります。外来でも検査出来ますが、安全のために入院で検査することが多いです。
- 2008.03.30
- 診療
6,背中が痛く血尿が出る(尿管結石)
今回は、尿路結石症のお話です。
結石で泌尿器科を受診するパターンとしては、実際に痛みが出て受診する場合と、人間ドックや内科での超音波で指摘されて来院する場合が有ります。
『一番多いのが、朝方急に片方の背中が痛くなり、血尿も出た』と言う症状です。
腎臓は背中に有りますが、背骨の両脇に2個あります。と言うことで、痛みが出るのは脇です。けっして背骨のあたりや腰全体では有りません。
かなりの人が朝方急に痛みを訴えてきます。何で朝方なのかはよくわからないですが、ネットで調べてみたところ、尿管結石で痛む人は寝返りの回数が少ないなんて報告している人もいるようですので、寝相と関係有るのかもしれません。
それから、夏に多いです。夏は暑く脱水になりやすいからでしょう。
血尿ですが、痛みと肉眼的な血尿が出ることが多いですが、痛みだけの場合や、血尿が出ただけの場合も有ります。
通常は、肉眼的な血尿がなくても、検尿で赤血球が出ることが多いです。
来院したとに痛みがある場合が多いですので、その場合は受付で話してください。
我慢する必要は有りませんので、優先的に治療します。
まずは検尿で血が混ざっているかを調べます。
次に、超音波の検査で腎臓に石がないか、石で尿が流れにくくなって、腎臓が腫れている水腎症という状態になっていないかなどを調べます。また、お腹の写真を撮って、実際に石が写っているか確認します。
これで、おおよそのことが分かります。
痛み止めの注射や点滴をして、落ち着いたら、後日腎盂造影検査を予定します。
造影剤という薬を点滴して、何回かお腹のレントゲン線撮影を行う検査で、造影剤が腎臓から尿管を通って膀胱に流れる状況を調べることで、尿管に石が有るかどうか調べることが出来ます。
腎盂造影は、結石を診断するには非常に有用な検査ですので、特にアレルギーの強い方以外ではやられた方がいいです。
時々、今すぐやってくれという人がいらっしゃいますが、それは危険です。
造影剤は強い利尿作用が有りますので、痛みがある時に検査すると痛みが強くなって、ひどいときには尿の圧が高くなり、オシッコが尿管から漏れ出してしまうことがあります。
以上が尿管結石の診断までの診療です。
- 2008.03.29
- 開業 / 病院経営
クリニックの引き渡しが終わりました。
今日は、13時30分より、当院の建設を行った建設会社から僕の方に、建物の引き渡しが行われました。
それに先だって、午前中に保険会社の人とクリニックの火災保険の契約を行いました。本日12時からの契約で、それ以降、火災には保険が出るというものでした。
まあ、火災保険に入るのが遅れて大変なことになることは無いのでしょうが、まさかの時に対し、保険は切れ目無く入っていた方がいいと言うことです。
ここ数日間、クリニックには毎日足を運んでいたので、引き渡しの時点でのチェックで、大きな問題が出たことは無かったのですが、こうしてほしい、ああしてほしいと言う要望は毎回見学に行くたびにお願いしていました。そして、ほとんどのことを快く引き受けていただいていました。
昨年10月に始まった、クリニック建設工事も、六ヶ月で完成し、感無量です。
来週初めには、家具が入ってくるので、今はがらんどうのクリニックも、さまになってくるかと思います。
これから、僕の人生を掛けていく建物が出来たことについて、感慨にふけっていた1日でした。
明後日は、太田病院勤務最後の日です。
そして、太田記念病院での最後の外来です。
気持ちを引き締めて頑張ります。
- 2008.03.29
- 診療
最後の送別会
昨日は、泌尿器科外来の送別会でした。
太田病院関係では、最後の送別会でした。
村上部長から、『西ノ内病院の外来の一つという気持ちでやってくれ』という、ありがたい言葉を頂きました。
かなり、飲まされてしまい、後で写真を見ると、顔が真っ赤っかです。あまり見せられる顔ではありません。
会場は、『今泉相撲茶屋』です。
郡山市にある元お相撲さんのマスターがやっているお店です。
いわゆるちゃんこ屋さんですが、日本酒と刺身は絶品です。
我々が行きつけにしているお店で、マスター、おばちゃん、皆さんと仲良くさせていただいています。
また、今日は、西ノ内病院最後の外来でした。
ずーと外来に通っていただいたのに、今後は診察出来なくなる患者の皆さん、すみません。
頑張ってね。と言う言葉に応えられるよう努力いたします。
- 2008.03.27
- スポーツ
「野球は自分を磨いてくれる砥石です。」
今朝、桑田真澄が引退するニュースが流れ、みのもんたが直接本人にインタビューをしていました。
巨人ファンだけど、最近ではテレビをほとんど見ていない自分にとって、朝から桑田のインタビューが聞けたのはよかったです。
そして、桑田が話した、「野球は自分を磨いてくれる砥石です。」という言葉、かなり重みがありました。
現役時代でやり残したことはなく、すべてやり尽くしたという感じでした。
自分の仕事に、常に磨きをかけていく、これがプロフェッショナルですね。
ちなみに、この言葉で思いついたのが、『切磋琢磨』。
そこで、ネットで調べてみると、
「琢磨」は玉・石などを打ち磨く意味で、学問をし、徳を修めるために、努力に努力を重ねること。また、友人どうしで励まし合い競い合って向上すること。「互いに―して技術改新を成し遂げる」
磨くのではなく、打ち砕くことだったのですね。
ちょっと的外れでした。
でも、スタッフ一同切磋琢磨でやっていきます。
プロフィール

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。