長生きの秘訣
今日から4月になりました。
新しい年度の開始です。
それで、ちょっと透析患者さんが長生きできるためについて書いてみました。
透析患者さんが長生きできるためには、
1.透析時間が長いほうが長生きする。
2. 透析量が多い方が長生きする。
3. HDよりHDFの方が楽であり、辛くない透析ができる。
4. 水分管理のいい方が長生きする 。
5. 食事を沢山とっていて,筋肉が多い方が長生きする。
6. しっかりとした透析でリンの数値を下げる必要がある。
以上のことが言われています。
このブログにもリンクを張っていますが、具体的にどのような透析の患者さんが長生しているのかの指標を書きます。
体重増加は、4〜6%
心胸比(透析前) 50%未満
平均血圧100〜120mmHg
平均血圧=拡張期血圧+(収縮期血圧ー拡張期血圧)/3です。
水分は取りすぎてはいけない。血圧も高くない方が良い。
当たり前のことです。
もうちょっと血圧は低い方がいいような気がしますが。
でも、本質は『水を取るな』でなく、『塩を減らせ』です。
塩分を取りすぎれば体重増加が多くなりますが、減らせば少なくなります。
そのことが一番大切です。
1回の透析時間は、5時間以上
標準化透析量(Kt/V) 1.6以上
β2マイクログロブリン濃度(透析前) 30mg/l以下
要は透析はいっぱいやった方が良い。
時間は長い方が良い。
大きな物質を抜ける透析の方が良いと言うことですね。
これは重要です。
血清リン濃度(透析前) 4〜5.5mgdl
血清アルブミン濃度 4,0g/dl以上
ヘマトクリット値(透析前) 30〜35%
リンが高いのも困るけど、栄養状態はよい方が良い。
貧血もない方が良いけど、血が濃すぎるのもちょっとよくないようです。
栄養をよくして、なおかつリンを低くすることは相反すると思われそうですが、十分な時間と量の透析を行えば、どんどん食べてもリンは高くならないと思います。
長生きするためには、いっぱい食べて、いっぱい動いて、いっぱい透析することが大切なのです。
短い透析は、急激な変化ですから、体も疲れるようですよ。
援腎会すずきクリニックではこれからも、患者さんが長生きできて幸せになる治療を目指しています。
今日は日曜日
今日は日曜日。
日曜日は、可能ならば子供たちを連れて遊びに行ってます。
今日も、高速バスに乗って、福島のAXC(アックス)に行ってきました。
昨日から土日ETCで高速が1000円になったと言うことで、いつもより混んでいる感じでした。
ただ、皆さんETCを使うからか、料金所が混んでいることはなかったです。
AXC(アックス)は、たくさんの子供たちが遊んでおり、うちの子供たちも満喫して遊んでいました。
今回は、なれてきたので、初めてマッサージ椅子を利用しましたが、快適でしたね。
これで、温泉も有ったら最高だなんて考えたりしして。
AXC(アックス)では、この建物に有るお店のサービス券をくれます。
毎回、鯛焼き屋さんの1枚無料券をもらえるので、つい買ってしまうのですが、今回はお総菜屋さんのコロッケサービス券も使ってしまいました。
このお店で弁当を買うと、AXCの中に持ち込めるので、弁当を食べている方をたくさん見かけます。
それで、昼食として弁当を買いに行ったのですが、お総菜を2種類選べる普通の弁当が500円、4種類選べるスペシャルが700円でした。
大人一人ですので、スペシャルを買って、子供たちと分けて食べる事として、唐揚げなどの4種類のおかずとご飯は無料の大盛りをお願いしました。
おかず美味しかったですが、この大盛りの量はあり得ないです。
小さく写っている唐揚げ、結構でかいです。
爽健美茶と比べて、いかにご飯が多いか分かるかと思います。
もしかして、これは挑戦かもしれないと思ったのですが、全て食べると具合が悪くなる可能性を考え、半分残させてもらいました。
その後は、ビンゴ大会、体操の時間、風船作り大会などのイベントがあり、満喫の一日でした。
写真は、体操の時間です。
結局、AXCに6時間もいてしまい、親子共々遊びすぎでぼろぼろになって帰ってきました。
とても楽しいところですが、弁当は普通盛りの方がいいようです。
太田記念病院閉院
昨日、太田記念病院で最後の診療を行ってきました。
今月いっぱいで太田記念病院が閉院となります。
泌尿器科外来は昨日の僕の外来で、常勤の先生方が行っている外来も本日で終了です。
太田記念病院は、平成16年から昨年4月まで泌尿器科部長として勤務させていただきました。
勤務としては、兼務していた太田西ノ内病院での業務がほとんどで、記念病院は週2回の外来と当直をするくらいでしたが、記念病院に入院していた泌尿器科の患者さんについての責任者は自分であり、思い入れのある病院です。
建物の老朽化が激しいことによる閉院と聞いています。
そういえば、新潟で起きた中越地震の時に当直をしていて、揺れの中で、建物が崩壊しないかとても心配になったのを思い出します。
スタッフの皆さんも、それぞれ西ノ内病院や記念病院に移っていくそうです。
寂しいお別れをしてきました。
思い出の病院になりそうです。
オンラインHDFのメリット、デメリット
前回は、オンラインHDFの患者さんにとってのメリットを書きました。
それでは、我々透析を提供する側からのメリット・デメリットはどうでしょうか。
まずは、クリニックにとってのデメリットです。
1.透析液清浄化の為の設備投資がかかる。
透析液を全くの無菌状態にするためには、エンドトキシンカットフィルターを使うだけでは非常に心許ないです。
そのため、RO装置の段階から徹底的に透析液の清浄化を行っています。
2。エンドトキシンカットフィルターの使用量が多い。
さらに、オンラインHDFを行うために、透析コンソールの手前では、エンドトキシンカットフィルターを2本直列に使用しています。
3.透析液清浄化の確認の為のコストがかかる
通常では行わない頻度でエンドトキシンの測定と細菌培養を行っています。
4.通常透析では必要ない輸液ポンプが必要
透析では輸液ポンプが1台で済みますが、HDFを行うためには2台必要です。
5.保険で適応されていない治療である。
現在の医療制度では、保険診療と自費診療を同時に行っては行けません。
そのため、これらの費用は全てクリニックの持ち出しとなります。
これだけクリニックとして費用がかかってしまうのに、何でオンラインHDFを行うかですが、
1.患者さんが元気になる。
透析中の状態悪化も少なくなり、スタッフの手間が少なくなる。スタッフも常に状態が悪い患者さんに対応するストレスが無くなる。
2.状態がいい。
入院や死亡率が減るので、患者さんが減らない。
当院で透析を導入する人はいません。受け入れているだけです。
その方たちが減ることはなるべく避けたいことです。
3.包括化されているエリスロポエチンの使用量が少なくなる。
以前の福島腎不全研究会の発表で、当院に転院した患者さんのエリスロポエチンの使用量は転院時の半分以下になっています。
などがあります。
でも、一番のメリットは、
常に医療者も患者も前向きに治療に取り組むことが出来る治療がオンラインHDFだと考えているためです。
オシッコするときに痛みが有る
女性では膀胱炎。男性では尿道炎、膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎です。
ちなみに膀胱炎がひどくなって、尿管を逆流して腎臓まで炎症が及ぶと腎盂腎炎です。
時々、慢性腎盂腎炎と言われたと言う方がいらっしゃいますが、これは、特殊な病気で、きちんとした検査が必要です。
腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎は熱がでますが、尿道、膀胱は管や袋なので、菌が粘膜の中の方まで及ばないので熱が出ません。
それで、女性は基本的に簡単です。
ほとんどが単純性膀胱炎です。オシッコの検査をして、オシッコが汚れていれば、抗生物質を飲んで、水分を沢山取れば直ります。
ただ、検尿をきちんと取れたかどうかがくせ者です。
女性の場合、きちんとオシッコを取らないと、膀胱尿がきれいでも、外陰部の雑菌がオシッコに混ざり、検尿でかなり汚いオシッコの結果になる場合があります。
どうしても判断が難しい場合は管を使ってオシッコを取る必要が出てきます。
男性では、若年者か高齢の方かで全然違ってきます。
基本的に、若い男性では前立腺肥大症が有りませんので、尿が汚れていれば、それは尿道炎のことが多く、性感染症を考えます。
淋病、クラミジア感染などで、放っておくと不妊症になる場合もあるますので、きちんと直るまで治療を行う必要が有ります。
高齢男性は、前立腺肥大症による排尿障害があって、それが原因で膀胱炎を起こしている可能性が高くなりますので、抗生剤による治療とともに、排尿障害の治療を開始する必要が有ります。
高齢男性で尿が汚れる場合は、泌尿器科専門医の診察を受けることをお勧めします。残尿がないかどうかの検査が必要です。
もし、残尿が一定以上多い場合は自己導尿と言って、管を使って、1日数回自分でオシッコを抜く必要が出てきます。
残尿が非常に多くて苦しんでいる患者さんに、この手技を覚えていただくと、『こんなにすっきりしたのはどのくらいぶりだろ』とたいへん喜んでくださることが多いです。
そして、内服治療がうまくいくと、重症の方以外は自己導尿を行わなくてよくなります。
以前は、重症の前立腺肥大症では、オシッコの管を尿道から入れてしまって、袋をぶら下げて歩かなければならなかったのですが、最近は、可能な方は積極的に自己導尿を勧めています。
高齢男性で膀胱炎や尿閉を起こすというのは重症なので、専門医のしっかりした診察が必要であり、しっかりとした治療により、症状は改善可能であることを知っていただければと思います。
プロフィール

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。


