学習勉強会16
貧血の指標であるHtと週あたりのエリスロポエチン使用量の推移です。
貧血の状態は、目標値のHt32-34%くらいにコントロールしていましたが、エリスロポエチンの週あたりの使用量は、6375単位から2727単位と半分以下に減少しています。
時間を延長し、透析量を増やし、オンラインHDFを行った効果の1つと思います。
エリスロポエチンの使用量が減ることは、透析を提供する側のメリットで、受けている側のメリットでは無いと考えられるかもしれませんが、それだけ栄養状態や全身状態が改善していると考えてもおかしくないと思います。
現在もエリスロポエチンやダルベポエチンの使用量は比較的少なく、多くの患者さんが、エリスロポエチンを週あたり2250単位もしくはダルベポエチン10μgぐらいの使用量となっています。
スライドにダルベポエチンを単位で示しましたが、μgの間違えです。
- 2009.07.16
- 診療
お盆休みのお知らせ
誠に勝手ですが、本年度のお盆休みを、下記日程とさせていただきます 。
8月13日(木)・14日(金)・15日(土)
8月17日(月)から通常診療となります。
ご理解の程よろしくお願い致します。
透析診療は通常通り行います。
アクセス数が1日1000アクセス突破!
最近、学習勉強会シリーズを行ってから、アクセス数がいつもより多く、たくさんの皆さんにブログを見ていただいている事を実感していました。
m3のアクセスランキングでも、本日の時点で、月間アクセスランキングが35位で、月のアクセス数が24101とたくさんの皆さんがご覧になってくださっています。
35位ですが、全国で35位であり、50位以内のほとんどのブログが匿名のブログで有ることを考えますと、かなり健闘している方かなと思っています。
今日確認したのですが、13日のアクセス数が1015アクセスで、このブログを始めてから、初めて1000アクセスを超えていました。
これまでも、900台後半のアクセス数は数回有ったのですが、初めて1000アクセス越えてびっくりしています。
これからも、いい透析を行うことを話題の中心にブログを書いていきたいと思います。
学習勉強会15
透析時間の延長、血流量の増加、大量置換ろ過を行うことで、得られた効果を示します。
学習講演会7で説明しましたKT/Vでは、1.28から1.85に増加しています。
以前透析学会で示した指標では1.6以上が望ましいとあり、数値的にはそれ以上の結果になりました。
Kt/Vは1.8までは生命予後が改善され、それ以上だと予後が悪くなると言う事が言われていますが、最近の統計調査では、Kt/Vが2以上でも死亡リスクが下がるという結果が出ているようです。
透析をやり過ぎると悪いという考えは以前からあります。
実際効率が良くなると、蛋白の抜けも大きくなります。
だからやりすぎは良くないんだとよく言われます。
当院でも、実際に透析量を増やしたところ、痩せてきた患者さんがいらっしゃいました。
でも、そう言う場合は、透析に見合うカロリー摂取が少ないことが問題であることが多く、その方の場合、透析中のカロリー補給と、栄養指導を含めた栄養改善で、一時的には透析量を減らす事が有りましたが、現在では以前の透析量での透析を行っても、痩せることは無くなりました。
この方の場合は、うまくいったケースで、なかなか栄養改善がうまくいかず、透析量を減らしたままで、再度増やすことが出来ない患者さんもいらっしゃいます。
でも、だからといって、透析量を増やすことが悪いことだとは言えないと思います。
基本的には、透析量を増やすことはいいことであって、増やせるのなら、増やせるだけ増やした方がいいでしょう。
ただ、どうしてもそれについて行けない人はいますので、きちんと患者さんを観察して、難しい場合は個別で対応する事が大切なのです。
透析量を増やすと悪いという意見は、増やさなくてもいいという意見の言い訳の様な気がします。
学習勉強会14
当院でその当時3ヵ月以上の透析治療を受けていた方は11名で、平均年齢が約60歳、糖尿病が原疾患の方が11名中5名でした。
透析歴は、平均約3年で、透析方法は、一台の通常HDF以外はオンラインHDFを行っています。
導入直後の方が多かったため、転院時の透析時間は4時間弱でしたが、尿量減少と共に時間延長をお勧めしていましたので、その時点で4.3時間にとなっていました。
その当時は、6時間透析の人が1人いらっしゃいました。
かもめクリニックで、長時間透析が高血圧を防いでいると言う実績を知っていましたので、転院時に血圧が高く、降圧剤でコントロール不良であったため、6時間透析を行っていました。
現在は、血圧も下がり、本人と相談し、5時間透析を行っています。
現在は、5時間透析の方が最長ですが、どうしても体重コントロールが不良の方がいらっしゃって、その方は週4回の透析を行っています。
基本的には、透析はやればやるほどいいという考え方でやっていますので、その患者さんを良くする方法で対応できる事は行いたいと考えています。
血流量は、一般的に使用している針の太さから取れる流量が毎分300mlくらいまでだとの考えから、当院では積極的に300ml/mlまで上げています。
現在、20数名の患者さんが血液透析を当院で受けられており、シャントの調子が悪い方以外は、ほとんどの方が毎分300mlで透析を行っており、最大360ml/分の血流量で透析を行っていますが、心機能の悪くなった患者さんはいらっしゃいません。
当院で行っている透析方法が、オンラインHDFであり、血流を上げても不均衡が起こりずらく、心臓への負担が少なくなっている可能性もあります。
しかし、基本的には以前書いたように、引いた分だけ返しているので血流を上げても問題ないのだと思います。
プロフィール

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。