PEW(Protein-energy wastiung:蛋白・エネルギー消費状態)
昨日、郡山市内で福島県糖尿病性腎症研究会が行われました。
僕も演題を一題出していて、発表してきましたが、特別講演はとても興味がある内容でした。
「透析患者のPEW(Protein-energy wastiung:蛋白・エネルギー消費状態)についてと言う内容で、東邦大学医療センター大森病院の水入苑生先生が講演されました。
ここ数年、透析者の栄養障害、慢性炎症状態、動脈硬化をMIA症候群と命名し、最近やっと広まってきたと思っていましたが、時代はPEWに変わってきているようです。
栄養障害が有っても慢性炎症や動脈硬化につながらない場合も有り、MIA症候群よりもPEWの概念の方がいいと言うことになったようなんです。
しかも、水入先生のお話では、このPEWが世界基準になってきていて、日本でもPEWが基準となってくる様だとの話でした。
診断基準は、アルブミンなどの低下、BMIが18.5以下、筋肉量が2ヵ月で5%、6ヵ月で10%以上の低下、食事摂取量が0.8g/kg/day以下とのことです。
これらの項目が当てはまってくるとPEWに該当するようです。
でも、MIA症候群を診断するために開発されたMIS(Malnutrition―Inflammation Score)では、病歴の部分に体重変化、食事摂取があり、身体所見で筋肉量の変化があり、BMIも項目にあり、検査データではアルブミンも入っているので、ほとんど一緒の感じがします。
しかも、MISは項目の合計で点数的に評価出来るので、経時的にも見られるので、使いやすいですが、PEWは当てはまるかどうかだけですので、概念だけのもののような気がします。
ただ、世界基準には逆らえないとの話なので、ここ数年で慣れ親しんできたMIA症候群も忘れ去られ、透析者の栄養というとPEWとなっていくのかもしれません。
仮面ライダーダブルのベルト
もう少しでクリスマスですね。
1ヶ月ほど前に、長男に『サンタさんから何がもらいたいの?』と聞いたところ、仮面ライダーダブルのベルトとの返事でした。
昨年は、仮面ライダーディケイドのベルトがほしいと言われていましたが、買いに行ったところ売り切れていました。
今年は少し早く、12月初めには買わないとねと話していました。
先日、なくなると困るとのことで買いに行ったのですが、もうすでにどこの店でも売り切れでした。
昨年と同じで、全然学習していません。
しかも、ネットで検索すると、5000円くらいのベルトがプレミアがついて12000円にまでなっているのです。

トイザらスに昨日電話したところ、たまたま本日30セット入荷するとの話を聞きました。
10時開店でしたが、念のために妻に9時に行ってもらいました。
しかし、9時過ぎにはすでに15人ほど並んでおり、もう少し遅ければ購入できなかったとの話でした。
何とか約束通りベルトを手に入れて、クリスマスの晩には長男の枕元におけそうです。
でも、たかが仮面ライダーのベルトと思っていたのですが、欲しいときにはなかなか手に入らないものですね。
スタッフ募集
援腎会すずきクリニックでは、透析量を増加させることとオンラインHDFを行うことで、生存率を延ばし、透析が辛くなく行われ、透析後も来院時と同じように帰れる透析を目指しております。
当院では、院長が先頭に立っていい透析を提供する様に心がけております。
スタッフ任せの透析室と言うことはございません。
当院で透析治療を受けている方が、いつまでも元気で通院できるようにこれからも努力をしていきたいと考えております。
一緒に理想の透析環境を作っていただける方を募集しております。
今回の募集は、(正・准)看護師及び臨床工学士の方です。
詳細はホームページのスタッフ募集をご覧下さい。
ご応募を心からお待ちしております。
ちょっと目からウロコ
昨日、慢性腎臓病の本を読んでいたのですが、目からウロコとも言える記述があり、ちょっと感動しましたので、その内容について触れたいと思います。
最近、慢性腎臓病という概念が盛んに言われるようになりました。
腎臓が悪くなると腎不全になり透析が必要となることは以前から知られていましたが、実は腎不全までは至らなくても、脳・心血管病(CCVD)を起こす可能性が一般の人よりかなり高いのです。
そのため、慢性腎臓病であることが脳・心血管病のリスクであることが分かり注目される様になったのです。
その本には、なぜ慢性腎臓病の人が脳・心血管病を起こしやすいかについて書かれていました。
実は、その原因は進化の過程に有るというのです。
生物が海から陸に移り住むようになったとき、これまで十分にあった水と塩分が常に不足しがちとなりました。
水や塩分が不足することで循環不全や低血圧をおこし、重要な臓器に血流が行かなくなる事が最も心配されます。
そのため、重要な臓器に対しては、太い動脈から直接重要な部分に細い動脈を出す身体の仕組みを生物は作り上げたのです。
腎臓では太い弓状動脈から直接細い輸入細動脈が出て糸球体に血液を運びます。
脳では、中大脳動脈から穿通枝という細い動脈が出て大脳に血液を運びます。
心臓では、胸部大動脈から心臓に血流を送る冠動脈が出て心臓を養っています。
眼動脈は内頚動脈という太い動脈から直接出ています。
一般的には、動脈は徐々に細くなっていくのですが、大切な臓器には循環不全や低血圧でも血流が届く様にするための構造です。
こうしておけば、徐々に細くなった先にある臓器より血液が行きやすいのです。
でも、この構造が仇となったのです。
現代では、低血圧と反対の高血圧が起こっています。
糖尿病や脂質代謝異常が起こっています。
高血圧はこの様な太い動脈から分岐する細い動脈に強く障害を起こします。太い血管は高い血圧に耐えられますが、そこから分岐する細い血管はもろに高い圧力を受け続けてどんどんダメージが強まっていくのです。
慢性腎臓病が起こっているということは、太い血管から直に細い血管が分岐している部分に障害が出ている事を意味しますので、同様の構造の脳・心血管に病変が生じている可能性を示唆することになるというのです。
面白いですね。
医療費の詳細な明細書の無料発行について
厚生労働省では、全ての医療機関に対して医療費の詳細な明細書を無料発行するようにする動きがあるようです。
明細書には、行った処置や投与した薬剤の価格と共に、全ての病名が記載されます。
行われた行為とその事に対して支払う価格がはっきり明記されますので、医療の透明化を行うと言う視点からはとてもいいことだと思います。
ところが、医療者側はこの詳細な明細書の発行に対して強く反対しています。
なぜなんでしょうか。
ここで、ちょっと例を挙げます。
尿管結石で来院された患者さんが強い痛みを訴えた場合です。
即効性があり、痛みを抑える薬として、ボルタレン座薬があり、非常に有効でよく使われています。
しかし、ボルタレン座薬の適応病名は、
次の疾患並びに症状の鎮痛・消炎//関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、後陣痛。手術後の鎮痛・消炎。
急性上気道炎の緊急解熱。
となっています。
尿管結石は入っていません。
そこで、腰痛症と言う病名を付けるようになります。
これが「保険病名」です。
尿管結石は腰が痛くなるので、腰痛症と書いてあっても、それほど違和感がありません。
ただ、ある病気に対し、有効だと知られているけれど、適応病名にないものはたくさんあるのです。
なぜこんな事が起こるのでしょうか。
日本では、ある薬剤の適応病名を取るためには、追加する臨床試験の費用を含め、かなりのコストがかかるようなのです。
安価な薬の場合や適応が通っても少人数の方にしか使わない薬では、製薬会社がその薬の申請をしても、コストに見合う利益が得られないので、適応を取らなくなります。
しかし、痛がっている患者さんに有効であるボルタレンを使わない訳にはいきません。
そこで、実際には尿管結石とは違う病名である腰痛症という病名を使うようになるのです。
詳細な明細書に病名が全て書かれるようになると、患者さんは自分の病気と違う病名に気づくようになります。
その事を十分に説明すればいいのですが、たくさんの薬でこの様なことが有るため、これまで医師の裁量でこの薬が一番いいと判断していた薬も、これは適応が無いから使うのを止めようと言う考えが出てくるようになってしまいます。
このことは、結果的に患者さんにとても不利益になるのです。
ですから、詳細な明細書を義務化するなら、その前に有効でよく使われる薬に対しては、薬剤の適応病名をもっともっと広げて欲しいのです。
その時は、喜んで賛成するのではないかと思います。
プロフィール

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。


