血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』4
日本人患者サンプルでは、Hb10 g/dL 以上の方が52.9% であったのに対し、当院では、Hb10 g/dL 以上の方が84%と多い結果でした。
Hbを11 g/dL以上とすると、日本人患者サンプルでは、22.3% と随分少なくなりますが、当院では44%の方がHb11 g/dL以上でした。
この論文でも、ヘモグロビン値11g/dL以上の患者割合を増やすことが、生存年数の延長に最も良い効果をもたらすと述べてありましたので、最近ではHb値が11 g/dLとなるようにエリスロポエチンの量を増量するようにしています。
次にリン値ですが、日本人患者サンプルではリン値が6.0 mg/dL未満の方は64.8%でしたが、当院では80%の方が6.0 mg/dL未満の結果でした。
発表の時の質問で、リン値のデータが良好なので、炭酸ランタンを内服している患者さんが多いのではないかという質問がありました。
炭酸ランタンを多く使っている印象がなかったので、そのようにお答えしましたが、実際に調べましたところ、今回の25名中にランタンを使用している方は2名のみでした。
尚、当院では、リン値の目標値は5.5 mg/dL未満としていますので、その達成率は64%でした。
本日、今年最後の泌尿器科診療です。
援腎会すずきクリニックの今年の泌尿器科診療は本日で終了となります。
年末年始の休診日は
平成21年12/30(水)
31(木)
平成22年 1/ 1(金)
2(土)
3(日)
です。
1/4(月)からは通常診療となります。
また、透析診療は、日曜日以外は通常通りの日程で行います。
ご了承ください。
年末年始、外来診療がない時間は、院長室の片付け、溜まった書類の整理、来年の透析学会総会で発表する演題の準備と忙しそうです。
日々の診療で溜まっていったものを整理したいのですが、全部は出来なそうですね。
透析診療も、患者さん達にお願いして少し早めに来院してもらいますので、午後は子供達と遊ぶ時間も少しはあるかと思います。
自分は好きなことをやっていますが、その分家族にも負担をかけております。
手をかければかけた分、患者さんの具合が良くなるのが透析診療です。
来年も、今年以上にいい透析が提供できるように頑張りたいと考えております。
引き続きよろしくお願いいたします。
『血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』3
時間延長と血流増加により高透析量の透析を行っていますので、透析量の指標であるKT/Vは、日本人患者サンプルで69.3%であることに対し、全ての患者さんで基準となる1.2を超えており、平均値は1.84でした。
よく透析をやり過ぎるとダメだと言われる方がいらっしゃいますが、実例では、
KT/Vが2.3の方は、透析歴3年の57才男性で転院後DWが4.3Kg増加しています。
KT/Vが2.4の方は、透析歴9年の59才女性ですが、転院後DWが4.6Kg増加しています。
KT/Vが2.6の方は、58才女性で透析歴3年ですが、転院後DW5.6Kg増加増加しています。
透析者の予後は、BMIが高いほど良いと言われています。
あまり高すぎるのも問題のようですが、この方たちは皆さん、転院時は痩せていて、高透析量の透析を行っていくうちに太ってきて、現在は標準体重になってきている人たちです。
食べられる方ではそれに見合う量の透析をどんどん行った方が良いと思います。
ただ、高齢者では食べられない方がたくさんいらっしゃるので、そのような方では透析量を多くすると、それに見合う栄養が取れずに痩せてしまい、予後が悪くなる可能性がることも付け加えておきます。
『血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』2
発表したスライドの目的です。
当院では、5時間透析を目指して透析時間の延長を行っています。
そして、血流量も可能な場合は300ml/minを目標に増加させています。さらに、大量置換前希釈オンラインに血液濾過透析を行っています。
これらの透析を行うことで、今回の指標がどのくらい達成できたかを発表しました。
当院に転院後3ヶ月以上経過した患者さん25名について調査しました。
性別は、男性22名・女性3名で平均年齢は63歳でした。
原疾患は、糖尿病の方が多く14名で、糖尿病でない方は11名でした。
年齢的には全国平均の65.3歳よりやや若く、糖尿病が原疾患の方が、全国平均の34.2%に比べ56%と明らかに多いです。
当院は開院してまだ1年半であり、導入直後に紹介され転院してくる方が多いので、平均透析歴は50ヶ月です。
オンラインHDFを希望しない1名を除いた24名でオンラインHDFを行っています。
患者さんには透析時間を延長することで、高血圧が改善し、心臓の負担が少なくなり、データが改善して食事制限が緩和されることを十分に説明しています。
4時間透析の方では、まずは 4.5時間をお勧めしています。
そして 希望される方には、5時間としています。
現在の印象では、オンラインHDFで血流を上げているからかもしれませんが、調子の悪い方で4時間透析の方を4.5時間にするとかなり違うと思います。
透析中の血圧低下がひどい方や、高血圧が改善しない方でも、多くの方が4.5時間にすると落ち着いてきます。
5時間透析では、血圧が落ち着かない方はいらっしゃいません。
ただ、4時間透析でも調子がいい人もいますので、それぞれの患者さんに適した透析方法を選択することが一番だと考えています。
透析量は少しでも多い方がいいという考えから、血流量は300ml/minを目標としています。
若い方で活動量の多い方では、最高で360ml/minの方がいらっしゃいます。
オンラインろ過透析の補充液置換量は毎時間12リットルですので、4時間透析で48リットル、5時間透析では60リットルとなります。
濾過量が多いのは、前希釈法ですので可能となっています。
現在、当院で一番透析をしている方は、5時間透析血流380ml/minの前希釈オンラインHDFです。
とてもお元気です。
クリスマスイブ
昨日のクリスマスイブは、山忠のターキーを持って、おばあちゃんちでいただきました。
ターキーは大きくて、味がしみこんでいてとっても美味しかったです。
普段あまり食べない下の子も、むさぼり食べていました。
堀くんのコメントと比べてどうですかね。
おばあちゃんお手製のケーキです。
たまたまもらった巨大イチゴを使ったそうです。
パーツがでかいので、最初見たときは、作り物かと思いましたが、手作りケーキはスポンジが美味しいです。
福島市にある水虫パンで有名な岡崎ベーカリーでクリスマスに打っているケーキのスポンジも手作り感がすごくあって美味しいのですが、それに匹敵するような美味しさでした。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。