2010.01.07
診療
開業 / 病院経営
生活 / くらし

今日はちょっと性病の話

援腎会すずきクリニックは泌尿器科ですので、性行為を介して感染する性感染症(STD)で受診する患者さんも時々いらっしゃいます。

男性STDの80%以上が尿道炎で、その大部分がクラミジア尿道炎か淋菌性尿道炎となります。
しかも、両方とも同時にかかる場合もあります。

淋菌性尿道炎は、性行為後4日前後で発症することが多く、排尿時痛と黄色い膿が出てきたという訴えで受診される方が多いです。
尿検査を行うと、白血球が増加し、球菌が確認されます。
1回の性交渉で感染する可能性は30%くらいだそうです。

クラミジア尿道炎は、性行為後10日から2週間後に発症することが多く、排尿時痛などの症状は弱く、尿道分泌物は水っぽく少量です。淋菌性尿道炎と同様に検尿で白血球が増加します。

クラミジアの場合は、感染しても自覚症状に乏しく、80%が無症状と言われており、無症状の感染者が感染源となって感染が拡大しています。
クラミジア感染患者の大部分が10代から20代の若者だと言われており、本邦の高校生での感染率は11.4%で欧米よりも高率になっていると報告されています。

クラミジア及び淋菌感染が持続していると難治性不妊症が起こる可能性がありますので、少しでも症状があり可能性が考えられる場合は、泌尿器科を受診してきちんと検査を受けた方が良いでしょう。

検査方法は、以前は尿道に綿棒を挿入し尿道分泌物を採取して検査を行っていましたが、現在では初尿で検査が可能となっています。尿検査だけで分かりますので、心配されないようにしてください。
ただ、パートナーが感染しているときに保菌者かどうか調べる場合は、尿道分泌物を採取する必要がありますので、ご了承下さい。

検査で陽性の場合は、適切な抗生物質を飲むことで完治可能です。
多少の症状なら我慢してしまおうと考えず、きちんと泌尿器科を受診することをお勧めいたします。

2010.01.04
診療
生活 / くらし
グルメ / お酒
スポーツ

箱根駅伝

2日土曜日の透析後、埼玉の実家に帰省してきました。
2日の午前中は、クリニックで箱根駅伝を見て東洋大の柏原くんを応援していましたし、3日の午前中も実家で駅伝の復路を家族で見ていました。
今年の正月は、駅伝鑑賞で終わった様な感じです。

復路では、駒澤大学が頑張り総合2位に入り復路優勝しました。
その時、素朴な疑問がわきました。
今までの箱根駅伝で、往路優勝も復路優勝もしなくて総合優勝をしたことがあるのかなと。

ネットで調べたのですが、そのようなことが書いてあるページが見つからず、気になったので、これまで行われた駅伝の優勝記録86回分を数えてみました。

86回で、往路も復路も優勝した完全優勝が37回あり、そして往路も復路も優勝せずに総合優勝した大学は5大学でした。
最近では、4年前に往路順天堂大学優勝、復路法政大学優勝で、総合優勝が亜細亜亜大学というのがありました。

往路優勝したチームと復路優勝したチームのどちらが総合優勝しているかどうかは、往路優勝して総合優勝した大学が58大学、復路優勝して総合優勝した大学が59大学で、どちらかで勝つと有利というのは無いようです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

話は変わりますが、麻布に行った弟夫婦がお土産として買ってきてくれたケーキが美味しくて美味しくて。
その中の一つですが、

虎を形取ったエクレアで、中がビターなチョコレート。表面はカスタードクリームです。
やっぱり東京で売っているものはしゃれていますね。

2010.01.01
診療
研究
その他(医療関連)

『血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』6

血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討の最後になりました。

日本人患者サンプルと当院の患者さん達の項目別の比較です。

達成された治療指標項目数の割合です。

我ながら、この結果にはとても満足しています。
でも、当院が特別すごい治療を行っているとは考えていません。 全国には尊敬に値するような治療を行っている施設がたくさんあります。

たくさんの患者さんに長時間透析を行っている施設や、週4回とか隔日透析を行っている施設。
長時間と回数を増やす透析を行い、しかも血流も上げてさらに透析量を増やしている施設が有り、実際に成績を比べたら、とても足下にも及ばないと思います。

血流を上げるのは容易いですが、時間を延ばすことを納得してもらうことはとても大変です。
当院でもやっと4.38時間です。 ただ、オンラインHDFを行っているからかもしれませんが、血流も上げた透析を行っていると4時間半でもとても調子が良いと言ってくれる方が多いです。

全ての患者さんがオンラインHDFを受けたり、 6時間透析を行えれば素晴らしいのでしょうが、施設の事情もありそうも行きません。
ただ、30分でも15分でも時間を延ばすこと、そして徐々に血流を上げることはそれほど難しい事ではないと思います。
それだけで、10年後、20年後に体長良く過ごせている可能性は高くなります。
すこしでも『しっかり透析』を目指しましょう。

2010.01.01
診療
研究
その他(医療関連)

血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』5

再度血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討に戻ります。

補正カルシウムについては、日本人患者サンプルでは補正カルシウム値が10mg/dL未満の方は74.2%で、当院では80%の方が10mg/dL未満と当院の方が多いですが、大きな違いはない結果でした。

アルブミンについても、日本人患者サンプルの方で4g/dl未満の方33.9%だったのに対し、当院でも40%と多いですが、他の項目に比べてはっきりとした差は有りませんでした。

今回のアルブミン4g/dlと言う目標はかなり高い数値であり、これまで予後不良と言われてきているアルブミン値3,5g/dlで検討すると、92%の患者さんが目標をクリアしている事を付け加えておきます。

現在、援腎会すずきクリニックでは、この栄養状態が悪い方たちに対して、栄養改善を行うことを最優先課題として取り組んでおります。

1つは、食事指導を繰り返し行うことで偏食や間違った食事療法を改善させること。
これまで糖尿病の食事指導を守ってきた方が、急にカロリーを取りなさいと言われても、なかなか取れない場合が多いです。
高齢者では特にその傾向が有ります。

1つは、透析中に栄養の投与を行うこと。 IDPN(経静脈的栄養補充療法)がそうですね。
それでも改善しない場合には、透析膜の変更を行い、さらにはオンラインHDFから通常のHDへ変更することなどを行っています。 ちょっと横にそれてしまいました。

2010.01.01
診療
研究

ちょっと気になったこと

12月31日の新聞に、国内初の角膜移植を行った岩手医科大名誉教授の今泉亀撤氏が死去とありました。
102歳とは、大往生ですね。
昭和24年に国内初の角膜移植手術に成功して、アイバンク創設にも貢献されたそうで郡山市名誉市民にも選ばれているそうです。

全然知らなかったのですが、とても大きな仕事をされた方が郡山市内にいらっしゃったのですね。
僕も大学時代は腎移植に携わっていましたので、何となく親近感を感じました。

戦後すぐの頃、角膜移植法がなく、死体から眼球を摘出することは法的に認められず、死体損壊罪で犯罪行為となる可能性があったけれど、眼科医としての患者を治したいという使命感から1例目の角膜移植を行ったそうです。

郡山市には、眼科で有名な今泉眼科と今泉西病院とあり、なるほどと思いました。
新聞には、今泉西病院の初代院長先生のコメントが書かれていて、角膜移植を行った時は一時、警察に拘束された様なことが書かれていました。

角膜移植が行われることを知った記者が集まり、報道しようとしたところ、今泉先生達が報道中止を強く要望し、その意を汲んだ記者達が記事とすることを取りやめたそうなのです。
でも、一部の記者が「早すぎた角膜移植」と書いてしまったため、警察が動いたのだそうです。

——————————————————————————-

元旦の民報新聞には、南会津地区の産科医がいなくなってしまっていて妊婦さんたちがとても困っていると言う記事が一面トップにありました。
その事については、今後なんとか改善されないかなと思っています。

でも、その記事を見た瞬間にすごく違和感を感じました。
今まで有った県内隅々まで産科医がいて、どこでもお産が出来る体制だったのに、1人医長はだめだと批判して壊したのは誰だったのでしょうか。

ちょっと気になったので、書いてみました。

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

カテゴリー

月別アーカイブ

サイト内の記事を検索

よく読まれている記事

リンク