2010.03.07
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当院における透析患者の栄養管理4

当院で現在行っている栄養管理の方針は、1次スクリーニングで当院の患者さん全員にGNRIを行っています。
ドライウエイトとアルブミンを入力するだけですので労務的にはたいしたことは有りません。

そして、GNRI値91未満だった方に対しMISを行っています。
MISは当院管理栄養士が計算してくれています。

最終的にMISで栄養不良患者と判定できた方について、定期的な栄養カンファランスで治療方針を決めています。

この方法は、日本腎臓財団の山田康輔先生の論文を読んで開始した方法です。
山田先生の論文では、血液透析患者の栄養スクリーニングではGNRIが最も簡便かつ正確性が高いと書かれています。

ちなみに、〝管理栄養士山田のホームページ〟の栄養スクリーニングツールと言うところに、SGAフォーマット、GNRI式、MISフォーマットがそれぞれ載っています。

昨年11月に行った当院でのGNRIの結果です。
30名中、91以下の中等度栄養障害が4名、重度栄養障害が1名でした。
エクセルにDWとアルブミン値を入れると、リスクなし、軽度、中等度、重度と言う評価まで出てくるようにスタッフが作ってくれて便利です。

次回は、栄養指導を行い2次判定のMISを行って、その結果から栄養カンファランスを行った方について示したいと思います。

2010.03.06
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当院における透析患者の栄養管理2

透析患者さんの栄養評価法として、代表的なSGA(主観的包括的アセスメント)、MIS(Malnutrition Inflammation Score)、GNRI(Geriatric Nutritional Risk Index)を挙げました。

それぞれ説明していきたいと思います。

SGは、実際に患者さんを観察することで栄養状態を評価しようとするものです。そのため、評価する人間が実際に患者さんを診た主観で評価されます。
基本的にアセスメントに使用する項目は、病歴と身体計測値だけで行えます。
そのため、NSTのメンバーなどの熟練な医療関係者が行うにはいいのですが、沢山の業務の1つとして行っている我々にとってはちょっとハードルが高いです。

SGAは初診時の評価に適しており、病歴の聴取と簡単な診察で行えて、採血などの客観的評価が行えにくい在宅患者の栄養スクリーニングを行うのに有用と言われています。

当院でもSGAを栄養障害が疑われる患者さんに行う為に試行錯誤しましたが、これまで主観的な評価をしたスタッフが1人もいないため、1人の評価を行うのにかなり時間が掛かってしまいました。

さらには、主観的な評価ですので、定期的に採血を行い、データの蓄積が有る透析患者さんにはあまり向いていない栄養評価方法かもしれません。

 

 

2010.03.06
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その他(医療関連)

当院における透析患者の栄養管理3

次にMISです。
SGAの7項目にBMIと血清Alb,TIBCを追加したもので患者の栄養状態を正確に把握できると言われています。
SGAよりもMISの方が点数かされている分、初心者には向いているかなと思います。

身体所見で、皮下脂肪減少の有無と筋肉量減少の有無を判断するのが主観的な部分であり、経験の無い我々に取っては難しかったのです。
インボディを使用して評価する方法も有るようで、今回インボディを購入しましたので、インボディで評価すると機械的で点数が付けやすいです。

合計点数が、
0〜5点  栄養状態良好
6〜10点 軽度栄養障害リスク
11点以上 中等度・重度栄養障害リスク
と判定するとなっています。

SGAに比べて、採血での評価が入っていること、点数化することで評価しやすいことと、時系列で見られることで、透析者の栄養管理に対しては向いているのではないかと考えています。

GNRIは、高齢者を対象とした栄養状態判定法で、血清Alb値と標準体重から換算出来る簡便な方法です。

当院のMEが、ドライウエイトとアルブミン値を入れると、栄養リスクが有るかどうか判断できる表を作ってくれたので、患者さんの一覧表で評価できて簡単です。

Bouillanneらによる栄養判定では、91以下を中等度・重症栄養障害リスクとしており、山田先生の判定方法でも、91.2以下を栄養障害リスクとしていますので、当院でも91以下をリスクありと評価しています。

2010.03.04
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福寿草が咲きました。

3月になって少し暖かくなってきたでしょうか。
いつも野花を持ってきてくださる患者さんが、先日福寿草を持ってきてくれました。

当院に持ってくるまではつぼみだったのですが、持ってきて15分くらいで全ての花が咲いたそうです。
いつも院内は暖かくしていますが、急な温度の変化で福寿草もビックリしたのでしょうか。

梅の花はまだつぼみのままです。
いつも飾っていただいて心から感謝しています。

そう言えば、先日記事で書いた福島市の旧さくら野デパートにダイユー8が入る様な事が今朝の新聞に載っていました。
福島市は20年近く住んでいた場所です。
最近は駅前も人影が少なくなっていますので、また以前のようにたくさんの人が行き来するようになると良いですね。

2010.03.01
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当院における透析患者の栄養管理1

先日、県南腎疾患研究会にて、『当院における透析患者の栄養管理』の題名で発表をさせていただきました。
発表した内容についてブログでご紹介いたします。

題名です。

以前から、透析者の栄養障害についてブログでたくさん記事を書いてきました。
透析者では、たんぱく質・エネルギ栄養障害(protein-energy malnutrition;PEM)が高頻度で見られると言われています。

PEMの何が問題かというと、
・ 病気になりやすく、回復が悪い。
・ すぐに入院して、入院日数も長く、死亡率も高い
・ 合併症が起こりやすい
・ 褥瘡ができやすい
・ QOLやADLが悪い
などが上げられます。

そのため、PEMを早期に発見し、栄養状態の改善を行うことが大切なのです。

援腎会すずきクリニックでは、昨年11月より栄養評価法であるGNRIとMISを組み合わせて管理する栄養スクリーニングを開始して、PEMを早期に発見するための対策を行っています。
 
当院の試みについて発表しました。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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