自販機復活
開院して2年が経過した時点で、院内の自動販売機が販売不良で撤去されてしまっていました。
原因は、
1,向きが悪く、見えにくい
2,無料のミネラルウオーターが置いてある。
→売れない
まあ、やむ得ないと考えていました。
ところが、当院に通院中の透析患者さん達が良く購入していたようです。
それで、やっぱりないと困ると言う話しが出てきました。
ちょうど、キリンさんが自動販売機を紹介してくれまして、昨日復活することが出来ました。
自販機の向きも見やすい方向に変えました。
その分、ミネラルウオーターは必要な方へ提供する形に変更となりました。
ご了承ください。
高透析量透析を行う上での問題点1
それでは、以前ご紹介しましたが、平成22年6月12日土曜日に第82回福島腎不全研究会で発表した演題
高透析量透析を行う上での問題点
〜しっかり透析を行う上で注意すること〜
を記事として載せたいと思います。
今回の演題は、透析総会の予行演習的な発表ですので、次に提示する透析総会の演題と似ています。
ご容赦ください。
援腎会すずきクリニックでは、しっかり透析の実践を目標としています。
透析時間は長ければ長いほどいい。
透析量は増やした方がいいので、血流は上げられるのなら上げた方がいい。
透析方法は、大量置換前希釈オンラインHDFが栄養管理の上でも優れている
と言う考え方を前提に治療を行っています。
透析時間に関しては、なかなか5時間以上の透析時間を受け入れてくれる患者さんが少ないのが現実です。
先日、オフ会で一緒になったひでぽんさんは、在宅透析をやられていて、週4回5時間のオーバーナイト透析で、血流270ml/minだそうです。
やっぱりリンが低くなって困るとのことでした。
だんだん話がずれていきますが、先日の総会で話題となっていたのが、血清リン値は透析2時間後くらいを経過すると数値が下がらなくなることです。
でも、排液を調べると、時間が長くなるほどリンの排泄量が増えていくそうです。
と言うことは、血液中のリン値は2時間くらいで下がるが、骨とかに貯まったリンはそれ以降の時間でじわじわ抜かれていくのです。
組織に貯まったリンを取り除くためには、時間を延ばすことが大切だということが分かります。
話を戻しますが、援腎会すずきクリニックでは、4.5時間以上の透析時間を患者さんたちに進めています。
さらに、穿刺針を太くしなくても何とかなる最大の血流300ml/min(もちろん現実にはもっと低い血流でもゲージを太くした方がいいかもしれません。)、そして大量置換オンラインHDFを行い、患者さんが元気で長生きできることを目標としています。
ただ、高齢者などの一部の患者さんでは、このような高透析量の透析を行うと低栄養となることも現実問題としてあります。
どの様な方に高透析量のオンラインHDFを行うと栄養障害が生じてしまうかを事前に把握することができれば、より安全に透析治療が提供できると考えました。
今回の研究では、このような透析を行う時にどの様な点に注意すべきか発表しました。
透析総会行ってきました。2
実は、今回の透析総会では、学会発表と参加以外にもう一つの目的(楽しみ)が有りました。
それは、僕の尊敬している松江腎クリニックの草刈万寿夫先生にお会いして、患者さんたちのオフ会に出席することでした。
草刈先生は、高透析量オンラインHDFでは全国レベルで有名な先生で、ネット上でも良く知られている先生です。
5時間透析や、希望される方には週4回、血流は400ml/min、大量置換前希釈オンラインHDFという透析を実践することで、ダントツの治療成績を出している施設です。
僕も、今回草刈先生に声をかけていただき、土曜日にオフ会に出かけてきました。
一次会は、北新地のだるまと言う串揚げ屋さんでした。
串焼きのおいしさにもビックリして、実は次の日の日曜は、飛行機に乗る前にもう一度食べに行ったくらいです。
2次会はカラオケボックスにみんなで行きました。
みんな、話が盛り上がり、誰1人歌を歌わないカラオケボックスでしたが、歌以上に話が盛り上がって、とても楽しい時間が過ごせました。
今回、もっと盛大なオフ会が日曜日に有ったのですが、日曜日の夕方には帰らなければなりませんでしたので、その前夜祭に誘っていただきとても感謝しています。
自分が行っている治療が、透析を職業としている皆さん、そして患者さんたちに認められる仕事であるように、日々努力していきたいと考えております。
透析総会行ってきました。1
今週の木曜日午後、福島空港から出発し、金・土・日と透析総会に出席し、昨日日曜日の夕方に郡山に戻ってきました。
金曜日の午前中には、『オンラインHDFを併用した高透析量透析での栄養に関する検討』と言う題名で発表させていただきました。
演題発表時も多くの質問をいただきましたが、セクション終了後のロビーでも数人の先生方から質問があり、反響の大きさを感じました。
分かる範囲でお答えできたかと思いますが、自分のやっている仕事が少しずつでも認められている様な気がしてとてもうれしかったです。
話は変わりますが、今回の透析総会に出席して思ったことは、
『なんなんだよ。何が正しいんだよ。』
ということを感じた総会でした。
長時間透析や隔日や週4回透析、家庭透析のセッションで発表を聞いていると、5時間6時間は当たり前の透析で、オーバーナイト透析だとか、連日頻回透析の話とかが話題です。
そうすると、最終的にはいかにリン値が下がらない様にするかとかの話になっています。
患者さんにとにかく食べる様に。リンが高いまめなどをたくさん食べるように。
なんて、話題がたくさん出てきます。
そのセッションが終わり、別のセッションに出てみると、
『現在の医療状況では、週3回4時間の透析以上の透析をすることは不可能です』
なんて、普通に発言されています。
週3回4時間血流200というのが大前提で話がされており、透析量を増やすという議論は全くされないのも不思議です。
そして、栄養のセッションでは、透析導入後も0.5g/kgくらいの蛋白制限をすると、透析の回数が減らせるんだとかの議論がなされています。
片方では、とにかく高タンパクの食事をとりなさいと言う演題を発表していて、もう片方では、できるだけ蛋白を減らしなさいと行っているのがおかしいですよね。
普通は、有る程度本質というものがあり、多くの人からコンセンサスを受けていて、その基準を元に議論がされるのが普通ですが、ここでは大前提が全く違ったり、考え方が180度違ったりしていて、議論にならない考え方の大きな違いも感じました。
本当は、透析はやればやるほどいいという事は分かっているのでしょうが、都会で地価が高い所で透析を行っている施設では、コスト的に時間延長は難しいのでしょう。
また、地方でも医師不足で疲弊しているような所でも同じような考えとなっているのかもしれません。
だから、そのような状況を完全に否定する事は出来ないんですよね。
なかなか難しいと思います。
まあ、皆さん自分の信念に基づき、患者さんがいい状態になるように考えての上での発表かとは思いますが。。。
第55回日本透析医学会総会
明日から神戸で、第55回日本透析医学会総会が開催されます。
今回は、クリニックの透析治療の成績を演題として発表する事としました。
明日6月18日金曜日、9:30から第2会場 で、
【O-0273】 オンラインHDFを併用した高透析量透析の栄養に対する検討
と言う演題で発表します。
そのため、本日午後の飛行機で移動します。
日曜日には学会より戻りますので、先日の福島腎不全研究会の演題とともにブログで紹介したいと考えています。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。