2010.08.29
診療
研究

第37回東北腎不全研究会 1

昨日、一昨日と、新潟市朱鷺メッセで行われた第37回東北腎不全研究会に参加してきました。
昨日は、演題発表も行い充実した二日間でした。

EDのことを書いてきましたが、せっかく学会で発表しましたので、その内容も書かなければなりません。
EDと生活習慣病のことはちょっと延期して、今回の学会発表の内容を記事とさせて下さい。

今回の演題は、

『血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の評価』

と言う演題でした。

2008年の日本透析医学会雑誌に、『血液透析の修正可能な治療指標に起因する日本の透析患者の推定生存年数-DOPPSより-』
と言う論文が載りました。
J-DOPPSの結果から死亡原因に直結する6つの検査結果の目標値を達成することで、患者さんの生存年数がどのくらい延長するのかという内容です。

その中で、
血液透析療法のうち修正可能な6つの治療分野(指標)において,推奨レベル(目標値)を達成していない患者割合を算定するために,DOPPSから得られた日本人血液透析患者の代表サンプルを用いた.
その結果,日本人の血液透析患者の内,ごく少数の患者では5つないし6つの指標で目標値を達成していたが,殆どの患者(78.1%)で達成した指標は2つないし4つであり,20.5%の患者では1つ以下と,かなりの割合の患者が治療指標の推奨レベルを達成していなかった.

と有ります。

死亡リスクと関連する6つの指標は、

Kt/V<1.2
Hb<10 g/dL
PO4>6.0 mg/dL
Ca>10.0 mg/dL
アルブミン<4.0 g/d
施設でのカテーテル使用>10%

と書かれており、 DOPPS Ⅱに参加した1,805 人の血液透析患者さんの達成率は図のごとくで、治療指標の個数はこの様な結果だったと書かれています。

では、

当院で行っている
 透析時間の延長(4.5時間以上の透析)
 血流量の増加(可能な場合は300ml/min)
 オンラインによる血液濾過透析
と言う透析診療が、治療指標をどのくらい達成出来るのかと言うのが今回のお題です。

 

2010.08.29
診療
研究

EDは

米国での器質性EDの原因です。
これを見ると糖尿病(DM)と動脈硬化で70%を占めています。

性的刺激が脳からの信号によって、神経を介して陰茎に伝わります。
すると、陰茎海綿体の動脈が大きく拡がり血液が流れ込み、勃起となるのですが、動脈硬化が有ると、陰茎海綿体の動脈が広がらず、十分な量の血液が流れ込まないため、十分な勃起が起こらないことになるのです。

糖尿病は、動脈硬化を引き起こす代表的な疾患です。
そしてEDは、糖尿病や動脈硬化と密接に関係してます。
リスクファクターで説明しましたが、もう少しこの生活習慣病とEDの関係をじっくり説明していきたいと思います。

2010.08.26
診療
研究

EDの危険因子

EDの危険因子を8個上げました。

先ず、加齢ですが、前回お見せしたスライドでも示しましたが、年齢が上がるにつれてEDの方は多くなり、70代では71%が中等
度ないし完全EDであると報告されています。

次に、喫煙です。
喫煙は血管内皮障害を起こします。
そのため、一般人のED罹患率が28%なのに比べ、喫煙者では40%と有意にEDの方が多くなっています。
しかも、喫煙量に依存性してEDのリスクも高まるそうです。

若いうちから長く吸っていると良くないと言うこともあり、中学・高校生の男子には, より良い性機能を保つという目的のために、タバコを吸わないこと,吸っている のならただちに禁煙することを啓蒙する必要が有ります。

高血圧ですが、一部のEDは降圧剤の副作用で生じます。
ただ、高血圧も血管内皮障害を起こしますので、高血圧によるEDの多くは、陰茎血管や海綿体の構造変化と内皮の障害によって生じています。

糖尿病
これは、大変です。
ED罹患率は26~35%くらいなのですが、全く勃起しない完全EDのリスクは非糖尿病患者さんにに比べ3倍あるそうです。

糖尿病患者さんでは,無痛性心筋梗塞の頻度が高いことが知られています。
実は他に合併症がない糖尿病の患者さんがEDを持つ場合、88.2%の方が無痛性心筋梗塞を起こしているそうなんです。

高血圧も脳梗塞も何もないけど、糖尿病にはかかっていると言う方がEDとなったの場合、9割近くの方が無痛性心筋梗塞を起こしていると言うことは、かなりショックなことですよね。
これが大変だという理由です。

EDは合併症のない糖尿病患者の無痛性心筋梗塞の予知マーカーとして重要であり,糖尿病患者さんがEDを訴えて来院した場合、治療する前に運動負荷心電図検査を行った方が良いと言われています。

次に高脂血症です。
これも動脈硬化に関連します。
海外では高脂血症があれば、EDの方が多いという報告が有るようですが、日本では現在のところ関連は強くないと報告されています。

肥満
これは、後でスライドにしますが、肥満はEDと関連し、肥満を是正することでEDも改善すると言われています。

うつ病
うつ病とEDが関連していることはこれまでにも報告されています。
また、ED治療薬を内服することで、うつ症状が有意に改善するとも言われています。

最後に前立腺肥大症です。
これは、加齢に伴うものだと考えられていましたが、実は同世代で比べても肥大がある方ではEDである方が多くなります。
肥大症の症状に骨盤内の虚血が関与していて、EDも骨盤内の虚血に影響を受けている為と考えられます。

2010.08.25
診療
研究

EDとは

前回と一緒で少し内容が固いのですが、我慢して下さいね。

ED(Erectile Dysfunction)勃起障害の定義は、

満足な性交渉をするために十分な勃起を達成できない、あるいは維持できない状態であり、少なくとも3ヵ月以上の期間そういう状態であること

です。

その患者数はとても多く、推定1130万人であり、40~70歳の男性の半数以上が何らかの原因でEDになっていると考えられています。

何らかの原因と書きましたが、
大まかに分けると、

EDは、おおまかに器質性EDと機能性のEDに分けられます。

まずは、陰茎の病気によるもので、事故・手術などで物理的に陰茎が傷害されて起こるものです。
そして、脳血管障害や神経の障害で起きるもの。
これは、脳から送られる性的刺激を伝達する神経の障害によっておきます。

次に、血管の病気によって生じるもの
海綿体内にある血管の動脈硬化や内皮障害によって起きる動脈性のEDと、勃起時の静脈閉鎖機構の機能障害が原因となる静脈性のEDが有ります。

最近では、循環器疾患とEDが密接に関連することが分かってきていますが、これは動脈硬化と血管内皮障害が原因となっています。
加齢や生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病)も動脈性EDと関連しています。

そして内分泌障害から来るED
これは、精巣から分泌される男性ホルモンの分泌が阻害されることが原因の勃起障害で、男性ホルモンの分泌が低下することで、勃起・射精を促進させるドーパミンと言う物質が増えないためにEDが生じると言われています。

薬剤によるEDもあります。

機能性EDは日常的なストレス・不安など心理的原因
が原因となるものです。

2010.08.24
診療
研究

勃起とは

通常の状態では、陰茎動脈から陰茎海綿体に血液が流れ込み、同じ量の血液が静脈を通って戻っていきます。
通常は動脈からはいる血液流入量と静脈から出る排出量がつり合っているのですが、性的な興奮が有ると勃起神経から指令が出て、陰茎海綿体の内皮細胞という細胞が活発に活動し始めます。

この内皮細胞はとても重要ですので、覚えておいて下さい。

内皮細胞よりNOと言う物質が出され、サイクリックGMPという物質が海綿体の中で増加します。
このことによって、海綿体の動脈の壁にある平滑筋という筋がゆるんで広がり動脈が広がって血液がどんどん海綿体に流れ込んできます。

すると、海綿体を包む白膜という硬い膜が広がります。
この硬い膜が広がると柔らかい静脈は圧迫されて、静脈から血が出て行かなくなります。
そして、ペニスにどんどん血が溜まっていき、勃起状態となります。

つまり勃起とは、陰茎海綿体の平滑筋の収縮や弛緩の減少を見ているもので、血管の中で起こっている血液循環の変化を見ていることと同じと考えても良いことになります。

このことはとても重要なことで、勃起が循環器疾患と密接にかかわっていると言う事実の元になります。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

カテゴリー

月別アーカイブ

サイト内の記事を検索

よく読まれている記事

リンク