国立がん研究センターの見解と提案
今回の震災に関連する放射性物質について、国立がん研究センターの見解が出ています。
国立がん研究センターの見解と提案
1. 現時点の放射性物質による健康被害については、チェルノブイリ事故等のこれまでのエビデンスから、原子炉において作業を行っている方々を除けば、ほとんど問題がないといえる。
2. 現在、暫定的に定められている飲食物の摂取制限の指標については、十分すぎるほど安全といえるレベルである。
3. 放射性物質に汚染されたと考えられる飲食物については、放射性物質の半減期を考えれば、保存の方法を工夫すれば、十分に利用が可能である。
4. 放射線量については、定点でかつ定期的に測定し、放射性物質の種類(ヨウ素-131、セシウム-134等)を、定期的に発表を行うことで、国民の方々が安全であることを理解し、安心が得られると考えられる。
5. 今回の問題となっている原子炉について、当該原子炉から放射性物質が含まれるちり等が拡散しないよう、いち早くの対応をお願いしたい。
6. 被ばく線量が250ミリシーベルト以下での職場環境が保たれない場合は、自己の末梢血幹細胞を保存しておくことを提案する。
7. 今後、国立がん研究センターでは、長期にわたる放射線の発がんへの影響について、臨床面と研究面から注意深く追跡を行って参ります。
http://www.ncc.go.jp/jp/
発がん物質と発がんリスクも興味深いですね。
http://www.ncc.go.jp/jp/information/pdf/shiryo2.pdf
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放射線治療もたくさん行っている癌の専門家がこのように書いていますと、我々も安心しますね。
原発事故後、ネガティブな情報や風評被害が沢山あります。
僕も小さい子どもを持つ親ですので、時々とても心配になります。
だから、信頼出来る専門家がきちんとした情報を出してくれるととても安心します。
昨日は、東京電力が福島第1原発事故収束までどのくらいかかるのかという見通しを立ててくれました。
少し希望が出てきたような気がします。
原発作業員の自己末梢血幹細胞採取 1
東京都の虎の門病院は3月29日、同院内で記者会見を開き、「原発作業員を守るため、希望される方に自分の造血幹細胞を早急に採取・保存しておける体制を整えた」と発表しました。
http://lohasmedical.jp/blog/2011/03/post_2413.php
作業員の方が突発的な事故で大量被爆を受けた場合に、造血機能に重大な障害が生じ、線量が多ければ命を落とす事になります。
治療としては、骨髄移療を行うことになりますが、他人の骨髄を移植するとGVHD(移植片対宿主病)という重い合併症が出てしまいます。
しかし、事前に自分の末梢血幹細胞を採取出来ればGVHDは起こらなくなるのです。
実は、我々泌尿器科医も精巣癌の治療で大量に抗がん剤を使う場合に末梢血幹細胞の採取を行ってきましたので、その有用性はよく知っています。
詳しくは下記ページをご覧になってください。
http://expres-info.net/acv/2011/03/autopbsch.html
ところが、内閣府の原子力安全委員会はその必要が無いと行っています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110403/plc11040301310001-n1.htm
その理由として
(1)作業員にさらなる精神的、身体的負担をかける
(2)国際機関での合意がない
(3)十分な国民の理解が得られていない
と言うのです。
作業している場所が、被曝を前提とするほど危険な場所ではないと主張しているのです。
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今回、安全委が造血幹細胞の事前採取を「不要」と判断したことについて、事前採取の必要性を訴えてきた野党若手議員は「被曝を前提とするほど危険な場所で作業していることになれば、国民の不安感や諸外国の不信感をあおることになりかねないという政治的配慮があるのではないか」との見方を示している。
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政治的配慮だとしたら、一生懸命頑張ってくれている多くが地元の方である原発労働者の事を全く考えていなく、がっかりしてしまいます。
- 2011.04.15
- 仕事 / 職場
余震の影響
水曜日にたまたま駐車場を見たところ、アスファルトがゆがんでいるのが見えました。
震災直後は特に何でも無かったので、今回の余震による影響の様です。
すぐ横に透析排水の浄化槽が地下に有ります。
配管が損傷していないか心配でしたので、業者さんにチェックしてもらいました。
とりあえず現時点では大丈夫なようですが、やはり一度は掘り返してきちんと配管を直した方が良いと言われました。
変電器もそうですが、いくらお金がかかるのかと思いながら、とほほと言う感じですね。
最近、最大余震の話が良く出ているのですが、こういうのを見るたびに何時直せばいいのだろうと思ってしまいます。
直した直後に再びやられるといやだしなあと思いながら、でもあまり長い間このままだというのもみっともないと思います。
とりあえず、診療に支障がありそうな部分は直そうかなと考えています。
- 2011.04.15
- 仕事 / 職場
変電器を交換しました。
昨日、クリニック屋上にあり、震災によるひどい揺れで破損してしまった変電器の交換を行いました。
変電器は100Vと200Vの2つあり、震災直後は100Vは電線と外れていなかったため普通に電気が付いたのですが、透析を始めようとした時点で、200Vの電源が固定から外れ落ちてしまっていました。
2度ほど応急処置で変電器と電線をつなげてこれまで透析が行えていましたが、新品の変電器を取り寄せることが出来て、昨日交換しました。
大きなクレーン車で持ち上げて、屋上に設置しました。
これで心配の種が一つ減りました。
逆ろ過装置を再固定しました。
透析用水を作る工程で透析液清浄化に不可欠な逆ろ過装置が3月11日の地震で動いてしまいました。
逆ろ過装置は約1トン(960kg)もある機械です。
そして、ゲルセーフと言う粘着性のあるウレタ ン素材を加えたステンレス板で固定ししてあります。
ゲルセーフは衝撃や振動 を90%以上吸収すると言われています。
https://enjinkai.com/society/透析装置における地震対策1.pdf
(学会発表の福島腎不全研究会 透析装置における地震対策をご覧ください。)
今回は、ゲルセーフはそのままでしたが、ゲルセーフと本体をつなげる部分がちぎれて動いてしまいました。
隣に写っている免震装置に乗った透析液供給装置はさすがに問題無しだったのに残念です。
ただ、後面の配管に問題なく、透析はそのまま続ける事が出来ました。緊急性がないので、後日修理をお願いしていました。
しかし、今回の余震で更に大幅に動いてしまいました。
裏の配管も伸びきった状態でこれ以上動くとちぎれる可能性が出てきました。
急遽、火曜日にメーカーにお願いし、再固定してもらいました。
火曜日にも大きな余震がありましたが、対応して頂いた東レメディカルの皆様ありがとうございました。
余震は続きますが、復興も頑張って行っています。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。