原発作業員の自己末梢血幹細胞採取 1
東京都の虎の門病院は3月29日、同院内で記者会見を開き、「原発作業員を守るため、希望される方に自分の造血幹細胞を早急に採取・保存しておける体制を整えた」と発表しました。
http://lohasmedical.jp/blog/2011/03/post_2413.php
作業員の方が突発的な事故で大量被爆を受けた場合に、造血機能に重大な障害が生じ、線量が多ければ命を落とす事になります。
治療としては、骨髄移療を行うことになりますが、他人の骨髄を移植するとGVHD(移植片対宿主病)という重い合併症が出てしまいます。
しかし、事前に自分の末梢血幹細胞を採取出来ればGVHDは起こらなくなるのです。
実は、我々泌尿器科医も精巣癌の治療で大量に抗がん剤を使う場合に末梢血幹細胞の採取を行ってきましたので、その有用性はよく知っています。
詳しくは下記ページをご覧になってください。
http://expres-info.net/acv/2011/03/autopbsch.html
ところが、内閣府の原子力安全委員会はその必要が無いと行っています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110403/plc11040301310001-n1.htm
その理由として
(1)作業員にさらなる精神的、身体的負担をかける
(2)国際機関での合意がない
(3)十分な国民の理解が得られていない
と言うのです。
作業している場所が、被曝を前提とするほど危険な場所ではないと主張しているのです。
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今回、安全委が造血幹細胞の事前採取を「不要」と判断したことについて、事前採取の必要性を訴えてきた野党若手議員は「被曝を前提とするほど危険な場所で作業していることになれば、国民の不安感や諸外国の不信感をあおることになりかねないという政治的配慮があるのではないか」との見方を示している。
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政治的配慮だとしたら、一生懸命頑張ってくれている多くが地元の方である原発労働者の事を全く考えていなく、がっかりしてしまいます。
- 2011.04.15
- 仕事 / 職場
余震の影響
水曜日にたまたま駐車場を見たところ、アスファルトがゆがんでいるのが見えました。
震災直後は特に何でも無かったので、今回の余震による影響の様です。
すぐ横に透析排水の浄化槽が地下に有ります。
配管が損傷していないか心配でしたので、業者さんにチェックしてもらいました。
とりあえず現時点では大丈夫なようですが、やはり一度は掘り返してきちんと配管を直した方が良いと言われました。
変電器もそうですが、いくらお金がかかるのかと思いながら、とほほと言う感じですね。
最近、最大余震の話が良く出ているのですが、こういうのを見るたびに何時直せばいいのだろうと思ってしまいます。
直した直後に再びやられるといやだしなあと思いながら、でもあまり長い間このままだというのもみっともないと思います。
とりあえず、診療に支障がありそうな部分は直そうかなと考えています。
- 2011.04.15
- 仕事 / 職場
変電器を交換しました。
昨日、クリニック屋上にあり、震災によるひどい揺れで破損してしまった変電器の交換を行いました。
変電器は100Vと200Vの2つあり、震災直後は100Vは電線と外れていなかったため普通に電気が付いたのですが、透析を始めようとした時点で、200Vの電源が固定から外れ落ちてしまっていました。
2度ほど応急処置で変電器と電線をつなげてこれまで透析が行えていましたが、新品の変電器を取り寄せることが出来て、昨日交換しました。
大きなクレーン車で持ち上げて、屋上に設置しました。
これで心配の種が一つ減りました。
逆ろ過装置を再固定しました。
透析用水を作る工程で透析液清浄化に不可欠な逆ろ過装置が3月11日の地震で動いてしまいました。
逆ろ過装置は約1トン(960kg)もある機械です。
そして、ゲルセーフと言う粘着性のあるウレタ ン素材を加えたステンレス板で固定ししてあります。
ゲルセーフは衝撃や振動 を90%以上吸収すると言われています。
https://enjinkai.com/society/透析装置における地震対策1.pdf
(学会発表の福島腎不全研究会 透析装置における地震対策をご覧ください。)
今回は、ゲルセーフはそのままでしたが、ゲルセーフと本体をつなげる部分がちぎれて動いてしまいました。
隣に写っている免震装置に乗った透析液供給装置はさすがに問題無しだったのに残念です。
ただ、後面の配管に問題なく、透析はそのまま続ける事が出来ました。緊急性がないので、後日修理をお願いしていました。
しかし、今回の余震で更に大幅に動いてしまいました。
裏の配管も伸びきった状態でこれ以上動くとちぎれる可能性が出てきました。
急遽、火曜日にメーカーにお願いし、再固定してもらいました。
火曜日にも大きな余震がありましたが、対応して頂いた東レメディカルの皆様ありがとうございました。
余震は続きますが、復興も頑張って行っています。
- 2011.04.14
- 診療
今週中の診療体制について
今週は、月曜日と火曜日に大きな余震がありました。
月曜日は透析中であり、遅番のスタッフと院長で緊急に回収し透析を終了させました。
その後も余震が続きましたので、火曜日は透析時間を4時間に短縮いたしました。
運良く全員が帰宅した直後に大きな余震が起こりました。
水曜日も透析時間の短縮を行い、透析が日勤帯に終わる様に致しました。
透析中に震度4の余震がありましたが、大きな混乱はなく終了出来ました。
透析中に大きな余震が起こることは、患者さんももちろんですが、スタッフにも大きなストレスが生じます。
念のため、今週は透析時間を短縮して4時間透析とする事と致しました。
また、不測の事態が生じた場合に対応するため、午前中は再診のみの対応とし、新患の方には午後来院して頂きました。
木曜日と土曜日は午前のみですので、時間のかかる検査は後日行うことで新患の患者さまに対応いたします。
ご不便かけますがよろしくお願いいたします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。