- 2011.09.06
- 研究
HDF研究会行ってきました。
土曜日曜と、横浜市で開催された第17回日本HDF研究会学術集会・総会参加してきました。
6月に透析学会総会に参加し、先月末には東北腎不全研究会に参加していますが、両方の学会とも、透析診療を行っているたくさんの知り合いに会うことが出来ました。
しかし、HDF研究会には以前からの知り合いはほぼいなく(山形矢吹病院の方々と松江腎クリニック草刈先生くらいです。)、HDF研究会で会って話す方達はHDF研究会で知り合いになった方たちです。
昨年初めて参加したときは、ほとんど知っている方がおらず、草刈先生や政金先生の後にくっついてたくさんの先生方を紹介してもらっていました。
HDF研究会に参加して盛んに発言している先生方は、透析をかじっていると聞いたことがある先生方ばかりです。
今年は、昨年知り合いになった先生方を中心にお話する事が出来ました。
さらに、このブログ読んでいますと声をかけていただきありがとうございました。
2日間、朝から日曜日15時半の終了時点まで、シンポジウムやワークショップ、一般講演など、聞ける講演は全て聞く事が出来、とても勉強になりました。
たくさんのセッションが有りましたが、どんな内容だったのと聞かれたこともあり、いくつかご紹介いたします。
International Symposiumと言うセッションでは、東南アジアを中心に各国の腎臓内科の先生方が自国の透析の環境について講演してくれました。
もちろん同時通訳ありです。
最近の同時通訳は医学用語がよく分かっていますね。
以前は医学用語の通訳が出来ず、何を言っているのか分からない通訳の事が有りましたが、とてもわかりやすい通訳でした。
カンボジアでは、急逝血液浄化は行われていますが、慢性腎不全に対する血液透析はまだ普及していないとのことでした。
しかも、ダイアライザーも5回再利用するそうです。
ベトナムの病院では、ベットが足りず、1つのベットに2人の患者さんが寝ている写真を見せてもらいました。
でも、慢性腎不全に対する人工透析は積極的に行われ、約1万人くらいの患者さんがいるそうです。
ダイアライザーは6回再利用して、透析治療費は1回20ドルと世界で一番安い治療費だそうです。
ちなみに、CAPDは月400ドルかかりあまり普及していないそうです。
ミャンマーでは、サイゴンにいる腎臓内科医は3名だけだそうです。
透析は急性腎不全に対する治療のみが行われていて、慢性腎不全の治療は行われていないと言っていました。
お国がらでしょうが、急性腎不全となる原因の75%は毒蛇に噛まれた事が原因で、多くの方が貧困のためお金が払えず、急性腎不全に対しては国が治療費を払ってくれるそうです。
フィリピンの先生は、オンラインHDFの話でしたので、かなり進んだ治療が行われているようです。
この後、台湾、中国と続いたのですが、当院の一般演題
O-3-01 「膜・透析方法の違いによるアルブミン漏出について」
が始まる時刻となり、その後は聞く事が出来ませんでした。
でも、自分の全く知らない世界を知る事が出来て良かったです。
オンラインHDFの発表が盛んにされていましたが、血液流量が低い発表が多く、勿体ない印象がありました。
夜は、懇親会で今年も何人かの先生方と名刺交換が出来て、ロビー活動も充実しました。
その後、透析命の先生方と夜景を見ながらカクテルを飲みに行き、楽しい一日が終わりました。
もちろん、日曜日も朝8時からの日本透析医学会認定 透析液水質確保に関する研修から、15時半まで学会を満喫してきました。
明日からの診療に役立てたいと思います。
突然の来院にビックリ!
本日はとても外来が混雑しました。
午前中はそれなりにやや多いくらいでしたが、午後は途切れずとても混雑していました。
午後の外来が始まる少し前に、突然、松江腎クリニックの草刈万寿夫先生が、被災後と言う事でお見舞いに来院してくれました。
突然のサプライズ!
ビックリ仰天有頂天!
明日から横浜でHDF研究会があり、僕も参加予定ですが、貴重なお時間を割いて来院してくれました。
どうもありがとうございます。
院内の状況を見て頂き、一緒に記念写真を撮っていただきました。
是非とも、機会を作り、松江まで行って、松江腎クリニックを見学してみたいです。
明日は、HDF研究会。
実りのある学会にしたいと思います。
頑張ります。
- 2011.09.02
- 生活 / くらし
何を頑張れというのですか。
知人の方のお子さん用にフイルムバッチが届いたそうです。
郡山市は来月からなので、まだ届いてはいません。
でも、これはないのではと思います。
このストラップには、『がんばろう日本』と書かれています。
我々の子ども達をこんなに被爆させておいて、これ以上何を頑張れというのですか。
無神経過ぎるのでは無いでしょうか。
苦しんでいる患者に治療を全くせず、頑張れという医者と同じでしょ。
呆れてものが言えません。
許せませんね。
防災の日
本日9月1日は「防災の日」です。
1923年(大正12年)9月1日に起きた関東大震災の教訓を忘れないという意味と、この時期に多い台風への心構えの意味も含めて1960年(昭和35年)に制定されたものです。
今年は、3月11日に東日本大震災が発生しました。
震災による影響もありましたが、我々は、その後に発生した福島第一原子力発電所の事故により、現在もひどい目に遭っています。
本日は、透析医会による災害時情報伝達訓練 も行われます。
http://www.saigai-touseki.net/
当クリニックも下記の通り訓練に参加いたしました。
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■(県南・中)援腎会すずきクリニック: 2011年 09月 01日 10:04
透析の可否 : 透析可
被災の有無 : 被災無し
その他不足物品や連絡事項等 : 訓練情報
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訓練は 10:00~23:00 で行います。
透析施設の皆さんは、是非とも参加お願いいたします。
「福島県民健康管理調査」について
東京電力福島第一原発事故による放射線の健康影響について調査するため、「県民健康管理調査」が行われます。
今回、その説明会が開催されましたので、その内容についてご紹介いたします。
「県民健康管理調査」には、基本調査と詳細調査があります。
基本調査では、平成23年3月11日時点での県内居住者を対象に、自記式質問票を用いて、3月11日以降の行動記録を調査することで被曝量の推定量を評価するものです。
詳細調査は、甲状腺検査、健康診査、こころの健康度に関する調査、妊産婦に関する調査があります。
甲状腺検査は、全県の18歳以下36万人を対象としています。
今年度は避難地域の方28000人に対し甲状腺の超音波検査を行うと言う事です。
その後の2年間で残りの30万人以上の検査を行う予定です。
放射線の影響による甲状腺癌の発生は、被爆4ー5年後に発生しますので、今回行う甲状腺検査は現時点で甲状腺に異常がないか確認する事で、放射線の影響が出ているかを調べるのは4ー5年後になる様です。
今年度の健康診査は、避難区域等の住民及び基本調査の結果必要と認められた方を対象として、特定健診や健康診断医上乗せして血算、尿潜血、血清クレアチニンなどの採血を追加して行います。
こころの健康度に関する調査は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、県民は精神的な苦痛を受けていますので、県民のこころの健康度を把握し、適切なケアを提供するため行われます。
妊産婦に関する調査は、妊産婦さんの放射線への不安を調査することで妊産婦の方々の不安を把握し、解消に努める事を目的に行います。
震災後県外に避難された方も対象とするとのことです。
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今回の県民健康管理調査についてはいろいろなご意見がある様です。
ただ、そのような内容か分からずに意見を言う事は出来ません。
そのため、どのようなものかと言う事を書かせて頂きました。
説明会でこの健康調査を行う理由は、震災直後の状況がうやむやになる事が不安の原因の一つにとなるのではないかと言う話でした。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。