- 2013.09.08
- 生活 / くらし
2020年の東京オリンピックおめでとうございます。
IOC委員会で2020年の東京オリンピック開催が決まりましたね。
日本人として嬉しいと思います。
今回、JOC会長さんが、「東京と福島は250km離れていて安心」と発言して、その事について福島県民は怒っていると言う記事を書きました。
この事の本質について書きたいと思います。
JOC会長さんは、海外メディアに汚染水の事を聞かれ、とっさに250km離れていて安心と言ったのだと思います。
原発管理が国ではなく一東電と言う企業が行っていて、自らが不利になる情報をきちんと公開していない状況ですから、やむ得ない部分もあると思います。
ただ、福島では避難地域以外でも線量の高い場所で多くの人が生活しているのです。
郡山でも線量が高く、本来は避難してもいいくらいの場所が沢山あって、ベラルーシなら、移動する権利のある地域と同じ程度の線量です。
そのような場所ですが、線量が高い場所で遊んだり検査をしていない食品を食べなければ普通に生活出来ます。
でも、山菜採りが趣味だったお父さんが閉じこもりになったり、釣りが趣味だった方が近場で釣りが出来なくなりました。
原発事故が起こる前に比べて少し我慢する生活になっているのは事実です。
それで、第一原発で作った電気はどこで使っていたでしょうか。
東京電力ですから、関東ですよね。
東京の使用量は多いと思います。
今回の事の本質は、自分の身に降りかかっていない出来事は他人事であると言うことです。
福島で生活していて時々県外に行くと、あまりに県外の方が福島で起こっている事に無関心だということが分かります。
福島で事故は起こったけど、東京は大丈夫だからいいじゃんでは困るのです。
これだけの事故が起こって、避難している人が15万人以上いるのにですよ。早く原発再稼働させなければ経済が大変なんて、やはり福島の事が他人事なので言えるのではないでしょうか。
本来は東京で作るべき電気を、田舎で職が無く、原発を立地しやすい福島で作るようにしたのです。
野田総理は就任会見で「福島の再生なくして元気な日本の再生はない」と言明しました。
政権が自民党になってもその事は忘れて欲しくありません。
でも、今回の首相の発言で、汚染水処理に国費が投じられることになりました。
利益を追求する東電では第一原発の処理は難しいと思います。
国が本腰を入れて第一原発の処理を行ってくれる事を望みます。
- 2013.09.06
- 生活 / くらし
五輪招致と汚染水問題
東京招致委の海外メディアへの説明で、竹田恒和理事長が東京と福島の距離を強調して、「(東京は)福島とはほぼ250キロ離れたところ。想像するような危険性は全くないとはっきり申し上げたい」と言う発言をしました。
福島第一原発と言うのは、東京の人達へ電気を送る為に作られました。
その第一原発が放射能漏れという事故を起こしたのです。
隣国で原発事故が起こって、我が国は250km離れているので危険では無いと言うのとは違うのです。
自分達が使っていた電気を作っていた施設が事故を起こして福島を汚染させているという事実を忘れないで欲しいです。
線量計の回収日
今日は定期的な線量計の回収日です。
線量計の積算値は基準値を大きく下回っています。
しかし、福島に住んでいる我々は、常に子供たちが被ばくしないように目を光らせて行かなければならない現状があります。
ちょっと山に行って採ってきた物は食べてはいけないのです。
山菜採りやイワナ釣りが趣味だったおじいちゃん達は趣味を失いました。
汚染水問題で、いわきの海水浴場に行く気にはなりません。
子供たちの多くの友達が避難していきました。
知人や同業者でも妻子を県外に避難させている方はたくさんいます。
最近、少しずつ子供たちも戻ってきていますが、安心安全で戻ってきていると言うより、経済的な問題、家庭環境の問題から戻ってきているのだと思います。
公園の線量はまだ高く、下の子はまだ自転車に乗れません。
最近、汚染水問題で福島第一原発の報道が多くなってきましたが、我々福島県民がどの様に生活しているのかは、もう忘れられてきているのではと思います。
県外の方には、我々の現状が忘れ去られないように,今後もアピールを続けて行きます。
CERAの腎性貧血に対する費用対効果3
CERAを使用する事で何故ESA製剤のコストが下がったのでしょうか。
このスライドは、ESA製剤の高容量投与患者割合の変化です。
今回、高容量投与患者を
エポエチンαBSで9000単位以上
ダルボポエチンで40μg以上
CERAで150μg以上
としました。
一般的には極端に多い量ではありませんが、当院での使用量としては多い量です。
CERAを使用するようになって高容量投与患者の方達の割合が減りました。
このことがESA製剤のコストが下がった最大の原因と思います。
鉄剤ですが、観察期間中に変化は見られませんでした。
Hbサイクリングについては、最初みて悪くなっていると思いました。
と言うのは、目標であるtargetが減っているからです。
ただ、よく見るとHAとLowが減っていました。
HAとLowは予後不良と言われているので、これが減ったことは大きいです。
targetが減ってLALが増えた事については次の考察のスライドで述べます。
考察
十分な透析を行いながら、CERAの使用量を10%程度から50%まで増加させたところ、Hbは変わらずにESA製剤全体の使用量を減らすことが出来ました。
それに伴いESA製剤全体のコストも低下しました。
全体的な鉄の使用量の変化は無かったが、高容量投与患者の割合が少なくなっており、このことが、ESA製剤使用量の減少に影響していると考えられました。
CERA使用量を増加させたところ、Hbサイクリングは、予後不良と言われているLowとHAが11%から5%へ減少しました。
Targetが減少したのは、CERA投与直前の採血でTargetより若干低いHb値となる場合が有ったためと考えています。
CERAの場合、半減期が長いですが、どうしても1ヶ月過ぎると下がってくる場合があり、Hb10g/dlを若干割ってしまう場合も有ります。
それでtargetが減ってLALが増えてしまったのかと思います。
これは、今後の調節で改善出来ると思われます。
CERAの腎性貧血に対する費用対効果2
対象患者55名の透析条件です。
透析方法は、55名中49名がオンラインHDF、HDF1名です。
当院の基本治療はオンラインHDFですが、栄養状態が悪化した患者さんでは積層膜を中心としたHDを行っています。
透析時間は、平均4.7時間、血流量は平均355ml/minでkt/vが2.08のしっかり透析です。
今年になり、CERAの使用割合を10%程度から50%まで増加させています。
その分エポエチンαBSが下がっています。
ここからがポイントです。
CERAの使用割合を増加させたところ、Hbは下がる事無く(若干上がっている印象)ESA製剤の使用量を減らすことが出来ました。
週辺り最大で3509単位から2218単位に減らすことが出来ています。
週辺り2218単位と言いますと、週3回750単位使用で2250単位ですから、かなり使用量が少ないのではと思います。
多いときでも週1回1170単位であり、貧血に対してはしっかり透析の効果が出ていると思います。
元々少ない使用量を更に少なく出来た点は大きいです。
もちろん、包括化されているESA製剤のコストも軽減できました。
最も少ないときで、一人当たり1ヶ月で1万円を下回っていました。
プロフィール
![援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕](https://enjinkai.com/wp/wp-content/themes/enjinkai/images/photo.png)
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。