長時間透析研究会in長崎のスライド6
それでも、やっぱり抜けすぎが心配だと考える方もいるでしょう。
でも遅く無いです。
長時間高血流で低栄養や低リンになってきたら、透析膜を変えたり、透析液流量を下げたり、場合によっては血流も下げればいいのです。
当院でも、高齢者を中心に一部の患者さんで、透析後のリン値が低値となる方がいます。
低リン血症が持続すると骨軟化症を引き起こす可能性もありますので、小分子量の除去量を減らし透析後の低リン血症を起こさない工夫をしています。
こちらは、透析後の血清リン値が1.5mg/dl未満の患者さん8名に対しての検討です。
総透析液量を550mL/minから450mL/minに変更して2週間経過前後の血清リン値を示しています。
透析前の血清リン値は上昇する傾向に有りましたが、透析後のリン値は変わりませんでした。
次に、総透析液量は550mL/minのままで、300-400mL/minの血流量を200mL/minに変更し比較しました。
こちらは透析前及び後のリン値は上昇する傾向にありました。
長時間高血流で栄養状態が悪化したら、ダイアライザーの変更や透析液流量もしくは血流量を下げる事で対応して、栄養改善したらまた透析量を増やせば良いと考えています。
最後に、
高血流は直ちに低血流とする事は可能で有るが、低血流を直ちに高血流にできるでしょうか?
求められるのはオーダーメイドな治療長時間透析でも個々の患者に合った治療が必要です。
最も大切な事は、正常人が168時間で行っていることを、長時間でも20時間程度で行っていると言うことなのです。
透析はやればやるほどいい。やり過ぎを懸念するよりは、先ずやってみて抜けすぎていれば透析量を減らせばよいと考えています。
その為には、我々透析従事者が患者さんの日々の変化を注意深く観察する事が大切なのです。
長時間透析研究会in長崎のスライド5
最後に、
長時間・高血流だと抜けすぎるのではないか?
と言う疑問についてです。
先ずは血流を上げるとアルブミンが下がるのではないかと言う事に対してです。
当院では、以前より血流300mL/分を標準としていましたが、昨年4月より更に高血流を目指し、一時は血流400mL/分の方が半数くらいになっていました。
昨年4月の平均血流は313mL/分でしたが、その後積極的に血流を上げていって、今年3月には平均血流を357mL/分まで上昇しました。
その間の血清アルブミンの平均値をグラフに示しますが、特に下がる傾向は認めませんでした。
血流を上げすぎると抜けすぎてしまうという心配よりは、先ずは上げて見て、抜けすぎたら減らせばいいのではと思います。
もう少し続きますので、しばしお待ちください。
- 2013.12.09
- 仕事 / 職場
土曜日は大忘年会でした。
先週の土曜日は、クリニックの大忘年会でした。
毎年、当院は忘年会を行わず、代わりに新年会を行っていたのですが、今年は秋の行事が都合つかず、忘年会の開催となりました。
今回も、大ビンゴ大会
宴会の場所がちょっと暗くてすみません。
ビンゴの景品は、スタッフの希望で電化製品を中心にしました。
今年は景品を充実させたので、スタッフは大喜びでした。
ちなみに院長は
これだけ空いてもまだ当たらず、この後5回目の数値でやっとビンゴとなりました。
もちろん誰よりも遅いビンゴでした。
今年は、個室透析センターの開設も出来ましたし、5時間透析の患者さんが半数以上になりました。
とても充実した1年でしたので、なかなかビンゴが当たらなくても良しとします。
来年も今年に引き続き良い年になるように頑張りたいと思います。
平成25年12月10日(火曜日) 午後休診のお知らせ
明日平成25年12月10日火曜日の午後
院長出張のため、泌尿器科・内科の外来診療を休診といたします。
午前の診療と透析診療は通常通り行います。
ご迷惑をおかけしますがご了承のほど宜しくお願いいたします。
長時間透析研究会in長崎のスライド4
次に、
高血流だと、心臓に負担がかかるのではないか?
です。
こちらは今年の透析学会で発表した内容です。
360-400 ml/分の血流量(QB)で透析を行っている33名の患者さんに対し、透析中にQBを360-400 ml/分の高血流からQB200 ml/分まで低下させ、その後再び高血流に戻して、1回拍出量(strong volume)、心拍数、下大静脈径を測定した検討です。
心機能が悪い駆出率(EF)50未満の方8名でも同様の検討を行いました。
血流を、高血流→低血流→高血流と変化させたても1回拍出量、心拍数、下大静脈径は変化せず、これは心機能の悪いEF50未満の方でも同様の結果でした。
わが国では、以前より血流量を上げる事は心負荷を増加させると言う考えが主流ですが、今回の検討では高血流量状態が心臓に負荷をかけると言う所見は見られませんでした。
高血流は死亡リスクを低下させることは知られています。
シャントに問題無ければ十分な血流で透析を行う事が重要だと言えます。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。