長時間透析研究会in長崎のスライド5
最後に、
長時間・高血流だと抜けすぎるのではないか?
と言う疑問についてです。
先ずは血流を上げるとアルブミンが下がるのではないかと言う事に対してです。
当院では、以前より血流300mL/分を標準としていましたが、昨年4月より更に高血流を目指し、一時は血流400mL/分の方が半数くらいになっていました。
昨年4月の平均血流は313mL/分でしたが、その後積極的に血流を上げていって、今年3月には平均血流を357mL/分まで上昇しました。
その間の血清アルブミンの平均値をグラフに示しますが、特に下がる傾向は認めませんでした。
血流を上げすぎると抜けすぎてしまうという心配よりは、先ずは上げて見て、抜けすぎたら減らせばいいのではと思います。
もう少し続きますので、しばしお待ちください。
- 2013.12.09
- 仕事 / 職場
土曜日は大忘年会でした。
先週の土曜日は、クリニックの大忘年会でした。
毎年、当院は忘年会を行わず、代わりに新年会を行っていたのですが、今年は秋の行事が都合つかず、忘年会の開催となりました。
今回も、大ビンゴ大会
宴会の場所がちょっと暗くてすみません。
ビンゴの景品は、スタッフの希望で電化製品を中心にしました。
今年は景品を充実させたので、スタッフは大喜びでした。
ちなみに院長は
これだけ空いてもまだ当たらず、この後5回目の数値でやっとビンゴとなりました。
もちろん誰よりも遅いビンゴでした。
今年は、個室透析センターの開設も出来ましたし、5時間透析の患者さんが半数以上になりました。
とても充実した1年でしたので、なかなかビンゴが当たらなくても良しとします。
来年も今年に引き続き良い年になるように頑張りたいと思います。
平成25年12月10日(火曜日) 午後休診のお知らせ
明日平成25年12月10日火曜日の午後
院長出張のため、泌尿器科・内科の外来診療を休診といたします。
午前の診療と透析診療は通常通り行います。
ご迷惑をおかけしますがご了承のほど宜しくお願いいたします。
長時間透析研究会in長崎のスライド4
次に、
高血流だと、心臓に負担がかかるのではないか?
です。
こちらは今年の透析学会で発表した内容です。
360-400 ml/分の血流量(QB)で透析を行っている33名の患者さんに対し、透析中にQBを360-400 ml/分の高血流からQB200 ml/分まで低下させ、その後再び高血流に戻して、1回拍出量(strong volume)、心拍数、下大静脈径を測定した検討です。
心機能が悪い駆出率(EF)50未満の方8名でも同様の検討を行いました。
血流を、高血流→低血流→高血流と変化させたても1回拍出量、心拍数、下大静脈径は変化せず、これは心機能の悪いEF50未満の方でも同様の結果でした。
わが国では、以前より血流量を上げる事は心負荷を増加させると言う考えが主流ですが、今回の検討では高血流量状態が心臓に負荷をかけると言う所見は見られませんでした。
高血流は死亡リスクを低下させることは知られています。
シャントに問題無ければ十分な血流で透析を行う事が重要だと言えます。
長時間透析研究会in長崎のスライド3
まず、
時間延長と比べると、高血流の効果は少ないのではないか?
と言う疑問です。
それで、一般的に行われているQBであるQB250ml/分と当院ではかなりの人数で行っているQB400ml/分について、前希釈on-lineHDFで検討しました。
透析時間は、QB250ml/分が長時間透析である6時間
QB400ml/分が5時間で比較しました。
使用した透析膜は、ニプロ社製マキシフラックスMFX-21Secoを使用して、totalQD=600mL/min、QS=200mL/minで行いまいた。
対象とした方はスライドのごとくです。
長時間透析である6時間QB250ml/分よりも5時間QB400ml/分の方が、除去率でクレアチン、α-1MGで、除去量ではα-1MGで有意に多いと言う結果でした。
クリアスペースでも比較しました。
クリアスペースは、対象とする物質が透析後に何リットル分ゼロになったかを表す数値です。
指標によっては、全く同じ条件で透析しても前値の違いによってデータが変化してしまう事があります。
そのため、前値の影響がないように補正したものがクリアスペースです。
β2MGは両群ともに10リットルを超えていましたが、α-1MGは0.8リットル程度でした。
クリアスペースでみると、6時間QB250ml/分と5時間QB400ml/分で差がありませんでした。
血流を上げる効果が示せたのではと思います。
アルブミン漏出量は5時間QB400ml/分の方が有意に多かったです。
しかしアルブミン1g当たりのα1MG除去量は変わりなく、両群共にアルブミン漏出量は少なく、通常の使用でも全く問題ない結果でした。
6時間QB250ml/分と5時間QB400ml/分のデータ比較を行いましたが、有意な差は認めませんでした。
溶質除去のみから考えると、5時間QB400ml/分は6時間QB250ml/分に匹敵すると思われました。
じゃあ、6時間はしなくてもいいねという話になりそうですが、そうではありません。
透析はやればやるほど良いと思います。
可能な患者は6時間QB400ml/分にすればいいのです。
ただ、6時間だと体格の小さい方ではQB400ml/分は抜けすぎになるかもしれません。
現在、当院では週4回5-5-5-4時間QB400ml/分の方が3名いらっしゃいます。
たくさん食べる方達ですので、現時点ではQB400ml/分継続中です。
ただ、注意深く観察していないと、食べれない状態が続くと抜けすぎが起こる可能性はあります。これは付け加えておきます。
以上、高血流の効果がお示しできたのではと思います。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。