2025.04.23
一般

古武術介護術による介護セミナー開催

2月に北九州市で第15回透析運動療法研究会が開催され、スタッフと共に参加してきたのですが、その時にスイーツセミナーと実習2で理学療法士・介護福祉士の岡田慎一郎先生の講演と実地指導がありました。

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スイーツセミナー1

「古武術に学ぶ身体の使い方~腰痛予防から運動療法までのヒント~」

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実習2

「古武術の身体運用と発想に学ぶ介助技術」

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古武術の筋力に頼らない、体に負担をかけない身のこなしによる、介護者が腰痛を起こさない介護術を学ぶ機会をいただき感銘を受けました。

当院は透析施設ですので、介護が占める割合は大きく無いのですが、職員に覚えてほしい事柄が沢山有りましたので、岡田先生を郡山にお呼びしてセミナーを開催することといたしました。

当院に関係する施設の方々にお声を掛けさせていただきました。

4月20日で参加募集は締め切りましたが、せっかくの機会ですので、是非とも参加したいと言う方がいらっしゃいましたら、若干名ですが参加可能ですのでご連絡頂ければ幸いです。

 

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2025.04.14
一般

透析室で消毒薬誤混入による有毒ガス発生に対する当院の対応策

病院の透析室で有毒ガス発生 投入薬剤を誤る 患者・スタッフ150人が一時避難 周辺の交通規制も
こちらは透析室で有毒ガス発生したニュースです。
昨年も同様の事故が起こっており、大きなニュースとなりました。
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先週末、第 5 1 回日本血液浄化技術学会学術大会・総会が開催され、医療安全委員会企画とし透析機械室の安全とスタッフ教育up to date 
-危険な消毒薬の 取り扱いについて-
と言うセッションがありました。

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私はハンズオンセミナーに申し込んでいたので聴講出来ませんでしたが、スタッフが聴講してこれまでの当院の管理体制が間違っていなかったという報告を受けています。
次亜塩素酸ナトリウムを主成分としたアルカリ系薬剤は、酸性物質と混合すると急激に反応して黄緑色の有毒な塩素ガスを発生させます。消毒薬で使用するのは次亜塩素酸ナトリウムと酢酸ですので、混合すると塩素ガスが発生するのです。
これまで誤混入を起こさない為の対策が数多く行われてきました。

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当院で行っている対策としては
・消毒液を直接容器に注入しなく、色を付けたホースで注入する
・必ず2人で確認しながら注入する
などを行っています。

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実際に当院でしようしている消毒液です

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ただ、これでも誤混入を完全に防ぐ事は困難と考えています。
人は間違える生き物です。
間違える前提で準備をする、間違えた後の対策をする事が重要となります。

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具体的には
・大量に混ぜない
多くの施設で一週間分の消毒液を大きなタンクに入れていますが、当院では1日分しか入れていません
・患者のいない時間帯に消毒液を入れる
塩素ガスが発生しても患者さんがいない時間帯ですとリスクは少なくなります
・中和剤を用意しておく
塩素ガス発生抑制剤セクリターンと言うものがあり、中和剤は当院にも少しだけ置いてあります。

https://www.youtube.com/watch?v=14_MNZT1BtM

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ただ、昨年の事故以来入手困難となっています。
日本臨床工学技士会からも
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が出されていますので、参考にしていただきたいです。
2025.04.12
一般

第 5 1 回日本血液浄化技術学会学術大会・総会に参加

4月11日から13日開催の第 5 1 回日本血液浄化技術学会学術大会・総会に参加しています。
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大会長のHOSPY 腎透析事業部 臨床工学部森實篤司先生とは懇意にしている事もあり、私も含めて援腎会から6名が参加しました。
今回は臨床工学技士の人見友啓が大活躍で、一般演題座長、演者、学術委員会企画ディスカッサント、スポンサード セミナー講演と引っ張りだこでした。
臨床工学技士中心の学会ですので、私は引率という感じで、今回は参加希望している看護師も一緒に参加しています。何も仕事が無い学会も久しぶりなので、楽しく参加しています。
今年も学会活動も頑張っていきたいと思います。
学術委員会企画
リアルジャーナルクラブ 「MyTEMP studyを読み、 適正透析液温度を考える」
ディスカッサント:  人見 友啓
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スポンサード セミナー1
ビタミンE固定化膜 使用経験から未来への 可能性を考える
演者: 人見 友啓
一般演題 13 性能評価/VA/ その他
座長: 人見 友啓

一般演題 13 [ 性能評価 /VA/ その他 ] : グラント採択演題

• O13-1  ビタミン E コーティング HDF フィルタ(V-RA)は疲労感を改善させる可能性がある 
Potential Improvement of Fatigue in Maintenance Hemodialysis Patients Using Vitamin E-Coated HDF Filter(VRA) ◯人見 友啓
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一般演題も英語セッションでお疲れ様でした。
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一般演題 2 HDF、IHDF
座長: 鈴木 翔太

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2025.04.11
一般

慢性腎臓病の方のマグネシウム(Mg)濃度は高い方がいい

長らくブログの更新がされておらずすみません<m(__)m>でした

楽しみにしていたと言う方から最近更新していないと言われまして、また頑張って書こうかと思います。

今回は、以前から院内の透析患者さん向けの透析新聞の記事を載せてみます

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透析患者のマグネシウム(Mg)濃度は高い方がいい

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マグネシウムは腎臓から排泄されるため、腎機能が低下しマグネシウムの尿中排泄が低下してくると高マグネシウム血症となる事が知られています。しかし、実際には20%の透析患者さんで正常基準値(1.8~2.4mg/dL)未満となります。これは、現在使用されている透析液中のMg濃度が1~1.2mEq/Lと低く設定されていて透析で除去される為です。10年以上前ですが、重篤な高マグネシウム血症での死亡例が報告されニュースとなった事がありました。後になって寝たきりのご老人にマグネシウムを漫然と投与して血中濃度も測らなかったから生じたケースだったと分かりました。一般的には5 mEq/Lくらいから症状が出てくると言われており、死亡に繋がるのは10 mEq/L以上だったと言う話です。

我々もこのニュースを聞いて、マグネシウムが高いと危ないので低めにコントロールした方がいいと考えていました。しかし、最近の研究からは、透析患者ではマグネシウム濃度が2.8~3mEq/Lの方で最も心血管死亡リスクが低くかったと言う結果が報告されています

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また、毛髪のマグネシウム濃度を測定した研究では、マグネシウム濃度が高い程心肥大が軽度であったという報告や、クエン酸マグネシウムを投与した研究にて、当院でも年1回行っている頚動脈超音波検査にて動脈壁の肥厚(動脈硬化)が良くなったと言う報告もされています。

更には、マグネシウム濃度が低いと血清リン値が高くなると血管が石灰化して死亡リスクが上がるのに対し、マグネシウム濃度が3.1mEq/L以上だと血清リン値が高くなっても死亡リスクは変わらなかったと言う透析学会の集計データもあります。

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ただし、マグネシウムを摂取しても石灰化が良くなる事は無く、まだ石灰化が起こっていない方の石灰化を防ぐと言う事ですので間違えない様にしてください。

マグネシウムの投与は下剤である酸化マグネシウム(マグミット錠)で行います。定期的にマグネシウム濃度を測定しながら3mEq/Lを目指しながら少量ずつ投薬しています。血管石灰化を予防し、良好な生命予後を目指す為には、バランスの良い食事と十分な透析で血清リン値が高くなりすぎない様にして、マグネシウムの多い食事の摂取や酸化マグネシウムの少量内服することです。

保存期の患者さんでもMg には腎機能を保護する作用があると考 えられていますので、マグネシウム濃度は高い方が良いと言う事も言われています。

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2025.02.10
一般

TOTOの尿流量測定装置『フロースカイ』が新しくなりました。

トイレで排尿するだけで尿流量を測定できる

TOTOの尿流量測定装置『フロースカイ』が新しくなりました。

フロースカイは2015年に当院でも導入して使用していましたが、10年経過して新製品が出てきたため新しい装置に更新しました

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検査結果は以前と同じ様に出されます

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10年前に導入した時の記事のリンクを貼っておきます。

 

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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