血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』5
再度血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討に戻ります。
補正カルシウムについては、日本人患者サンプルでは補正カルシウム値が10mg/dL未満の方は74.2%で、当院では80%の方が10mg/dL未満と当院の方が多いですが、大きな違いはない結果でした。
アルブミンについても、日本人患者サンプルの方で4g/dl未満の方33.9%だったのに対し、当院でも40%と多いですが、他の項目に比べてはっきりとした差は有りませんでした。
今回のアルブミン4g/dlと言う目標はかなり高い数値であり、これまで予後不良と言われてきているアルブミン値3,5g/dlで検討すると、92%の患者さんが目標をクリアしている事を付け加えておきます。
現在、援腎会すずきクリニックでは、この栄養状態が悪い方たちに対して、栄養改善を行うことを最優先課題として取り組んでおります。
1つは、食事指導を繰り返し行うことで偏食や間違った食事療法を改善させること。
これまで糖尿病の食事指導を守ってきた方が、急にカロリーを取りなさいと言われても、なかなか取れない場合が多いです。
高齢者では特にその傾向が有ります。
1つは、透析中に栄養の投与を行うこと。 IDPN(経静脈的栄養補充療法)がそうですね。
それでも改善しない場合には、透析膜の変更を行い、さらにはオンラインHDFから通常のHDへ変更することなどを行っています。 ちょっと横にそれてしまいました。
ちょっと気になったこと
12月31日の新聞に、国内初の角膜移植を行った岩手医科大名誉教授の今泉亀撤氏が死去とありました。
102歳とは、大往生ですね。
昭和24年に国内初の角膜移植手術に成功して、アイバンク創設にも貢献されたそうで郡山市名誉市民にも選ばれているそうです。
全然知らなかったのですが、とても大きな仕事をされた方が郡山市内にいらっしゃったのですね。
僕も大学時代は腎移植に携わっていましたので、何となく親近感を感じました。
戦後すぐの頃、角膜移植法がなく、死体から眼球を摘出することは法的に認められず、死体損壊罪で犯罪行為となる可能性があったけれど、眼科医としての患者を治したいという使命感から1例目の角膜移植を行ったそうです。
郡山市には、眼科で有名な今泉眼科と今泉西病院とあり、なるほどと思いました。
新聞には、今泉西病院の初代院長先生のコメントが書かれていて、角膜移植を行った時は一時、警察に拘束された様なことが書かれていました。
角膜移植が行われることを知った記者が集まり、報道しようとしたところ、今泉先生達が報道中止を強く要望し、その意を汲んだ記者達が記事とすることを取りやめたそうなのです。
でも、一部の記者が「早すぎた角膜移植」と書いてしまったため、警察が動いたのだそうです。
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元旦の民報新聞には、南会津地区の産科医がいなくなってしまっていて妊婦さんたちがとても困っていると言う記事が一面トップにありました。
その事については、今後なんとか改善されないかなと思っています。
でも、その記事を見た瞬間にすごく違和感を感じました。
今まで有った県内隅々まで産科医がいて、どこでもお産が出来る体制だったのに、1人医長はだめだと批判して壊したのは誰だったのでしょうか。
ちょっと気になったので、書いてみました。
明けましておめでとうございます。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今年の元旦は朝からずっしりと雪が積もっていますね。
本来は、早めにクリニックに行って雪かきをすべきでしょうが、外来休みだし。。。お正月だし。。。と言う感じで、ちょっと大目に見てもらおうかなと思っています。
(着いたら考えます。)
31日は院長室で書類の整理をやっていたのですが、30日は来年行われる第55回日本透析医学会学術集会で発表を予定している演題の登録を行っていました。
6月の学会ですが、登録締め切りが2010年1月7日(木)正午までとなっているためです。
内容的には、今回腎不全研究会で発表した2演題を合わせたような内容です。
自分としては、現在行っている治療法は透析者の予後改善のためには間違っていないと考えています。
そこで、自分はこの様な治療を行っていて、この様な結果が出ていると言うことを学会等で発表する必要が有るのです。
現在行っている治療法を広く知ってもらいたいと言うことも有りますし、問題点を指摘されれば改善する事が出来るからです。
総会の他にも、福島腎不全研究会、東北腎不全研究会、そしてHDF研究会等にも積極的に発表していきたいと考えています。
良い透析が提供できるように、今年も1年頑張りたいと思います。
宜しくお願いいたします。
その後)
今日も、昨日に引き続き3km歩いてクリニックに着きました。
2日連続だとかなり足に来ます。
日頃運動不足なのがたたっている様です。
郡山は一面の銀世界です。
血液透析の修正可能な治療指標を用いた高透析量透析の検討』4
日本人患者サンプルでは、Hb10 g/dL 以上の方が52.9% であったのに対し、当院では、Hb10 g/dL 以上の方が84%と多い結果でした。
Hbを11 g/dL以上とすると、日本人患者サンプルでは、22.3% と随分少なくなりますが、当院では44%の方がHb11 g/dL以上でした。
この論文でも、ヘモグロビン値11g/dL以上の患者割合を増やすことが、生存年数の延長に最も良い効果をもたらすと述べてありましたので、最近ではHb値が11 g/dLとなるようにエリスロポエチンの量を増量するようにしています。
次にリン値ですが、日本人患者サンプルではリン値が6.0 mg/dL未満の方は64.8%でしたが、当院では80%の方が6.0 mg/dL未満の結果でした。
発表の時の質問で、リン値のデータが良好なので、炭酸ランタンを内服している患者さんが多いのではないかという質問がありました。
炭酸ランタンを多く使っている印象がなかったので、そのようにお答えしましたが、実際に調べましたところ、今回の25名中にランタンを使用している方は2名のみでした。
尚、当院では、リン値の目標値は5.5 mg/dL未満としていますので、その達成率は64%でした。
本日、今年最後の泌尿器科診療です。
援腎会すずきクリニックの今年の泌尿器科診療は本日で終了となります。
年末年始の休診日は
平成21年12/30(水)
31(木)
平成22年 1/ 1(金)
2(土)
3(日)
です。
1/4(月)からは通常診療となります。
また、透析診療は、日曜日以外は通常通りの日程で行います。
ご了承ください。
年末年始、外来診療がない時間は、院長室の片付け、溜まった書類の整理、来年の透析学会総会で発表する演題の準備と忙しそうです。
日々の診療で溜まっていったものを整理したいのですが、全部は出来なそうですね。
透析診療も、患者さん達にお願いして少し早めに来院してもらいますので、午後は子供達と遊ぶ時間も少しはあるかと思います。
自分は好きなことをやっていますが、その分家族にも負担をかけております。
手をかければかけた分、患者さんの具合が良くなるのが透析診療です。
来年も、今年以上にいい透析が提供できるように頑張りたいと考えております。
引き続きよろしくお願いいたします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。