2013.03.11
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震災後2回目の3月11日を迎えるに辺り

本日で震災後2回目の3月11日を迎えました。
この2年間はあっという間の2年間でした。
震災直後の透析を再開させる為にスタッフ一同で頑張った頃の事と、その事に夢中になっていたため原発事故の事にほとんど関心が無く、どんどん人々が逃げていく中で取り残されたと気づいた時に感じた恐怖は今でも鮮明に覚えています。

また、ガソリンが無くてどうにもならず、改めて郡山に根付く為には人脈を作っていかなければならないと感じました。

今朝のラジオで聞きましたが、岩手・宮城では震災後の復興が進んでいると答えた方が進んでいないと言う回答数を超えたが、福島では未だに半数以上の方が復興は進んでいないと答えているそうです。
実際、当院の目の前には数百戸の仮設住宅が並び、避難地域には入る事もままならない状況ですし、郡山でも放射線量が高い事から未だに県外に転出していく方々が沢山います。
今後の福島・郡山はどうなってしまうのか、常に不安に感じる状況です。

それで、僕がこの2年間でしてきた事です。
震災後1年くらいはいかに放射線に立ちむかっていくか、今の郡山の現状がどのような状況にあるかをブログで発信していました。
よかったか悪かったかは別として、その頃は福島の状況を発信する事くらいしか出来なかったですね。

ここ1年くらいでやっていることは、一つは本業のしっかり透析を頑張る。そのために個室透析センターを増築を増築し、長い透析時間を快適に過ごせる環境を整える事でした。これは、今年の夏に実現出来ます。

また、郡山での人脈を作ること。
災害時には自助・共助・公助が互いに連携しあうと有りますが、今回の震災で感じたことは、自分の身は自分で守る事、公的支援を当てにすることは難しいと言うことであり、共助が出来る様に地域の方達と連携すると言うことが大切をわかりました。
様々な職種の方達を紹介して頂き、またfaceBookでの交流もあり、、郡山生まれでない僕でも、郡山にたくさんの友達を作る事が出来ました。

福島県は、2040年には人口が震災前の200万人から120万人くらいまで減少してしまうと言う試算もあります。震災後、ずっと混沌とした状況が続いてきました。
でも、この地に根を張った人間が精一杯頑張っていかないと福島の復興はないと考えています。

いいことも悪い子とも、福島県が注目されているのは事実です。
注目されていると言うことは、チャンスだと言う事です。
震災から2年が経過しましたが、3年目更なる発展の為に、頑張って行きましょう!

2013.03.11
生活 / くらし

原発関連死

東京新聞の記事ですね。
福島、宮城、岩手の3県で、津波や建物倒壊などの直接的な原因で亡くなった人数の中に占める福島の人の割合は10%。ところが、震災関連死となると52%と跳ね上がるそうです。

この数字の異常さことが、原発事故の恐ろしさだそうです。

以前、中部電力の社員が「福一原発事故で直接、放射能で死んだ人はいないし、これからも出ない」と言う発言をして批判を浴びました。

実際は、震災関連死789人のかなりの部分の方が原発事故関連死なんだという事になります。

そう考えると、とても重い現状ですね。

2013.03.08
診療
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個室透析室のシミュレーション

http://blog.m3.com/ennjinnkai/20121129/1

昨日、再度ベニア板で個室透析室のシミュレーションを行いました。

テレビは32インチと40インチを想定しましたが、40インチでは大きすぎる様です。

となりの方との目線の位置も確認したり、細かい部分の確認をたくさん行いました。

建築も、3月4日上棟となりました。
これから急ピッチで建築も進んでいくと思います。
とても楽しみです。

2013.03.08
診療
研究
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研究会に行って来ました。

木曜日、郡山市で腎疾患の研究会があり行って来ました。

一般演題で、しっかり透析の貧血への効果『しっかり透析の貧血への効果』と言う演題で発表してきました。
実は、この演題は来週末にあるハイパフォーマンスメンブレン研究会(HPM研究会)で発表する予定ですが、予行演習もかねて発表させてもらいました。

特別講演は、僕の出身医局である、福島県立医科大学泌尿器科学講座教授小島祥敬先生の
『泌尿器科最先端医療
  ーロボット支援下手術ー』
でした。

先生の話によると、現在アメリカでは前立腺癌の手術は95%がロボット手術になっているとの事でした。

前立腺癌の手術は、以前は開腹手術でしたが、数年前から腹腔鏡で行われる事が多くなっていました。
今後はロボット手術になっていくそうです。

話を聞いたところメリットは大きそうです。
前立腺は身体のとても深い所にあります。
ですので、僕が医者になった頃はとても大変な難しい手術でした。
血管も複雑でたくさんあり、出血すると止血するのが大変でした。
徐々に解剖がわかってきて、手術方法の改良も進み、手術時間が短縮して輸血も行わなくなりました。
それでも、前立腺を摘出した後に尿道をつなぎ合わせるのが大変で、術後の尿失禁が頻回に起こっていました。

ロボット手術では、10倍の拡大視野と3D画像を用いることで、とても細かい所まで手術部位が見え、血管をよけて手術出来て、出血量もとても少なくなったそうです。

さらに、内視鏡手術では、糸を結ぶこともかなりのテクニックがいりますが、ロボットだとそれが容易に出来るとのことです。

現在は、前立腺癌のみに保険は適応されますが、今後他の病気にも適応が広まっていくと思います。
とてもお勧めの治療です。

現在、ロボットの装置はダヴィンチという手術用ロボットが有り、県内でも数施設に入っています。

その中でも、福島県立医科大学竹田綜合病院に最新型のダヴィンチSiが入っていて、旧型のダヴィンチSより性能がかなりいいとのことです。

今回のダヴィンチSi導入は東日本初との話です。

手術が必要な前立腺癌と診断された方は、是非とも福島県立医科大学竹田綜合病院で最新型のダヴィンチSiでロボット手術を受ける事をお勧めいたします。

 

2013.03.05
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久しぶりに線量計を持って

先日、久しぶりに線量計を持って出かけました。
我が家から借りている駐車場まで歩いている間を計りました。

昨年は1マイクロシーベルトは越えていましたので、少し下がっています。
ただ、いたるところにホットスポットがあるでしょうから、手放しに子供達を遊ばせるのはどうかと言う感じですね。

 

今月、次男が幼稚園を卒業します。
2年前の3月に起こった震災と原発事故直後に次男は郡山で一番放射線量が高かった幼稚園に入園しました。
入園する直前にその数値を聞いて少し躊躇しましたが、こじんまりとしたいい幼稚園で、自宅からも近かったのでそのまま入園しました。

建物の中は数値が低く、2年間放射線の心配をせずに通わせる事が出来ました。
でも、園庭の放射線量が高かったので、卒業まで一度も園庭で遊ぶ事が出来ませんでした。

たまたまですが、中国からの大気汚染で熊本の幼稚園では本日屋外で遊ぶ事を自粛したと言うニュースを見ましたが、入園から卒業までずっとですから。

先生方は、毎日毎日拭き掃除の連続
放射線物質はチリやホコリと一緒になっていますので、とにかく毎日
とにかく線量を落とすための努力は大変なものでした。
カトリック系の幼稚園でしたので、全国からの応援もたくさん頂きました。
ありがとうございました。
児童が減った分、広い屋内空間で思いっきり子供達は走り回っていた事を付け加えておきます。
親としてはいい幼稚園に通えたと思っています。

現在では除染も行い、園庭でも0.2マイクロシーベルトくらいまでさがっいるようです。
今年は園庭にウレタンゴムシートをしいて遊べるようになるようです。

クリニックの裏の公園です。
公園の真ん中は0.3マイクロシーベルトだそうですが、この場所は0.7マイクロシーベルトでした。

こういう場所の測定は、この値を見てそこに住む人たちが公園で遊んでいいか判断する為にあると思います。
だから、本来は一番高い数値がどのくらいだったかを明記すべきなんじゃないかと思います。

もうすぐ、震災と原発事故から2年経ちます。
県外の方とお話すると、もう東日本大震災と原発事故は過去の話の様です。
政府は原発再稼働の方針になっています。

当院の前に仮設住宅があって、浜通りのたくさんの方達が避難してきていることは変わっていません。
郡山も放射線の数値が高い場所がまだたくさん有ります。

医療者の流出も続いていて、救急医療は医療崩壊の危機です。

来週、3月11日を迎えるにあたり、福島の現状を忘れないで欲しいと思い書きました。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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