2011.06.15
生活 / くらし

山下教授の放射線リスク・アドバイザーを解任要請

子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会、国際環境NGO FoE Japan、グリーンピース・ジャパンなどのNGO団体が6月10日に菅首相や佐藤雄平福島県知事に要請文を出しました。

1.特に放射線量が高い地域において、避難・疎開・夏休みの前倒しを促進すること。とりわけ、子ども、乳幼児、妊婦の避難・疎開を実施すること。

2.子どもを含む県民の内部被ばく検査(ホールボディカウンターによる検査)を実施すること。

3.低線量被ばくのリスクを軽視する山下俊一・長崎大学教授を、現在の福島県の放射線リスク・アドバイザーおよび県民健康管理調査検討委員会から解任すること。

4.現在の法定の年1ミリシーベルトを順守すること。内部被ばくも含めた事故直後からのトータルな線量を含めること。年20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)基準を撤回すること。食品の暫定規制値に関しては、年1ミリシーベルトが可能な値とすること。

とうとう山下教授の放射線リスク・アドバイザーを解任要請が出てきました。
1,2,4はもちろん同意です。
3は仕方が無いかなと思います。

以前、山下先生の講演内容を記事にしました。
我々医療者がこの難局にどのように立ち向かうかを説いてくれた講演であり、とても尊敬できました。

震災直後に山下先生が講演を繰り返し行わなければ、寝たきり老人を中心に多くの死者がでただろうと想像できますので、震災直後の混乱を抑える為には大きな役割を果たしてくれたと思います。

ただ、あまりにその頃のインパクトが強く、現状の低い数値を目標としてきている状況に合わなくなってしまったと感じます。

県民感情としても、震災直後の危ない時期に安心安全と叫んでいたいと言う事実は残ってしまっています。
これらの事から解任要求は仕方が無いことだと思います。

未だにいろいろな方が全く違う意見を言い合っています。
年間100ミリシーベルトまで安全だという方から1ミリでないと駄目だという方もいます。
できれば公開討論などで話し合って頂けると我々は一番助かるのですが、そのような企画を行ってくれる方はいないでしょうか。

2011.06.12
診療
研究

アクトスで膀胱癌?

http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201106_1.pdf

 

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が6月10日に、糖尿病治療薬であるピオグリタゾン塩酸塩製剤(アクトス錠)についてコメントが出ました。

これは、フランス医薬品庁が、ピオグリタゾンを投与した約16万人の方が投与していない約133万人に比べて、膀胱がんの発症率が有意に高いと言う結果から、新規処方をしないよう通達を出したことに関してです。

PMDAは日本国内で同剤を使用している患者さんに対し、自らの判断で服用を中止したり減量しないよう求め、主治医に相談するようにコメントしています。

アクトスはは、インスリンに対する体の感受性を高める作用からインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がる薬です。
その作用から、「インスリン抵抗性改善薬」と呼ばれています。

むくみという副作用は有りますが、現在では糖尿病治療では重要な治療薬となっています。

これまでの僕の経験では、アクトスを飲んでいる方で膀胱癌が多いと言う印象は有りませんでした。
しかし、このような勧告が出たことは事実です。
飲んだ人が全て膀胱癌になった訳ではありません。
多くの人が飲んで、飲まない人に比べて膀胱癌になった人が多かったということで、何か他に理由があるかもしれません。

今後も注意深く見守っていく必要が有りそうです。

2011.06.11
診療
研究
生活 / くらし

高速道路の無料化

http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h23/0608b/

 

6月20日より罹災証明書を持った人の東北自動車道での高速料金が無料になります。
聞いた話では半壊以上でしたが、確認したところ一部損壊でも大丈夫でした。

当院も一部半壊なので、罹災証明書を持って行けば高速道路は無料になります。
でも、罹災証明書は大切に大切に金庫にしまってあります。

ちょっと出かける為に持ち歩くものではないイメージですが、コピーでは駄目だとのことで、持ち歩く為にはラミネートでもしようかと考えている次第です。

明日の診療後、横浜市に出発します。
第56回(社)日本透析医学会学術集会・総会に参加してきます。

自分の知識を高めるためにしっかり勉強してきます。
それから、演題発表も行います。
ご期待下さい。

2011.06.08
診療
研究
仕事 / 職場

震災における対応課題4

事前に離脱方法を統一化していませんでしたので、スタッフによって離脱させた患者数に差がでてしまいました。
そこで、皆で話し合い、切断法にて統一することといたしました。

ただ、これは今回の様に電源が喪失するほどの大惨事の場合です。
4月11日に起こった震度5の最大余震時にも透析を行っていましたが、このときはすぐに回収を行い終了することが出来ました。

切断という方法は、通常行う方法で無く緊急時に出来ないのではと言うことを言われます。
ただ、鉗子をかけて接続部を外す方法だと、その後避難している間、鉗子をかけた部分が外れても分からない可能性があります。

また、セイフティー針にロックをかけて回路から外す方法は、長い揺れが続いた後では指が震えてしまった経験から、ひどい揺れに耐えた後に細かい操作を行うこと難しいと思います。

これらのことから、鉗子をかけてその遠位を切断し、患者さんに鉗子を持って逃げてもらう方法が一番早く安全と我々は考えています。

2011.06.08
診療
仕事 / 職場

震災における対応課題3

震災後の対策です。

RO装置は、ゲルセーフにて固定していたものの、45cm移動し、漏水検知も切断されてしまいました。
その後の最大余震でもさらに動いて、後ろのチューブが伸びきってしまいましたので、その後すぐに元の位置に戻しました。

今後は、床に直接固定する工事を行う予定です。

落下した検査機器は壁際に寄せて設置しました。
これらは高額な機械ですので、さらに転倒防止のシートやベルトを用いた対策を行う予定です。

震災直後、血液ガス分析装置が転落して画面がくしゃっとなってしまいました。
高額な機械ですので大変だという事もありましたが、検査会社へ検体の輸送が出来なくなった状態でさらに出来る検査が少なくなってしまったと言うことは反省すべきことでした。

鉗子の位置は、生食と一緒にかけていた為に地震の揺れで散乱してしまいました。
そこで、コンソール脇にマグネットフックつけて、鉗子が飛んでしまわない工夫をいたしました。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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