2011.06.16
仕事 / 職場
生活 / くらし

浜通りでは今

地震医療ネットというメーリングリストリストがあります。
震災直後に原発事故が発生し、全く情報が入らない状況で、藁をも摑む思いで参加させてもらいました。

それ以降、たくさんの情報を教えて頂いており、このブログの記事にも役立てています。

そのメーリングリストで、薬害肝炎原告の坂田和江さんが相馬市在住の尾形眞一さんからの情報を寄せてくれています。

毎回、相馬・南相馬の状況をとてもよく知る事が出来ます。

今回、相馬の酪農家、自殺と言うショッキングな出来事について投稿がありました。
今回、お許しをいただいたので転記させて頂きます。

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福島県の尾形です。

 震災以降、立谷相馬市長の強力な指導と、市職員や消防、警察、自衛隊、更に多くの医療関係者やボランティア方々の不眠不休の努力により、津波以外での犠牲者を相馬市民からは出さずにきたところでしたが、ついに自殺者出てしまいました。
 この男性は、数週間前、上先生をはじめとする東大医科学研の方々と地元医師による検診及び相談を実施した玉野地区の住民です。もしかしたら、上先生の放射線についての研修会にも出席していたかもしれません。

 この地区は、計画的避難区域ではありませんが、飯舘村の北隣にあり、放射線量がやや高い地域になっています。本日の測定で1.54~1.58μsv、先月末に表土を取り除いた小学校校庭は0.62~0.56μsvでした。

 しかし酪農家にとってこの3か月は、想像を絶する苦難の日々だったと思われます。奥様はフィリピンの方で三歳児検診をすませた男の子とその下にもう一人男の子がいます。震災後、奥様は国へ子どもを連れて帰国してしまい、その後父親が子どもを連れ戻したと聞いています。母親は、日本にはもどっていないと聞いており、幼い2人の子どもを懸命に育てていこうしていたに違いありません。ところが現実は、搾乳した牛乳を捨てる毎日で、3ヶ月たっても何も状況は変わらず、将来に絶望したのかもしれません。

 本日の国会の委員会でも首相は「やれるだけのことは遅滞なくやってきたつもりだ」と発言していましたが、3か月も何の保証も取り付けることができない、あるは肩代わりもできない政府が、何を言っているのかと腹立たしくてなりません。同じように、風評被害で、避難地域以外で職を失っている漁業関係の方々や農業関係の方々、また、その関連の物流や販売などの方々がどれだけいるのか。

 収入ゼロであと何日暮らせというのか。今すぐ欲しいのは直接の支援です。生活するための現金です。本気で考えている政府の役人を応援する議員の方々の力と無能な権力者の首に鈴をつける役割のマスコミの方々の勇気ある行動に心から期待します。これ以上の被害者を出さないために。もう、時間はないのです。

 南相馬市の4つの病院もそろそろ限界が近づいています。入院患者をおけない状況で3ヶ月、倒産の二文字がはっきりと見え始めていると思われます。

 尾形 眞一

2011.06.16
生活 / くらし

福島県の有識者会議、「脱原発」を基本理念に

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以前、このブログにもコメントを書き込んで下さった、県議の石原先生のツイッターを見ると、

復興ビジョン検討委員会では、10名中8名の委員が脱原発を唱えたのにも関わらず、「県は再稼働、廃炉など様々なご意見があり、検討中。」との事なのです。福島県は廃炉には向かっていません。再稼働ありきです。

まだまだ、長い闘い。まずは復興ビジョンに脱原発が記載され続けるか?その後復興計画。どのように脱原発を実現していくのか?復興計画で脱原発が記載されても、首都圏の電力不足が理由になり、長期計画の中で変更されないか。常に目は離せません

など、書かれています。

もうここまで来ると原発を維持して欲しい県民はとても少数派ではないかと思います。
多くの方が原発アレルギーとなっているのでは無いでしょうか。

復興ビジョンとその後、注意深く見守っていく必要が有りそうです。

2011.06.15
生活 / くらし

「ザ・ウィークリー」で偽寄稿

偽寄稿:被ばく「効能」強調、実在教授名を使う--郡山のタウン紙 /福島

http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110615ddlk07040193000c.html

 

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「ザ・ウィークリー」は、当院の求人や『健康ガイド、あなたの町のホームドクター2010』に記事を出したり、積極的にかかわってきました。

今回の事を見て、どうしちゃったのかなと思いました。
福島の人を元気づけようとしたとしても、多数の読者がいる雑誌に嘘偽りを書いては駄目です。
今まで掲載されていた内容も本当だったのかなと思ってしまいます。

今後の投稿は考えさせてもらいたいと思います。

2011.06.15
生活 / くらし

山下教授の放射線リスク・アドバイザーを解任要請

子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会、国際環境NGO FoE Japan、グリーンピース・ジャパンなどのNGO団体が6月10日に菅首相や佐藤雄平福島県知事に要請文を出しました。

1.特に放射線量が高い地域において、避難・疎開・夏休みの前倒しを促進すること。とりわけ、子ども、乳幼児、妊婦の避難・疎開を実施すること。

2.子どもを含む県民の内部被ばく検査(ホールボディカウンターによる検査)を実施すること。

3.低線量被ばくのリスクを軽視する山下俊一・長崎大学教授を、現在の福島県の放射線リスク・アドバイザーおよび県民健康管理調査検討委員会から解任すること。

4.現在の法定の年1ミリシーベルトを順守すること。内部被ばくも含めた事故直後からのトータルな線量を含めること。年20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)基準を撤回すること。食品の暫定規制値に関しては、年1ミリシーベルトが可能な値とすること。

とうとう山下教授の放射線リスク・アドバイザーを解任要請が出てきました。
1,2,4はもちろん同意です。
3は仕方が無いかなと思います。

以前、山下先生の講演内容を記事にしました。
我々医療者がこの難局にどのように立ち向かうかを説いてくれた講演であり、とても尊敬できました。

震災直後に山下先生が講演を繰り返し行わなければ、寝たきり老人を中心に多くの死者がでただろうと想像できますので、震災直後の混乱を抑える為には大きな役割を果たしてくれたと思います。

ただ、あまりにその頃のインパクトが強く、現状の低い数値を目標としてきている状況に合わなくなってしまったと感じます。

県民感情としても、震災直後の危ない時期に安心安全と叫んでいたいと言う事実は残ってしまっています。
これらの事から解任要求は仕方が無いことだと思います。

未だにいろいろな方が全く違う意見を言い合っています。
年間100ミリシーベルトまで安全だという方から1ミリでないと駄目だという方もいます。
できれば公開討論などで話し合って頂けると我々は一番助かるのですが、そのような企画を行ってくれる方はいないでしょうか。

2011.06.12
診療
研究

アクトスで膀胱癌?

http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201106_1.pdf

 

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が6月10日に、糖尿病治療薬であるピオグリタゾン塩酸塩製剤(アクトス錠)についてコメントが出ました。

これは、フランス医薬品庁が、ピオグリタゾンを投与した約16万人の方が投与していない約133万人に比べて、膀胱がんの発症率が有意に高いと言う結果から、新規処方をしないよう通達を出したことに関してです。

PMDAは日本国内で同剤を使用している患者さんに対し、自らの判断で服用を中止したり減量しないよう求め、主治医に相談するようにコメントしています。

アクトスはは、インスリンに対する体の感受性を高める作用からインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がる薬です。
その作用から、「インスリン抵抗性改善薬」と呼ばれています。

むくみという副作用は有りますが、現在では糖尿病治療では重要な治療薬となっています。

これまでの僕の経験では、アクトスを飲んでいる方で膀胱癌が多いと言う印象は有りませんでした。
しかし、このような勧告が出たことは事実です。
飲んだ人が全て膀胱癌になった訳ではありません。
多くの人が飲んで、飲まない人に比べて膀胱癌になった人が多かったということで、何か他に理由があるかもしれません。

今後も注意深く見守っていく必要が有りそうです。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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