2013.02.22
診療
研究
仕事 / 職場
その他(医療関連)

血流量と透析液流量

日本の平均的な血流量は、概ね200 ml/分程度です。
DOPPS研究の結果からわかった諸外国の平均360 ml/分と比較すると、かなり低い値です。

当院では、以前よりしっかり透析の一貫として血流量を上げるようにしています。
最近のデータでは、当院の平均血流量は360ml/分と諸外国のデータと変わらない数値になっています。

それでは、ダイアライザーの中で血液と接する透析液の流量はどのくらいがいいでしょうか。
一般的に血流量と透析液流量のバランスが「1:2」程度がよいとされています。

当院の血液流量からすると透析液流量は700ー800ml/分くらい有ると透析の効率は一番いいのかもしれません。

しかし、現在使用している透析装置では透析液流量が600ml/分までしか上げられません。
ろ過透析用に回す透析液もありますので、血流量と透析液流量のバランスも「1:1」くらいになっています。

ただ、バランスが悪くても、血流量を上げる事には意味があります。これまでの治療成績から、はっきりと透析効率が上がったと実感しています。ですので、可能ならば少しでも血流量は上げた方がいいと考えています。

今年の夏には個室透析センターを増築予定です。
そこで使用する透析装置を現在選定中です。

こちらの透析装置は透析液流量を800ml/分まで上げられるそうです。
他の装置にもメリット・デメリットがありますので、良く見極めて最良の透析装置を選択したいと考えております。

2013.02.20
診療
研究
生活 / くらし

市民公開講座のお知らせ

3月3日の日曜日に福島市のコラッセふくしまで腎臓病の市民公開講座が行われます。

腎臓病について不安や悩みの有る方は無料で参加出来るとの事です。
ふるってご参加ください。

2013.02.14
診療
研究

自施設とJSDTの年齢別透析指標の比較

自施設とJSDTの年齢別透析指標の比較

JSDTとは、日本透析医学会のことです。
毎年、全国の各施設に対し、日本透析医学会統計調査委員会が患者さんの情報を調査して、「わが国の慢性透析療法の現況」として公表しています。

「わが国の慢性透析療法の現況(2008年12月31日現在)」に透析条件のデータが載っていました。透析時間については記載が無かったため、政金生人先生が書かれた『予後向上からみた治療戦略』から引用しました。

クリニックとJSDTの年齢別透析指標の比較を作成しました。
クリニックのデータは昨年11月のデータです。
当院は70名で、75歳以上の方が14名いらっしゃいます。

平均年齢は全国とほぼ変わり無しでした。
ドライウエイトは、全年齢でも75歳以上の方でも全国平均より大きく、痩せる病気と言われている透析者では、かなり良いデータだと考えています。

透析時間は平均で4.7時間、75歳以上でも4.6時間となっています。
血液流量は300ml/min以上の方がほとんどです。
そのため、kt/vは全年齢で平均が2.09となっています。

%CGRは、%クレアチニン産生速度の略で、筋肉量の指標と言われています。

透析百科によりますと、

%クレアチニン産生速度(すなわち筋肉量)は、Kt/VやnPCRなどの指標とは異なり、直接的に増大させることはできない。透析処方、食事療法、運動療法、そして合併症の治療など、透析治療の全てが総合的に効果をあげた場合にはじめて増大すると考えられる。すなわち、%クレアチニン産生速度は、Kt/VやnPCRのような患者の治療条件にかかわる指標ではなく、むしろ、個々の透析患者の治療成績を総合的に評価する指標と解釈すべきであろう。

と書かれています。
全年齢では、JSDTとほぼ変わらないですが、75歳以上では高値です。

基本的に前希釈オンラインHDFを行っていますので、β2マイクログロブリンは全国平均より低くなっています。

今回のデータについては、3月に行われるハイパフォーマンス研究会で発表する予定です。
唐突ですが、先にブログでお披露目としました。

2013.02.08
診療
研究
医療事故

ジェネリックについて

昨年よりクリニックで発行した処方薬の薬剤の記載に「変更不可」の記載がなければ、調剤薬局の判断で後発医薬品への変更が出来るようになりました。

先日、プレタールと言う薬を処方している患者さんから、急に薬の値段が高くなったと相談がありました。

当院では、プレタールOD錠100mgを処方していました。

薬価 は 173.4円で、1日薬価が346.8円、1ヶ月で10404円です。

この方は、3割負担ですので、1ヶ月のご負担額は3121円になります。

ただ、僕の方で「変更不可」の記載をしていなかったので、ある薬局からシロスタゾール錠100mgと言う後発品がでていました。

この薬の薬価が26.5円ですので、1日の薬代が53円。1ヶ月で1590となり、1ヶ月の自己負担は477円です。

たまたまこの患者さんが別の薬局に行ったところ、正規品のプレタールが処方となりました。

477円が3121円になったのでビックリして来院されました。

それで、現在は調剤薬局の判断でジェネリックに変更出来る事を説明し、処方箋に「変更不可」と書いていなかったので、以前もらっていた薬局ではジェネリックに変更していたが、今回の薬局は当院の処方通りにプレタールを処方したので間違ったと言うことではないと説明しました。

プレタールがジェネリックのシロスタゾール錠になって3121円の負担が477円になったのです。薬代が85%減ったと言う事です。

ここで、プレタールについて説明しますと、

血管内で血液が固まるのを防ぐお薬です。血栓症の治療に使う薬剤であり、適応は脳梗塞発症後の再発抑制と慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善となっています。

薬が効きすぎると出血したり、血が止まりにくくなることがあります。

また、頭痛や頻脈などの副作用が知られています。

ジェネリックは先発品と主成分が同等のものです。

主成分を同じに作ってあります。

しっかりした会社のジェネリックですと、先発品と同等の効果があるか調査もしてあります。

多分、15%の薬剤ですとそこまでの調査はしていないかと思います。

主成分は同じでも添加物などは違います。

先発品と同等の効果が得られるかは調査していなければわかりません。

効き過ぎればなかなか血が止まらなくなる可能性もありますし、副作用の頭痛や頻脈が出やすくなることもあります。

どちらがいいかは患者さんの判断になります。

問題なければいつもの薬が格安の値段でのむことが出来ますし、それがジェネリックの良さです。

ちなみにプレタールのジェネリックは26種類ありました。

尚、我々がどのジェネリックを使うか基本的に指定は出来ません。

2013.01.10
診療
研究
生活 / くらし

インフルエンザにご注意を

年末、ノロウイルスによる胃腸炎が流行しました。

年明けになり、当院では上気道炎症状で受診し、インフルエンザA型と診断される患者さんが増えています。

インフルエンザは現在、郡山市、県南、相双で流行、県北、いわき市で小流行が続いているようです。

医療機関からのインフルエンザ発生の報告数が1定点あたり10.26となり、注意報レベルの10.00を超えました。

つきましては、インフルエンザの予防と感染拡大防止のため、以下
の点についてご注意ください。

1 体調管理

・十分な睡眠、バランスのよい食事、適度な運動に心がけましょう

2 こまめな手洗い・うがいの励行

・外出後は、手洗い、うがいをしましょう
・手ふきの共用はやめましょう

3 咳エチケットの遵守

・症状が現れた場合は、早めにマスクを着用しましょう
・席やくしゃみをするときは、鼻や口をティッシュで覆いましょう
・使用したティッシュはすぐにゴミ箱に捨てましょう

4 医療機関への受診について

・症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう
・受診する際は、事前に電話しましょう

5 インフルエンザワクチンの接種

・ワクチン接種は重症化防止に有効といわれています
・ワクチンの効果は、接種した2週間後から5か月程度です。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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