2011.06.07
診療
研究
仕事 / 職場

『震災における対応課題』

土曜日に郡山市で行われた福島腎不全研究会で当院臨床工学士の入谷麻祐子が、『震災における対応課題』について発表いたしました。

発表スライドは、クリニックホームページの学会発表にpdfファイルとして掲示しましたが、ブログでも紹介したいと思います。

https://enjinkai.com/society/index.html

 

表題のスライドです。

当院では透析室の地震対策として、次のスライドに示しますが、免震装置と地震感知機能を採用しています。

今回の東日本大震災を経験して、これらの対策が有効であったか、震災時の対応と今後の対策をどうすべきか検討しました。

震災時の対応として、透析機械室では、RO装置はゲルセーフと言う転倒防止器具の上に設置してありました。
ゲルセーフは、衝撃や振動を90%以上吸収し、弾力性と粘着性に優れているため、あらゆる揺れに耐えられると言われていました。

多人数用透析液供給装置は、免震装置上に設置してあり、配管はフレキシブルなチューブ配管を使用していました。

透析室では、コンソールに地震検知システム搭載を採用していました。これは、福島県内では初めてだったようです。
さらに、コンソールのキャスターはフリーロックとしていました。

2011.06.06
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第84回福島腎不全研究会

昨日は、年2回ある福島腎不全研究会が郡山市で開かれました。
通常は土曜日に行ってきましたが、今回は多くの方が参加しやすいように日曜日の開催となりました。

午前中は一般演題。ランチョンセミナー後、震災関連の一般演題と震災についての各地区での経験を報告してもらうセクションでした。

ランチョンセミナーは、東京大学の福本誠二先生が『腎とカルシウム・リン代謝調節系』について最先端の知識を講演してくださいました。

午後のセッションでは、当院からも震災関連の演題を2題出させて頂きました。

『震災における対応課題』 入谷麻祐子
『震災前後での患者状態比較』橘健一

ホームページの学会発表にアップしましたので、ご覧になってみてください。

2011.05.29
診療
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山下教授の講演会

先日、郡山医師会で医師会員を対象とした放射線健康リスク管理アドバイザーの長崎大学山下俊一教授の講演会がありました。

原発事故直後から福島入りして講演を行い、『安心・安全』を繰り返し、『100ミリシーベルトまでは安全』と住民に説明したとして、現在多く方から批判されている先生です。

実際に話を聞いてみたのですが、僕の印象はこれまでの聞いていた話と違い、この先生は信用できると感じました。

我々郡山の医師は、今までとても不安に感じていましたが、大学のDrが不安だと言っている話はありませんでした。
大学の後輩と話をすると、一度話を聞くと考え方が変わると言われていたのですが、恐れ入りました。

先生がこれまで広島・長崎のデータを研究したりチェルノブイリの経験から判っている事は、被ばく線量が100ミリシーベルト以下での放射線の影響は確認されていないということだけです。
これは、100ミリシーベルト以下で安全という事でなく、生活環境のリスクもあるため、影響が解らなくなってしまうと言うことです。

原発事故直後は、国際放射線防護委員会が緊急時の放射線防護を20~100ミリシーベルトとしており、その考えに基づいてパニックを抑えるための講演を行ったと言っていました。

そのため、『安心・安全』や『100ミリシーベルトまでは安全』という言葉が強調されていたのかもしれません。
4月になってからの講演では20ミリシーベルトとい話しているそうです。

山下先生は、震災直後の対応は今後全て検証されると言っていました。今後、『100ミリシーベルトまでは安全』が適切だったかについては検証されるでしょう。

しかし、振り返ってみると、原子力安全委員会や保安院は原発事故後かなり時間が経過してから来福しています。
本来は、住民の不安を納めるのは彼らの仕事だったはずですので、その事も含めて検証は必要です。

講演では、正しく理解して正しく怖がるために行うべき事を話してくれました。
現在のネット社会の中で、大量の情報が流れ、我々は何を信じて良いのか解らない状態が続いていますが、誰がどういう意図やエビデンスで指示を作ったのか、その科学的根拠は何か、その情報源をオーソライズしているのかが大切と話していました。
( authorize :正当と認めること。公認すること。権威づけること)

そして、強く印象に残ったのは、我々医師が、県職員が、歯を食いしばって頑張らなければならないことと、そのために医療従事者を重点的に対象として講演をしたことです。

すごく力がこもった言葉で、我々にとって重い言葉でした。
ただ、郡山にはもう1ヵ月早くきて欲しかったです。

私も医師として、不安に思う住民を良い方向に導く努力をしなければならないですし、なおかつ幼児をもつ親として、生活環境が改善されるように行政に働きかけていくことは続けたいと思います。

追伸)
講演で聞きましたが、県のアドバイザーとして有名ですが、国にも意見を言える立場として、講演会で聞いた住民の声を元に、様々な提言を行っているようです。

2011.05.28
診療
研究

ウイークリーに記事が載りました。

今週号のウイークリーに記事が載りました。

今回の地震でしっかり透析の大切さが分かりました。

 3月11日の東日本大震災で、我々は大変な被害を受けました。震災直後はその影響で多くの透析患者さんが通常の透析を受ける事が出来なくなりました。
 当院も通常60名の患者さんでしたが、震災直後は朝から深夜まで約120名の透析を行いました。
 当院では、多くの患者さんが週3回4時間半や5時間の透析をしていますが、震災直後は3時間透析となりました。
 時間が短くなり、血圧が高くなった、頭痛がするなどを訴える患者さんが出てきました。これらの症状は通常の透析に戻してからはよくなりました。
 今回の事で、透析時間が短くなると体調不良が起こる事を実感された患者さんは多かったと思います。
 透析技術の進歩により、4時間未満の短時間透析でも普通の生活を送る事は出来ます。
 でも、自分で感じることは無いでしょうが少しずつ体調が悪くなっているのです。通常では感じられない程度ですが長い時間が経つと分かってきます。
 多くの皆さんが、万一にそなえて日頃からしっかり透析を受ける事をお勧めします。

2011.05.23
診療
研究

リンクに血ガスブートキャンプを追加しました。

http://blood-gas.com/gas/76/

 

慢性腎不全の治療を行っていながら、我々泌尿器科医は血ガスについては得意で有りません。
今回、腎臓内科の先生が血ガスについてわかりやすく解説したブログを作ってくださいました。

ここに紹介いたします。

当院で、急性期の腎障害の患者さんを診る機会は少ないのですが、僕もこのブログを見て改めて血ガスについて勉強してみたいと思います。

このページのリンクは、ブログのリンクに追加しましたので、皆さんご覧になってみてください。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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