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2011.05.29
診療
研究
生活 / くらし

山下教授の講演会

先日、郡山医師会で医師会員を対象とした放射線健康リスク管理アドバイザーの長崎大学山下俊一教授の講演会がありました。

原発事故直後から福島入りして講演を行い、『安心・安全』を繰り返し、『100ミリシーベルトまでは安全』と住民に説明したとして、現在多く方から批判されている先生です。

実際に話を聞いてみたのですが、僕の印象はこれまでの聞いていた話と違い、この先生は信用できると感じました。

我々郡山の医師は、今までとても不安に感じていましたが、大学のDrが不安だと言っている話はありませんでした。
大学の後輩と話をすると、一度話を聞くと考え方が変わると言われていたのですが、恐れ入りました。

先生がこれまで広島・長崎のデータを研究したりチェルノブイリの経験から判っている事は、被ばく線量が100ミリシーベルト以下での放射線の影響は確認されていないということだけです。
これは、100ミリシーベルト以下で安全という事でなく、生活環境のリスクもあるため、影響が解らなくなってしまうと言うことです。

原発事故直後は、国際放射線防護委員会が緊急時の放射線防護を20~100ミリシーベルトとしており、その考えに基づいてパニックを抑えるための講演を行ったと言っていました。

そのため、『安心・安全』や『100ミリシーベルトまでは安全』という言葉が強調されていたのかもしれません。
4月になってからの講演では20ミリシーベルトとい話しているそうです。

山下先生は、震災直後の対応は今後全て検証されると言っていました。今後、『100ミリシーベルトまでは安全』が適切だったかについては検証されるでしょう。

しかし、振り返ってみると、原子力安全委員会や保安院は原発事故後かなり時間が経過してから来福しています。
本来は、住民の不安を納めるのは彼らの仕事だったはずですので、その事も含めて検証は必要です。

講演では、正しく理解して正しく怖がるために行うべき事を話してくれました。
現在のネット社会の中で、大量の情報が流れ、我々は何を信じて良いのか解らない状態が続いていますが、誰がどういう意図やエビデンスで指示を作ったのか、その科学的根拠は何か、その情報源をオーソライズしているのかが大切と話していました。
( authorize :正当と認めること。公認すること。権威づけること)

そして、強く印象に残ったのは、我々医師が、県職員が、歯を食いしばって頑張らなければならないことと、そのために医療従事者を重点的に対象として講演をしたことです。

すごく力がこもった言葉で、我々にとって重い言葉でした。
ただ、郡山にはもう1ヵ月早くきて欲しかったです。

私も医師として、不安に思う住民を良い方向に導く努力をしなければならないですし、なおかつ幼児をもつ親として、生活環境が改善されるように行政に働きかけていくことは続けたいと思います。

追伸)
講演で聞きましたが、県のアドバイザーとして有名ですが、国にも意見を言える立場として、講演会で聞いた住民の声を元に、様々な提言を行っているようです。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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