福島原発の放射能を理解する
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
福島原発の放射能を理解すると言うpdfを見つけました。
福島原発がどのようなもので、どのような状況になっているか海外の専門家がスライドにして、日本人の専門家が訳したものです。
これを見ると、60km離れている郡山は比較的安全であると分かります。
参考にしてください。
徐々に落ち着きつつあります。
震災後、1週間が経過し、クリニックも徐々に落ち着いてきています。
現在、医療材料や医薬品が足りなく困る事は無いです。
ガソリンもなんとか補給出来てきました。
次は、正常の診療体制に戻すことです。
透析では、電源の問題が有りますが、薬品が足りるようになったこともあり、次週より3時間の透析を4時間に戻す事としました。
3時間透析を1週間しただけで、痒みや高血圧の症状を訴える患者さん達が出てきました。
やはり透析量が不足するとこのような症状が生じてきます。
5時間透析の患者さんにはご迷惑をかけますが、もうしばらくお待ちください。
尚、大変申し訳ありませんが、泌尿器科の外来は、来週中の再開は難しそうです。
内服処方は出来ますので、診療時間についてはお問い合わせください。
毎日の変化が大きいです。
昨日は、朝からガソリン探しと原発事故におびえた1日でした。
震災後、通常60名の透析患者さんに対し、120名を収容して透析を行ってきました。
職員はオーバーワークになっています。
他施設から来て透析を受けている方が一部別の施設に移られ、やっと昨日から夜間透析をしなくても良くなり、ほっとしています。
現在、一番の問題は、ガソリンがないことです。
震災後、ガソリンスタンドには長蛇の列が出来ていましたが、終日仕事をしているスタッフが行く時間は有りません。
遠方のスタッフほど通院が困難になり、昨日までに3名のスタッフが院内に寝泊まりしています。
そこで、これまで使用してきた患者送迎車を使って朝夕のスタッフの送迎を行うことを考えました。
昨日は、朝から給油してくれるガソリンスタンドを探す事から始めました。
ガソリンスタンドに問い合わせたところ、給油を行っているのは緊急車両だけだと言われました。
郡山市、福島県の災害本部にこの実情を話し、当院の患者送迎車を緊急車両に指定して欲しいとお願いしました。
ただ、緊急車両は高速を使って物資を被災地に運ぶ車両であり、それ以外が認められないと言われました。
警察署にも何度も電話し、一度はOKと言われましたが、警察署に申請を申し込みに行ったところ、やはり駄目だと言われてしまいまいた。
これだけの事をするのに昨日は1日かかり、とても疲れました。
夕方になり、医療関係者にも給油してくれるガソリンスタンドが見つかり、一部の職員が給油してもらえました。
職員が給油できたことですごく元気になりました。
何でこんな事に1日かかるのかと思いつつ、被災地ってそんなものかなと考える次第です。
食料品も買い出しに行くことが出来ません。
日中、スーパーとかは営業していますが、朝から晩まで働いているスタッフが行ける時間がありません。
郡山は、ガソリンに比べ食料品の供給は良いですが、日中ずっと仕事をしているスタッフは購入できないのです。
また、原発事故により郡山からも避難する人たちが増えてきています。
皆とても不安がっています。
昨日の午後、南相馬の泌尿器科医の先生から電話がかかってきました。
『透析患者を引き取って欲しい』と。
現在、当院では新規の患者様は断っている状態です。
その先生にその事を伝えましたが、何とか引き受けて欲しいと言われました。
南相馬は現在室内退避になっている場所です。
『先生、そこは逃げなくてはいけない場所じゃないの?』
と、聞いたところ、
『もう少しで全員の行き先が決まりますので、そうしたら逃げます。』
と言われ、涙が出て引き受ける事としました。
ちなみに、僕は退避命令が出たら患者さんに申し訳ないですが、僕の家族やスタッフと共に真っ先に逃げます。
それは宣言します。
今の現状を知って欲しい
これまでの状況と要望を書きます。
当院は、30床のベットで約60名の透析患者です。
金曜日の被災後、変電器が故障しましたが、現在のところ復旧しました。
幸運なことに他には透析できなくなるような損害はなく、水道、電気も通っており、透析可能となっています。
近隣の施設で透析困難な施設からの患者様や被災して逃げてきた患者さまを引き受け、現在120名が当院で透析しています。
変電器は一時的な修理で、大きな余震がくれば透析ができなくなる恐れがありますが、今のところ大丈夫で、徐々に余震も沈静化していますので昨日までは安心していました。
しかし、本日原発の避難範囲が広がり、スタッフは浮き足立っています。余震も続いていて、精神的にかなりつらい状態です。
これは、他の施設でも同様です。
周囲の外来クリニックは診察を中止ししています。
聞いた話では、すでに他府県に移動した方もいるようです。
現在、原発周辺から逃げてきた3名の方たちの透析を行っていますが、本日ご家族から相談がありました。
ガソリンがなくなって来られないので、透析回数を減らしてほしいとの事でした。
とても切実な事です。
現在、少なくとも4時間行うべき透析を3時間で我慢していただいています。
それを2回にしてほしいというのです。
また、遠方のスタッフは通院できないので2名ほどクリニックに泊まり込んでいます。
皆、ガソリンがなく、同伴で出勤しています。
昨日、あるガソリンスタンドで工事関係の方だけに給油を行っていました。
我々医療関係にもガソリンを分けてください。
そして、原発から逃げて避難所に居る3名の方や郡山市内の避難所で生活しながら透析を受けている方が県外に脱出できる手配をしてください。
正直きついですが、スタッフと一緒に頑張っています。
今後の診療について
昨日、屋上に有る電源の応急処置を行い、なんとか本日透析を行える状態になりました。
ただ、電源の状態は不安定で、今後大きな余震が有った場合には再び使えなくなる可能性も有ります。
昨日より断水は解消されましたが、まだ給水制限があり十分な透析用水の確保が出来ません。
現時点で出来ることは、電源を使用するに際し、出来るだけ負荷をかけないようにすることです。
本日は、火木土の当院の患者さんと、まだ透析が復旧できていない施設の透析患者さんの行います。
上記の様な状態です。
当院は、長時間透析・高透析量透析を目指していますが、当分の間は必要最小限の透析しか行えません。
被災地にある多くの透析施設が、何らかの不具合が生じていたり、他施設の患者さんの透析を行うために通常より多くの患者さんの透析を行わなければならない状態で、十分な透析を提供できる状態にありません。
そこで、透析者の皆様にお願いです。
今後、当分の間はぎりぎりの透析時間、透析液量で透析を行わなければなりません。
通常の状態より塩分・飲水量の制限、カリウムの制限をしっかりさせてください。
今後、大きな余震が起こった場合には、数日間透析が行えなくなる可能性が有ります。
その時の為に、慎重に生活を送ってください。
お願いいたします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。