透析診療の定期検査
臨床透析の2月号に透析診療における定期検査についての話がありました。読んで感じたことを含め、記事にいたします。
透析診療での定期検査の目的は、
①適正透析の評価
②腎不全、透析療法の合併症の早期発見と治療判定効果
だそうです。
透析診療において採血、レントゲン、超音波などを行っていますが、これまできちんと整理して検査を行ってきたかと考えると、やや反省すべき点が有るのかなと感じました。
適正透析の概念も、Kt/Vなどの透析量の評価である狭義の「適正透析」から、体液・血圧コントロール、栄養、中分子量物質、低分子蛋白の除去、心血管病変の進展防止、透析アクセスなども含むものに広がりつつある。
と書いてありました。
さらには、
適切なダイアライザと血流量を選択し、透析液清浄化に努め、抗凝固剤の用量を調整し、透析中の血圧低下がないように除水コントロールをしたとしても、心血管病変の管理、貧血の管理、骨ミネラル代謝の管理が不十分であれば、透析専門医として適切な診療を提供したと言えない
と書かれていました。かなり注文が多いですね。
実際に、これまでにクリニックを開院してから、やらなければならないことが沢山ありました。
透析液清浄化と抗凝固剤使用量の調節は、臨床工学士にお願いする点が多いのですが、ダイアライザの選択や、血流量の決定、除水コントロールは相談しながらやってきました。
そして、腎不全は痩せていく病気であり、どうしても痩せていく人の栄養状態の改善については、管理栄養士やスタッフと相談しながら、いろいろな事を試みてきました。
それでも、患者さんの体調は日々変化していきますので、なかなか皆さんをいい状態にする事は難しかったですし、これからも大変だと思います。
しかも、最近では糖尿病による腎不全の方が多いですから、なおさらそれぞれの患者さんの体調が悪くならない様に持って行くことは大変です。
それだけでも大変ですが、さらに、腎不全、高血圧、脂質代謝異常などによる長期合併症が悪化していかないかチェックをして、管理して行きなさいという事が書いてあるのです。
もちろん、透析を行うためのブラットアクセスの管理も重要です。
気持ちを引き締めて、毎日しっかり診療しなければ難しいですね。
透析患者さんは、基本的には一生同じ透析施設で治療を行うことが多いです。
だから、その人の今後一生の管理をするという気持ちで診療を行わないと、いい治療は出来ないです。
だんだん話がずれていきました。すみません。
でも、透析診療は片手間ではできない治療であると言う事です。
もちろん、毎日実感していおります。
今日は大雪でした。
朝起きたところ、久しぶりの大雪でした。
今年はもう降らないかと思っていたのですが、かなり積もってびっくりしました。
この冬一番の積雪かと思います。
クリニックに到着したところ、掃除のおばちゃんがせっせせっせと雪かきをしてくれていました。有りがたいことです。僕や外来スタッフも到着次第、混じって雪かきを行いました。
かなり頑張って、雪かきをしました。
でも、今日の雪は重い雪で大変でしたね。
診療時間が始まったときに撮影しましたが、どうにか半分くらいは雪かきできました。
でも、その後雨になって、帰る頃にはほどんど溶けていましたが。
雪かきが終わった後は、両手がぷるぷるの状態で、字を書くのがやっとの感じでした。
透析を受ける患者さんの針刺しは、スタッフにやってもらうことが多いのですが、必要時には僕も刺すことが有ります。
こんなにぷるぷるでは刺せないなとちょっと反省。。。
気をつけよう日本電電広告
クリニックには、連日のようにたくさんの郵便物がやって来ます。
請求書や振込依頼書も送られてきます。
今日もいつものように郵便物を見ていたところ、今年初めてお願いしたNTTタウンページの広告料の振り込み用紙が届きました。
いつものように内容を確認するため中を空けたのですが、金額が違うことに気がつき、送ってきた日本電電広告という会社についてネット検索しました。
日本電電広告でgoogleしたのですが、関連キーワードが 日本電電広告 詐欺 と出てきました。
たくさんのサイトで、この会社がNTTの電話帳広告の請求書と紛らわしい通知を送っていることが分かりました。
裏面に、
この郵便物は当社発行の全国官公庁電話番号広告簿の広告申込案内ですので、日本電信電話㈱発行のタウンページと混同なさらぬ様お願いします。又、御申込後解約なさる場合は当社規定の手数料を差引き返金致します。尚、印刷後は解約に応じられ
ません。
と書いてあります。
NTTは電話料金と共に引き落としになるそうです。
何とかならないのでしょうか。
健康機器総合カタログ
当院では、開院以来透析中の運動療法を積極的に行い、このブログでも
エルゴメーター導入
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20080730/1
クリニック透析中
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20081022/1
福島腎不全研究会
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20081130/1
とご紹介してきました。
今回、Escargotを販売している株式会社 明成 さんから、健康機器総合カタログに、Escargotを実際にクリニックで使用している立場から感想を載せさせてほしいという依頼があり、お受けいたしました。
総合カタログの表紙です。
このカタログをめくると第1ページにEscargotが載っています。
すごいでしょ。
経口補水療法
風邪を引いて具合が悪く食欲がない、下痢がひどいなどの患者さんがいらっしゃいます。
特に、小さなお子さんやご年配の方は、脱水になりやすい傾向があります。
これまで、そのような方を診察したときには、安易に『水分を十分に取りなさい』と指導していました。
しかし、発汗、下痢や嘔吐が有ると水分だけでなく、ナトリウム、カリウム、クロールなどの電解質も失われていることを忘れてはいけないようです。
つまり、汗をかいたり、下痢したり、吐いたりすれば、水分と共に塩分も足りなくなると言うことです。
激しい下痢や高熱の患者さんが来院した場合で、水分も多く取れないという患者さんに対して、しばしば点滴を行います。
点滴には、細菌をたたく抗生物質やビタミンの補給をするものも有りますが、体内の水分を補うことと電解質のバランスを良くすることを目的としていることが多いです。
そこで、脱水症状が軽度で、水分も口から取れる場合には、経口補水液を利用するという方法もあります。
この方法は、発展途上国などで、衛生環境が悪く、医療設備が整っていないために、点滴を行うことが難しい地域で進んでいます。
経口補水液の成分は、数種類の電解質とブドウ糖が入っており、脱水時におこなう点滴と同じような成分になっています。
それならば、スポーツドリンクで代用できるのではないかと考えられますが、と言うかこれまで僕もそう思っていたのですが、これらの商品は、経口補水液に比べて飲みやすくなっているので、電解質の成分が半分で、糖分が多くなっています。
結果として、脱水症状の改善よりは予防を主としているもので、脱水症状の改善には劣っていると言えます。
経口補水液は、 砂糖40g(上白糖大さじ4と1/2)と食塩3g(小さじ1/2)を湯冷まし1リットルによく溶かして作ります。
出来れば、レモンやグレープフルーツなどの果汁を加えて飲みやすくすると、カリウムの補給になっていいでしょう。
使い方としては、弱った身体に負担をかけないように、ゆっくり点滴を行うように、少しずつ飲んでください。
ただし、塩分制限をしている方の場合は、医師に相談してからにしてください。
実は、先日薬屋さんが経口補水液の宣伝に来て、お年寄りの多い当院では使う場合が有るのではと考え、OS−1という製品を院内におくことにしました。
僕は、体調不良の時に飲んですごく良かったのですが、いつも来ている患者さんに試しに差し上げたところ、しょっぱくってだめだと言うことでした。
ただ、二日酔には効きそうです。
もちろん、風邪や下痢で具合が悪いときは、点滴並みの効果が有りますので、いいかと思います。
追加ですが、透析患者さんはナトリウムが多いので、お勧め出来ません。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。