第102 回日本泌尿器科学会総会
土曜日、日曜日で神戸の国際会議業で行われた第102 回日本泌尿器科学会総会に参加してきました。
実際の学会期間は4月24日(木)~27日(日)でしたが、26日の透析診療後に出発して5時間かけて夜神戸に到着。
日曜日のお昼までお勉強して午後新幹線で帰宅すると言うハードスケジュールでした。
泌尿器科の専門医継続のためには、学会の認める教育プログラム・学術集会等への参加や発表によって、100単位を取得する必要があります。
今回の総会参加で20単位、教育プログラムへの参加で5単位取得してきました。
もちろん、限られた時間の中で得られる知識は取得してきたつもりです。
土曜日の夜は、たまにしか会えない全国の泌尿器科医の先生方とお会いして情報交換も出来ました。
有用な情報をたくさん聞いてきましたので、今後の診療に役立てて行きたいと思います。
ザルティアの処方について
ED治療薬のシアリスと同成分のザルティア錠が、前立腺肥大の治療薬として発売されました。処方に際してはいくつかの注意点がございますので、ご理解ください。
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前立腺肥大症の治療方針は患者様の症状に合わせて考えます。ザルティアの処方については前立腺肥大症の検査を行い、医師が適応と考えた方のみ処方いたします。
当分の間、初診時にザルティアを処方することは行いません。
併用禁忌や併用注意の薬があります。
ザルティアを頓用的に処方する事は出来ませんので2週間毎にきちんと来院される方のみの処方となります。
ザルティアをED治療薬として自由診療で処方した場合は、医薬品副作用被害救済制度の適応となりません。トラブル防止の為、当院では自由診療での処方は行いません。
透析医療の自主機能評価指標
http://www.touseki-ikai.or.jp/index.html
日本透析医会では、自律的に自らの診療内容や医療の質の評価を公開することが必要であると考えています。
そこで、日本透析医会が自主機能評価指標の項目を選定し、賛同する施設が自主的に公開する ことを勧めています。
当院でもこの考えに賛同して、下記評価指標項目を公表する事といたしました。
I.施設の状況 | ※2014年4月 |
1.施設の設備 | |
1施設の種別 | 無床診療所 |
2(有床の場合)病床数 | – |
3ぺーシェントステーション台数(透析ベッド数) | 46 台 |
2.施設の機能 | |
1準夜透析の可否(21時以降終了) | 不可 |
2(可の場合)透析室の終了時間(通常時の最終透析回収時間) | – |
3早朝透析の可否(8時以前開始) | 不可 |
4(可の場合)透析の開始時間 | – |
5長時間透析の開始時間(5時間以上) | 可 |
6オーバーナイト透析の可否(日をまたがる透析で6時間透析以上) | 不可 |
7在宅血液透析の可否 | 不可 |
8オフラインHDFの可否 | 可 |
9オンラインHDFの可否 | 可 |
10CAPDの可否 | 可 |
11シャント手術の可否 | 不可 |
12PTAの可否 | 可 |
13障害者自立支援医療機関かどうか | 自立支援医療機関(腎臓のみ) |
3.医療スタッフの状況 | |
1透析に関わる医師数 | 常勤:1人 非常勤:3人 |
2透析医学会会員の医師数 | 1人 |
3透析専門医の人数 | 1人 |
4透析指導医の人数 | 0人 |
5透析技術認定士の人数 | 5人 |
6透析看護認定看護師の人数 | 0人 |
7透析療法指導看護師の人数 | 0人 |
8血液浄化専門臨床工学技士の人数 | 0人 |
9管理栄養士の有無 | 常勤:1人 非常勤:1人 |
4.組織体制の状況 | |
1医療安全委員会の有無(災害、感染対策を含む) | 有り |
2事故報告体制の有無 | 有り |
II.患者の状況 | ※2014年4月 |
1外来HDの患者数 | 87 人 |
2外来PDの患者数 | 1人 |
III.治療指標(外来HD患者対象) | ※2014年3月-4月 |
1腎性貧血管理(Hb 10.0/dl以上) | 84.5% |
2P管理(P 6.0mg/dl以下) | 81.9% |
3PTH管理(whole PTH150pg/ml以下) | 84.3% |
4透析時間(4時間以上) | 100.0% |
5透析時間(5時間以上) | 69.9% |
6透析量(Kt/v 1.2以上) | 100.0% |
緊急離脱訓練
火曜日に緊急離脱訓練を行いました。
まずは、透析室長が参加スタッフに訓練での役割を指示
院長が訓練開始を宣言(院長の役割はこれだけ)
患者さんに協力して頂き訓練を行いました。
数名の患者さんの透析ラインを切断して逃げる訓練を行いました。
また、スタッフの一部も患者さん役となり訓練に参加しました。
我々の認識では東日本大震災レベルの災害では、当院2階の透析室では回収はもちろん、全員の抜針も難しく、今後再度発生した場合には緊急切断を行うしか無いと考えています。
今回の訓練は、回収及び抜針が出来ない状況を想定した緊急離脱切断訓練でした。
1年くらい訓練をやっていなかったことと、初めてのスタッフが行ったので、切断部位が鉗子に近すぎたり、患者さん側のラインに十分な余裕が無かったりしていました。院長からは、切断部位までのラインを更に長く取り、患者さん側の鉗子は2カ所でかけるようになどの指示をしました。
出来れば回収して避難が一番だと思います。
震災1ヵ月後の最大余震時には何とか回収して避難する事が出来ました。
本震の時は、回収セットがサイドテーブルから落ちてしまい、一部の方にしか抜針ができませんでした。
鉗子自体も床に落ちて散らばってしまった状況で、まずは鉗子を拾い集めることから離脱が始まりました。
電気が切れ、壁紙が裂け、天井のエアコンの蓋が落下し、冷蔵庫や本棚が転倒した状況でした。
カーテンは閉め切っており薄暗く、壁紙が裂けたためホコリが舞っており、スタッフも患者さんも建物が倒壊する危険を感じていましした。
次回も同じ揺れがきたら切断による緊急離脱しか考えられないとその当時を経験したスタッフと僕は断言します。
パニックになったのですねと言われますが、いかに早く安全な場所に避難するためにどうするか、それだけを考えての行動でした。
その為に最も早い手段が切断による離脱だと考えております。
現在、緊急離脱で切断はやってはいけないとう考えが主流となっていますが、我々はRO装置が根元からちぎれると言う状況を経験してこのような考えに至っています。
皆で記念撮影
ねふろんの取材で撮影してもらった皆の写真です。
良い感じで撮れています。
みんな、しっかり透析の仲間です。
よろしくお願いいたします。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。