2011.03.17
診療
仕事 / 職場
生活 / くらし

毎日の変化が大きいです。

昨日は、朝からガソリン探しと原発事故におびえた1日でした。

震災後、通常60名の透析患者さんに対し、120名を収容して透析を行ってきました。
職員はオーバーワークになっています。
他施設から来て透析を受けている方が一部別の施設に移られ、やっと昨日から夜間透析をしなくても良くなり、ほっとしています。

現在、一番の問題は、ガソリンがないことです。
震災後、ガソリンスタンドには長蛇の列が出来ていましたが、終日仕事をしているスタッフが行く時間は有りません。
遠方のスタッフほど通院が困難になり、昨日までに3名のスタッフが院内に寝泊まりしています。

そこで、これまで使用してきた患者送迎車を使って朝夕のスタッフの送迎を行うことを考えました。
昨日は、朝から給油してくれるガソリンスタンドを探す事から始めました。
ガソリンスタンドに問い合わせたところ、給油を行っているのは緊急車両だけだと言われました。
郡山市、福島県の災害本部にこの実情を話し、当院の患者送迎車を緊急車両に指定して欲しいとお願いしました。

ただ、緊急車両は高速を使って物資を被災地に運ぶ車両であり、それ以外が認められないと言われました。
警察署にも何度も電話し、一度はOKと言われましたが、警察署に申請を申し込みに行ったところ、やはり駄目だと言われてしまいまいた。

これだけの事をするのに昨日は1日かかり、とても疲れました。
夕方になり、医療関係者にも給油してくれるガソリンスタンドが見つかり、一部の職員が給油してもらえました。

職員が給油できたことですごく元気になりました。
何でこんな事に1日かかるのかと思いつつ、被災地ってそんなものかなと考える次第です。
食料品も買い出しに行くことが出来ません。
日中、スーパーとかは営業していますが、朝から晩まで働いているスタッフが行ける時間がありません。
郡山は、ガソリンに比べ食料品の供給は良いですが、日中ずっと仕事をしているスタッフは購入できないのです。

また、原発事故により郡山からも避難する人たちが増えてきています。
皆とても不安がっています。

昨日の午後、南相馬の泌尿器科医の先生から電話がかかってきました。
『透析患者を引き取って欲しい』と。
現在、当院では新規の患者様は断っている状態です。
その先生にその事を伝えましたが、何とか引き受けて欲しいと言われました。

南相馬は現在室内退避になっている場所です。
『先生、そこは逃げなくてはいけない場所じゃないの?』
と、聞いたところ、
『もう少しで全員の行き先が決まりますので、そうしたら逃げます。』
と言われ、涙が出て引き受ける事としました。

ちなみに、僕は退避命令が出たら患者さんに申し訳ないですが、僕の家族やスタッフと共に真っ先に逃げます。
それは宣言します。

 

2011.03.15
診療
仕事 / 職場

今の現状を知って欲しい

これまでの状況と要望を書きます。

当院は、30床のベットで約60名の透析患者です。
金曜日の被災後、変電器が故障しましたが、現在のところ復旧しました。
幸運なことに他には透析できなくなるような損害はなく、水道、電気も通っており、透析可能となっています。
近隣の施設で透析困難な施設からの患者様や被災して逃げてきた患者さまを引き受け、現在120名が当院で透析しています。

変電器は一時的な修理で、大きな余震がくれば透析ができなくなる恐れがありますが、今のところ大丈夫で、徐々に余震も沈静化していますので昨日までは安心していました。

しかし、本日原発の避難範囲が広がり、スタッフは浮き足立っています。余震も続いていて、精神的にかなりつらい状態です。
これは、他の施設でも同様です。

周囲の外来クリニックは診察を中止ししています。
聞いた話では、すでに他府県に移動した方もいるようです。

現在、原発周辺から逃げてきた3名の方たちの透析を行っていますが、本日ご家族から相談がありました。
ガソリンがなくなって来られないので、透析回数を減らしてほしいとの事でした。
とても切実な事です。
現在、少なくとも4時間行うべき透析を3時間で我慢していただいています。
それを2回にしてほしいというのです。

また、遠方のスタッフは通院できないので2名ほどクリニックに泊まり込んでいます。
皆、ガソリンがなく、同伴で出勤しています。

昨日、あるガソリンスタンドで工事関係の方だけに給油を行っていました。
我々医療関係にもガソリンを分けてください。

そして、原発から逃げて避難所に居る3名の方や郡山市内の避難所で生活しながら透析を受けている方が県外に脱出できる手配をしてください。

正直きついですが、スタッフと一緒に頑張っています。

2011.03.13
診療
開業 / 病院経営

3月14日(月)以降の診療体制について

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、一時透析診療が困難になりましたが、現時点では可能となっています。
 現在、避難された方や透析出来ない施設の方の臨時透析を行っています。

そのため、泌尿器科診療は十分な対応が出来ません。
 診療は、10時から12時までで、再診の方のみとし、診察・投薬のみを行います。
さらに、今後の流通が復活するまでは投薬日数に制限をかける場合もございます。

 患者様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご了承ください。

2011.03.13
診療
開業 / 病院経営
仕事 / 職場
生活 / くらし

今後の診療について

昨日、屋上に有る電源の応急処置を行い、なんとか本日透析を行える状態になりました。
ただ、電源の状態は不安定で、今後大きな余震が有った場合には再び使えなくなる可能性も有ります。

昨日より断水は解消されましたが、まだ給水制限があり十分な透析用水の確保が出来ません。
現時点で出来ることは、電源を使用するに際し、出来るだけ負荷をかけないようにすることです。

本日は、火木土の当院の患者さんと、まだ透析が復旧できていない施設の透析患者さんの行います。

上記の様な状態です。
当院は、長時間透析・高透析量透析を目指していますが、当分の間は必要最小限の透析しか行えません。

被災地にある多くの透析施設が、何らかの不具合が生じていたり、他施設の患者さんの透析を行うために通常より多くの患者さんの透析を行わなければならない状態で、十分な透析を提供できる状態にありません。

そこで、透析者の皆様にお願いです。
今後、当分の間はぎりぎりの透析時間、透析液量で透析を行わなければなりません。
通常の状態より塩分・飲水量の制限、カリウムの制限をしっかりさせてください。
今後、大きな余震が起こった場合には、数日間透析が行えなくなる可能性が有ります。
その時の為に、慎重に生活を送ってください。
お願いいたします。

2011.03.12
診療
仕事 / 職場
生活 / くらし

東北地方太平洋沖地震の影響

昨日、東北地方太平洋沖地震が発生しました。
当院でも、透析治療を行っている最中での地震でしたので、患者さん達の緊急離脱、そして施設外への誘導などとても緊迫した状態が続きました。

ただ、地震の影響はその時だけでなく、1トンもある逆ろ過装置が動いてしまい、壁には多数の裂け目、大量のカルテや物品の散乱などが生じました。
当初は気づかなかったのですが、屋上ではガス供給装置が倒れ、ガス管が破裂し、200Vの電源が動いてラインが切れていました。

今回のような大震災を経験することが初めてだったため、昨日は透析設備メーカーの東レメディカル社と連絡を取ること、周囲の情報を集め透析できない場合の対応を取ることを最優先としました。
しかし、本来は、電気・水道がきちんと使用できるかがもっとも大切であり、その確認が本日となってしまったことは対応が悪かったかもしれません。

水道は特に異常なかったですが、電気は上記のような事があり、電気修理業者の方に応急処置をしてもらい、なんとか明日から透析が出来るようになりました。

いくつかの医療機関の先生方は、当院で透析診療が行えない可能性があると話したところ、快く対応するとお返事してくれました。
その後、電気が通り透析が行える事となりましたので、知り合いのクリニックの患者さん達の透析を引き受ける事としました。

今回、一生に一度有るかの経験をしたと思いますが、いくつかの教訓もありました。
メーカーと連絡をとり指示をもらうことも大切ですが、先ず透析に必要な水と電気が使えるかを確認する事も行わなければならないこと、そして、周囲の先生方が当院の患者さん達を快く引き受けてくれると仰ってくれたことが印象的でした。

当院の建物、医療機器は、かなり大きなダメージを受けてしました。
スタッフとともに前向きに頑張っていきたいと思います。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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