2011.09.25
診療
研究

透析クリニックが被災して 終わり

特集 『透析クリニックが被災して』 を20回に分けて記事としました。
このほかにも原発事故後の対応についてなどもスライドとして作成しましたが、あまりにも長くなってしまい、間も空いてしまいましたので、今回のシリーズは一度終了といたします。

先日、某メーカーさんの勉強会で、この『透析クリニックが被災して』のスライドを披露させていただきました。
1時間くらいの話となりましたが、おおむね好評だったのではと考えています。

今回、震災時の状況、緊急離脱について、震災の対策とその検証、震災後に必要なインフラについて、透析クリニックの視点からまとめてみました。

最初は、これほどの経験をしたのだから、今後の事も考えて形に残しておかないと行けないと思いスライドを作りました。
でも、沢山の応援を頂いて、是非皆さんに今回の被災に際しどの様に対応したかを示すことで恩返しをしなくてはと思い、ブログで紹介いたしました。

もし、ご希望の方がいらっしゃいましたら、あまりあまり遠くで無ければこのスライドを使ってお話に伺います。
希望される方がいらっしゃいましたら、クリニックホームページの問い合わせにでも書き込んで下さい。

 

2011.09.23
診療
仕事 / 職場

『放射線で』医師不足拍車

9月17日の東京新聞の記事です。

北茨城市の北茨城市立総合病院で、原発事故による放射線の恐怖のため、常勤医が5名減ってしまった事を記事にしています。

震災前に16人いた常勤医が11人になってしまったそうです。

放射線量が0.15マイクロシーベルトの北茨城市でこれですから、郡山や福島の医師が減っていることが騒がれないのが不思議でなりません。

東京新聞は原発に対してかなり批判的な記事を書いていますので、このような記事が一面トップになるのでしょうが、あまり批判的な事を書かない他の新聞は重要視していないのかもしれません。

でも、福島県の医師不足が深刻化することは間違いないことですし、対策をしなければ取り返しが付かなくなります。

この記事で、豊田市長という人が「放射線が怖くて逃げるとしたら、医師としての資質以前の問題」と言っていますが、それは本末転倒です。
逃げる逃げないは個人の考えであって、逃げない状況を作る事が行政の仕事です。
現状では、医師が逃げなくなる対策を取っているとは思えません。
自分のやる事をやってから発言して欲しいものです。

記事の最後に、福島県では45名の医師が減ったと書かれています。
今後もどんどん減っていく可能性が有ります。

県や国は早急に対策を取って欲しいです。

2011.09.23
診療
開業 / 病院経営

本日休日当番医です。

本日9月23日(金)は秋分の日です。
援腎会すずきクリニックは休日当番医(外科担当)となっています。

透析診療も通常通り行っています。

2011.09.20
診療
研究
仕事 / 職場

放射線医療5施設新設へ 福島医大に健康管理センター330床など

http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4147&mode=0&classId=0&blockId=9889934&newsMode=article

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山下教授は、現在の放射線量は問題無く安全であるとおっしゃっていました。
ただ、多くの方が被曝したので、被曝した人達を長期間フォローする放射線被曝に関するセンターは必要と話していました。

長期間多くの方をフォローするためだけなら、330床もある放射線医学県民健康管理センターなんていらないですよね。

PETやサイクロトロン、超高解像度のCTスキャンなど、高額な医療機械を備えた箱物です。
がん治療の薬剤開発を進める創薬・治験センターですか。

その為に必要な医者は少なくとも数十人規模だそうです。

現在、郡山でも徐々に医師が減ってきていることは、少し前にブログに書きました。
医学講座が出来るのですから、教授選もあり、他府県から優秀な先生方が来るでしょうが、県内からもこの330床の最新設備の施設で働きたい若い医師が大勢でてくるでしょう。
多くの医師が集まっていくでしょう。

現状でも、郡山では病院で働く若い医師が減ってきています。
若い医師が減ると一番問題となるのは救急医療です。
現状でも医師が減って医療が崩壊しつつある地域がたくさんあります。

なんで、医者が減っていって困っている福島県で、多くの若い医者が働く施設を作ろうとするのかよく分からないです。

最先端の治療・診断を受けられる態勢を作っても、地域医療が崩壊していたら、『日本一健康に生きられる地域』になるとはとうてい思えないのですが、いかがでしょうか。

 

2011.09.17
診療
生活 / くらし
その他(一般)

放射線被曝に関する講演会

先日、放射線被曝に関する講演会が行われ行ってきました。

最近、話が極端なんですよね。
危ないと訴える先生と、大丈夫と訴える先生。
今回は、大丈夫という先生でした。

大丈夫という先生の話で必ず出てくるのが100ミリシーベルト
これ以下では癌の発生率が増えたという報告はないと言う話です。
だから、20ミリシーベルトくらいまでは全く問題無いよと言います。

でも、これだけ情報が氾濫してきていますので、20ミリシーベルトでも多くの方が心配だと考えています。

 

ですから、このぐらいまでは大丈夫と言うより、各自がどのくらいまでなら許容出来るのかを聞いて、実際にどのくらいの放射線を浴びているのかを知らせる方がいいと思います。

皆さん、どのくらいまでなら許容出来ますか。
10ミリシーベルトですか。
5ミリシーベルトでしょうか。
1ミリシーベルトや2ミリシーベルトなら、郡山は厳しいでしょうね。
だから、避難している方もたくさんいるのだと思います。

 

3月にたくさん降り注いでいます。
僕のガラスバッチの積算量は、3月から7月までで1.5ミリシーベルトくらいです。
現在、僕のガラスバッチによると1ヶ月の積算量が0.2ミリシーベルトくらいですので、残りの7ヶ月と合わせると3ミリシーベルトくらいになってしまいます。

ただ、震災前の1ヶ月の積算量が0.15ミリシーベルトくらいあるので、現在の月当たりの被ばく量は0.05ミリシーベルトくらいだと言うこともわかっています。

 

現在皆さんがどのくらい浴びたらいやだと考えている放射線量である5ミリシーベルトとか1ミリシーベルトとかの数値は、自然放射線量を含めた現在被ばくしている放射線量なのでしょうか。それとも今回降り注いだ放射線によるものでしょうか。

自然放射線量は、東北電力のホームページを見ると福島県で年間1.04ミリシーベルトくらいのようです。
当院で計っている数値はもう少し多い様ですが、どちらにしても無視出来ない量です。

http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/shiryo/wastes/11.html

 

3月の原発事故から1年間で自然放射線も含めて5ミリシーベルト未満に抑えたいと思ったら、後は内部被曝がどのくらい有るかという事になります。

 

今回の講演で参考になったのは、セシウム137 のベクレル数をシーベルトに換算する為には、 1.3×10-8をかけるといいと言う事です。

1kg当たり500ベクレルの食物を500gの摂取した場合の内部被曝料は、3.25 マイクロシーベルトとなります。

http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php?guid=ON

 

標準的な成人の1日の食物の摂取量は、
飲み物で、
飲料水1・65リットル  
牛乳・乳製品200グラムとなり、約2リットル

食べ物は、
野菜類600グラム
穀類300グラム
肉・卵・魚・その他が500グラムで合計1400g

飲料水に含まれるセシウム137が1kg当たり10ベクレル
食べ物に含まれるセシウム137が1kg当たり50ベクレル
と仮定すると

経口摂取の場合の実効線量係数(Sv/Bq)は、セシウム137 は 1.3×10^-8ですので、

1日当たりの飲料水の放射線量は、0.26 μSvで、食べ物の放射線量が0.91 μSvとなり、合わせると1日の内部被ばく量が1.17μSvとなります。

 

そうすると、1年の内部被ばく量は計算上 0.4mSvとなりました。

それほど怖がる数値ではない気がします。
これを見て間違っていましたら教えてください。
僕は基本的に素人ですから、よろしくお願いいたします。

 

それから、勘違いされては困るので書きますが、だから安心だなんて思っていません。

我が家の回りの放射線量は1−2マイクロシーベルトくらいです。
周囲には室内でも1マイクロシーベルトくらいのお宅もあります。

子供が一日外で遊んでいたらすぐに積算量は多くなってしまいます。
外で遊びたいのに遊べないのが福島です。

 

このような状況ですから、内部被曝が少なければ少ない方が良いと考えるのは当たり前です。

だから、放射線が多く含まれている可能性が高い福島の食材を給食に使う事は大反対です。

少なければ少ない方が良いのです。
でも、どこかで妥協しないと福島県では生きていけなくなります。

我々は、元々無かったものが飛んできて迷惑しています。
我慢して生活しているのでなるべく早く除染して欲しいです。

 

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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