4月19日(木) 休診のお知らせ
平成24年4月19日(木)は、院長が学会参加のため、泌尿器科の診療を臨時休診いたします。
透析は代診をお願いしてありますので、通常通り行われます。
ご了承のほど宜しくお願いいたします
[医療解説] 腎臓リハビリ… 透析中に運動、体調維持
読売新聞の医療サイトに当院でも以前から取り組んでいる腎臓リハの話題が載っていました。
このブログの記事は、
http://blog.m3.com/ennjinnkai/20080730/1
をご覧ください。
新聞の内容は、
レストレスレッグス症候群(RLS)への試み5
RLSスコアの経時的変化です。
3ヶ月後入院中だった1名を除く、8名での集計結果です。
開始時、平均22.1だったスコアは、1ヶ月後15.5、3ヶ月後6.6と
有意差を持って低下していきました。
このうち、2名は3ヶ月後にスコア0と、症状消失しました。
レストレスレッグス症候群は、身体末端の不快感や痛みによって特徴づけられた慢性的な病態であり、発生頻度は透析患者の20~40%にも達するといわれています。
当院におけるRLS患者は9名(全体の13%)でした。
これらの方に、補液量を調節し、Alb漏出量を3.5g程度に抑えながら、α1MG除去率を30%程度にあげることで、レストレスレッグ症候群の症状は軽減・消失しました。
このことから、アルブミン領域にもおよぶ大分子量物質の除去効率が、腎不全で蓄積する物質から起こるRLS治療に深く関与していると考えられました。
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以上で今回のシリーズは終了です。
コメントお待ちしています。
レストレスレッグス症候群(RLS)への試み4
Ⅴ型のAPS-21Eと、Ⅳ型のFDY-210GWのα1マイクログロブリン除去率の結果です。
APSでは変更前9.1%だった除去率が変更後28.6%に、
FDYでは変更前8.4%だった除去率が変更後32.1%に、
除去率はどちらも有意に上昇しました。
どちらの膜も30%程度の除去率を達成することが出来ました。
α1マイクログロブリンは、アルブミンに比べると小さいですが、かなり大きな物質です。
このクラスの物質を除去しようとすると、アルブミンも除去してしまい低蛋白になる可能性が有ります。
そのため、透析廃液にどのくらいのアルブミンが漏出しているかを1名の方で検証したところ、APSが3.7g、FDYが3.5gと、1回の透析で除去されるアルブミン量は4g未満となっていました。
このスライドは、アルブミンの漏出量が1名でしか検証できなかったため、9名の血中アルブミン濃度、および栄養指標であるGNRIの経過をグラフとしました。
膜変更後、Alb3.5未満、GNRI100未満まで悪化した場合は
今回の検証を中止することも考慮していましたが、そのような方はいらっしゃらなく、明らかな栄養状態の悪化は見られませんでした。
レストレスレッグス症候群(RLS)への試み3
目的のスライドです。
当院では無愁訴透析を目指しています。
当院でレストレスレッグ症候群の症状がある患者さんを対象に、蛋白漏出型ダイアライザーを用いた前希釈オンラインHDFを行うことで、症状の軽減を試みました。
対象とした患者さんです。
平均年齢は63歳で、当院の患者さんの平均よりはやや年齢は若いと思います。
また、当院自体が歴史の浅い施設ですので、透析歴も比較的短い方々となっています。
方法、そして変更した透析条件です。
9名の方の透析条件を変更しました。
透析時間は変更していません。導入してからの時間経過が短く、血流を上げていた患者さんもいたため、血流は条件変更で上昇しています。
変更前のダイアライザーはⅣ型の膜を中心に使用していましたが、蛋白漏出型ダイアライザーとしては、Ⅴ型のAPS-21Eと、Ⅳ型のFDY-210GWを使用しました。
膜面積の変更は行いませんでした。
補液量は、APSで12[L/h]、FDYは8[L/h]としました。
補液量を変えた理由は、FDYの場合、補液量を12[L/h]とすると、
Alb漏出量が廃液中に7.3gにもなった為、長期に使用すると低蛋白となる可能性が考えられ、8[L/h]まで落としました。
8[L/h]のときのAlb漏出量は3.5gでした。
透析患者さんのレストレスレッグ症候群は、α1マイクログロブリンの除去が関係していると言われています。透析膜を変更することで、α1マイクログロブリンの除去率がどのくらい変化したかを先ず観察しました。
そして、同じ条件で、変更1ヶ月後、3ヶ月後に、再度RLSスケール調査を行い、スコアがどの程度変化したかを確認しました。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。