2013.07.02
診療
開業 / 病院経営
仕事 / 職場

個室透析センター準備中

先週末、増築棟の引き渡しがありました。
今週はたくさんの医療機器や物品が搬入されます。

昨日は、20床分のベットが搬入されました。
本日から透析装置が搬入されます。
だんだん形になっていくことを実感いたします。

友人から、NAVERまとめと言うサイトで、

個室・半個室スペースのある透析クリニック

と言う所に載っていたよと言われました。

http://matome.naver.jp/odai/2137205128156444001

かもめ・みなとみらいクリニック (神奈川県)
京都駅前武田透析クリニック (京都府)
森のクリニック (宮崎県)
芦屋坂井瑠実クリニック (兵庫県)
イムス札幌 消化器中央総合病院 (北海道)
横浜第一病院 (神奈川県)
援腎会すずきクリニック (福島県)-個室準備中ー

とのことです。
みなさん、全国的に有名な透析施設と一緒に載せて頂き光栄です。
かもめ・みなとみらいクリニック様、京都駅前武田透析クリニック様、森のクリニック様は以前見学に行かせて頂きました。

森のクリニック様には2回も見学に行かせて頂き、半個室の入口が曲面であるのは、森のクリニック様のブースの形状を参考にさせて頂いたからです。

当院を載せて頂いて大変恐縮ですし、この場を借りて感謝いたします。

2013.06.29
診療
開業 / 病院経営
仕事 / 職場

建物の引き渡しが終わりました。

本日、6月29日土曜日に、個室透析センターは完成し、建築会社から引き渡されました。

外観です。
公園側からパノラマで撮影しました。
既存棟との繋がりが分かるかと思います。

新棟の駐車場から撮影しました。
まだ、看板も窓ガラスの目隠しも何も無い状態です。

個室透析室です。
20床のプライベートルームです。
半個室ですが、臥床すれば他のベットから見られる事はなく、天井も自宅の高さで落ち着いた雰囲気で長時間の透析を受ける事が出来ます。

2階の多目的ホールです。
照明を落とし、100インチのスクリーンに投影しています。
勉強会や会議、それから出来たら運動療法も行いたいと考えております。

夢は膨らみますが、更に大きなものを背負ったなと言うのが実感です。
明日からの診療頑張ります。

2013.06.24
診療
研究
仕事 / 職場

じんラボ

透析学会でじんラボのブースに行って来ました。
代表の宿野部さんと記念撮影をしてきました。
優れた透析を目指して、我々が医療者側から、じんラボが患者さん側からお互い努力していき、透析医療の質を向上させる為頑張っていきたいです。

http://www.jinlab.jp/

2013.06.23
診療
研究
旅行 / 宿
その他(医療関連)

第58回日本透析医学会学術集会・総会全日程終了

金曜日から日曜日にかけて福岡県の博多国際会議場で行われた第58回日本透析医学会学術集会・総会に参加してきました。
今回は、参加するだけでは無く、発表も頑張ろうと言うことで、4つの演題を発表してきました。

直前、演題を出し過ぎてアップアップになっていましたが、何とか発表してこれました。

6月21日金曜日の午後、

演題名:「災害及び救急時に対応したリライトカード」 

で口演の発表をしてきました。

東日本大震災で大きな被害を受けた事に対し、日本透析医会から多額の義援金を頂きました。
その義援金を元に福島県内の希望する施設に災害対策用のリライトカードを配布しました。
その報告の演題でした。

続けて別会場でポスターの発表を2演題してきました。

演題名:「しっかり透析の貧血への効果」 

しっかり透析を行うことで貧血が改善して、包括化されているエリスロポイエチンの使用量が減量出来た事をアピールしてきました。

演題名:「貧血改善効果がESA製剤で異なった一例」 

こちらの演題も自分としては面白い演題だと考えているものでした。
質問はそれほどありませんでしたが、興味深い演題を報告出来たのではと考えています。

6月23日日曜日のもう一つの口演は、とても広い第1会場で行われた口演のなかで最終の演題でした。

演題名:「シャント血流量が心拍出量に及ぼす影響」 

です。最後でしたので、帰られた方も多かったですが、たくさんの質問をしてもらいました。

内容としては、当院で血流360−400ml/分で透析している33名について、高血流によって前負荷が増大して心機能を悪化させるのではないかという透析業界では一般的に思われている考えに対し、心エコーを行い、前負荷を計測することでそのようなことは生じないと言う発表でした。

先ず、血流400ml/分に対して実測値はどのくらいなのかと言う質問が来ました。
15ゲージだと350ml/分くらいの実測であるとお答えしました。

次に、時間を延ばさずに血流を上げる方向なのかと聞かれまして、もちろん時間を延ばすことは大切であり、透析はやればやるほどいいとお答えしました。

3つ目が一番難関の質問で、いくら血流量を上げても透析液流量が低ければ意味が無いのではと言う鋭い指摘でした。
ごもっともですが、現在ある既存施設で出来る条件としては最大の条件で透析を行っており、増築後は今回発表した血流量に見合った十分な透析液流量での透析を提供したいとお答えしました。

そして、循環器科のDrより、心機能が悪い方に対して同様の事を行うとリスクになるのではと言う質問がありました。
今回の発表では、駆出率が50%未満と低い方達についても検討しており、シャント流量の範囲で脱血返血しているので問題とならないとお答えしました。

更に、座長からも質問があり、質問満載でした。
反響があったのを実感しました。

ちなみに今回の学会会場はとても広く、移動に人力タクシーも出ていました。

発表以外でもHDFや長時間透析のセッションも含めしっかり勉強してきました。
学んだことを明日からの診療に役立てたいと思います。

2013.06.17
診療
研究
仕事 / 職場

温故知新Vol8

人工透析を含めた体外循環療に関する製品を販売しているガンブロ社というメーカーがあります。
当院でもAN69膜という透析膜を使用しています。

ガンブロ社よりAN69 膜を使用した臨床研究集が定期的に発行されています。

http://www.gambro.com/en/japan/Products/Hemodialysis/Dialyzers/Crystal-ST-and-H12-plate-dialyzers/AN-69-/

今回、温故知新Vol8に文章を書いて欲しいと依頼がありました。
それで、今回『しっかり透析、時々積層型』
と言う文章を載せて頂きました。

 

現在、週3回4時間、血流200ml/分の治療が標準的な透析として行われている。ただ、これでは明らかに透析不足であり、生きていく為に最低限の治療であって厳しい食事療法や薬物療法が必須となる。

そこで、患者の生命予後を改善させるために①【透析時間を延長させる】②【血流量を増加させる】③【透析液清浄化の上オンラインHDF】を行うなどの方法が取られている。さらに、施設によっては【週4回透析】や【隔日透析】を行っている施設もある。これらは、元仙台社会保険病院の鈴木一之先生(現かわせみクリニック)が出版した『しっかり透析のヒケツ』にも書かれており、私も、透析時間延長、血流量増加、オンラインHDFを『しっかり透析』と名付け頑張っている。

開院当初、転院してきた患者は全て4時間もしくは4時間未満の透析患者ばかりであった。時間延長のメリットを繰り返し説明、説得し、時間延長を促してきた。転院患者のほとんどが高齢新規導入患者であったこともあり、透析時間延長のメリットを快く理解しても貰えることはなかった。4時間から4時間半に延ばしたら、「残りの30分で具合が悪くなる」とか、月曜日に除水量が多いので、透析時間を延ばせば、「月曜日は時間が長いから具合が悪くなる」などと言われてしまう。

何度も説得し、宥め、妥協させ、なんとか現在では全患者の平均透析時間が4.7時間となった。当院では患者送迎も行っているが、送迎の受け入れは5時間以上の患者のみとしており、そのことはHPにも記載している。

以前は、待合室で雑談している患者に声をかけると、後ろから『時間延ばされるぞ!』なんてヤジを飛ばされていたが、現在は5時間透析の患者が多くなり、そんなヤジも少なくなった。

透析時間を延長することで生命予後が改善する事は周知の事実であり、血圧も適正に低下し、栄養状態は改善され、腎性貧血のコントロールも良好となる。

我々は、患者に対し『減塩をしなさい』『水分を控えなさい』『リンに気を付けて』と日々教育している。それは、患者の状態を良くする為に必要なことだからだ。同様に『透析時間を延ばす』ことは、患者が質の高い生活をする為に大切なことである。透析時間は決して4時間とは決まっていないので、是非とも時間延長を患者に勧めて欲しい。

当院は当初から高血流透析を目指してきた。1,2年前までは最大300ml/分だった血流も、15Gや14Gの穿刺針を使用するようになってからは、400 ml/分の患者も増加してきた。このため、透析時間延長と高血流との効果でKt/Vの平均値が2を越えるまでになった。

過去には6時間透析していた患者もいたが、殆どが5時間にもどるか、週4回に移行している。もちろん、透析時間は長いほど良いと考えているが、高血流を行うことで患者が6時間透析のメリットを感じてくれないのかもしれない。

このしっかり透析は高齢患者に対しても同様に行っている。高齢者は活動量が少ないので透析量を下げても・・・と言う意見も聞くが、私は反対である。高齢者でもしっかり透析を行えば食欲が増加し体調が改善する患者もたくさん観てきた。例を挙げれば、80才を越える女性で転院後にドライウエイトが5kgも増加した患者を経験している。

ただ、高齢透析患者の場合、常に注意を促していないと急激に具合が悪くなることがある。特に、栄養状態が悪化する場合が多い。以前は、急激な栄養状態の悪化が見られた場合は、アルブミン漏出量の少ない透析膜に変更したり、栄養状態を保持すると言われているPMMA膜等に変更する事で対応していた。しかし、一度状態が悪くなった患者はすぐには改善しない。最近では栄養状態が悪くなった患者に対してはAN69膜を使用している。AN69膜で何事も起こらない透析を十分に行なってから、徐々に透析膜や条件を元に戻していく方法を取っている。AN69は炎症を下げ栄養を改善する効果があると聞く。炎症が治まらなければ栄養は改善しない。AN69膜は、高齢透析患者の栄養状態を短期間で改善するToolとしてはとても便利な膜なのである。多くの患者がAN69膜に切り替えた後、食欲(栄養状態)も戻り、オンラインHDFや、しっかり透析に戻っていった。

当院でのAN69膜は、“困った時の神頼み”的存在であり、今後もしっかり透析を続けて行く上で、重要な透析膜であると改めて認識している。

 

温故知新Vol8は、第58回日本透析医学会学術集会・総会のガンブロ社のブースで配布されるとのことです。
学会に参加される方は是非ともご覧になってみてください。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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