HEARTこおりやまに記事が載りました。
健康そして福祉を見つめる情報誌HEARTこおりやまの専門医の先生に聞くQ&Aに記事が載りました。
週刊郡山ザ・ウィークリーに続けての掲載となりました。
Q&A
透析が始まってから体中のかゆみがひどいのですが、どうしたらいいでしょうか。
透析を受けられている方では皮膚が乾燥しやすく、そのために痒みが生じますので、保湿剤等で皮膚の乾燥を防ぐことが大切です。ドライウエイトが低すぎる場合にも、皮膚の乾燥が強くなり、痒みの原因になりますので、ご注意ください。
一番大きな原因は、透析不足のために尿毒症物質が蓄積して痒みが生じることです。
原因が透析不足ですから、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬では良くならない場合が多く、出来るだけ清浄化された透析液を用いて、痒みの原因である物質が抜けるような透析を受けることが大切です。
血流量を上げて、透析時間を延ばし、ダイアライザーの膜面積を大きくするなどで十分な透析を行うことや、大量置換血液ろ過透析を受けることが出来れば、多くの方の痒みは改善されます。
さらには、副甲状腺機能亢進症やCa、リンの異常による痒みについても、それらの数値を是正する十分な透析を行うことや、それぞれの病気に対する治療を行うことで改善されます。
それから、透析で使用する薬剤や物品のアレルギーによる痒みもありますので、薬剤を変更してから痒みが出た場合にはスタッフに相談してみてはどうでしょうか。
雑記
かゆいからと言ってこすり過ぎてしまうと、角質が傷つき悪循環となりますので、ご注意ください。
ご紹介いたします。
入院患者様の他院受診抑制について
今年4月に診療報酬の改定が行われました。
医師不足が深刻な救急や産科、 小児科、外科などの分野に診療報酬を増加させたことで話題になったかと思います。
その中で、入院患者様の他の医療機関での受診の取り扱いが変更されたことにかなり問題が有るようです。
問題点としては、
1,入院中の患者様が、他医療機関を受診した場合には、入院した病院の入院基本料が30%減額されます。
2,さらに、受診した他医療機関においても、「医学管理料や投薬、注射及びリハビリテーションに係る費用」が請求できなくなり、処方は受診した1日分しか出せません。
ただし、薬事法上の取扱いにおいて処方を行う医療機関が限定されている医薬品や、専門的な医師の診療の下で処方することが必要な薬剤については、処方可能です。
入院が必要な高齢者では、複数の病気を持つことが多く、綜合病院でない単科病院や、2,3科しか無いような病院では、診療できない病気も出てきます。
さらに、この病気はここの診療所の薬でなければダメなんだという患者さんもいるかと思います。
単科病院では、これまで置いていなかった薬を置かなければならなくなり、その数が多くなれば使わないで捨てる薬も増えて経営を圧迫するようになります。
もちろん入院基本料が30%減額されるのですから、患者さんが希望しても紹介すること自体を我慢してもらう施設も出てくるかもしれません。
そのような場合で、患者さんやご家族が入院している事を言わないで我々のような外来医療機関を受診すると、後日とんでもないことが生じます。
いつものように30日分の投薬を行っても、保険者側から実は入院中だったので、処方1日分以外(30日処方すれば29日分)の薬の代金は出せませんという返事が来てしまい、請求額を返還したり、調剤薬局から出された薬代を補償するような事も起こってくるかもしれません。
このように、今回の改訂は全く理にかなっていません。
このような入院患者様が入院中の医療機関で診療できない専門的な治療が受けられなくなるこのような制限は設けるべきではありません。
この受診制限は4月からすでに始まっており、このまま放置すると大変な問題となってくると思います。
現在、保険医協会でも厚生労働大臣に請願書を出しているようですので、なんとか改善していただけないかと思っております。
土曜日発行の週刊郡山ザ・ウィークリーに記事が載りました。
5月29日土曜日に発行される週刊郡山ザ・ウィークリーの『健康ガイド、あなたの町のホームドクター2010』に記事が載りました。
今回は、透析患者さんが痩せて行ってしまう恐れについて書きました。
透析が始まってから痩せてませんか。
透析治療が始まり徐々に尿が出なくなってくると透析間の体重が増加するようになります。スタッフからそのことを指摘されると、透析間の体重を増やさないために、食事の量を減らしてしまう方がいます。
本来は、食事をしっかり食べて、その分の毒素を十分に抜く『しっかり透析』を受けることが長生きする秘訣です。
しかし、食事量を減らすと、採血結果が良くなり体重増加も少なくなりますので、水分管理が出来ていると判断されます。
でも本当は間違っているのです。長い透析生活は体力勝負ですから、食事量を減らすと痩せてしまい、病気に勝てない身体になります。
体重が増えるのは水分の取りすぎではないのです。本当は、塩分8gを取ると水が1リットル必要になりその分の体重が増えるのです。つまり、塩分をきちんと制限すれば、体重の増加も少なくなるのです。
塩分摂取量をきちんと制限することは、長い透析生活を勝ち抜く秘訣です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
体重が増えると、飲みすぎだと言われ、食事の量を減らしてしまう方がいらっしゃいます。
でも、元気で長生きするためには、食事の量は減らさず、塩分をしっかり制限することで、余計な水分が溜まらない身体にしていくことが大切です。
開院2周年を迎えました。
援腎会すずきクリニックは、一昨年の5月12日に開院してから本日で2周年となりました。
2周年ということで、たくさんの方からお祝いをいただきました。
とても感謝しております。
ありがとうございました。
開院して2年。
開院当初は暗中模索の状態でしたが、徐々に『しっかり透析』と言う目標が固まってきました。
これからも、職員一同、一心不乱に目標に向かって頑張っていくつもりです。
今後ともよろしくお願いいたします。
耐糖能試験OGTTについて
耐糖能試験はどうするかというと、経口ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test, OGTT)を行うことになります。
前日は21時までに夕食をすませていただき、朝は絶食で来院してもらいます。
まず、負荷前の採血を行い、血糖やインスリン値を計ります。
その後、トレーランGと言うブドウ糖の液体75gを飲みます。検査中は安静にしていないと血糖値が上がります。
30分後、1時間後、2時間後の3回の血糖測定を行い検査は終了です。
必要時インスリン値も計ります。
空腹時血糖値が126mg/dl以上または食後2時間が200mg/dl以上なら糖尿病型となります。
空腹時血糖値が110mg/dl未満かつ食後2時間が140mg/dl未満なら正常型です。
どちらにも入らない場合は境界型糖尿病と判定されます。
糖尿病と糖尿病型と有りますので、間違っていたらごめんなさい。
この検査で大切なことは、糖尿病とすでに診断されている患者さんには不要な検査ですが、耐糖能異常が疑われる患者さんにとっては重要な検査であるということです。
この検査ではインスリン値を計りますので、膵臓からのインスリン分泌能やインスリン抵抗性を評価することもできます。
最近では、耐糖能異常の重要性が明確になってきましたので、ベイスンというお薬が耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制と言う適応を取り、食後高血糖の治療も行える様になってきました。
昨年、福島県糖尿病療養指導士の資格を取得しましたが、糖尿病と糖尿病型などの用語の記載で間違っている記載も有るかもしれません。
もしありましたらご指摘ください。
それほど多くはないのですが、時々検診では何も言われないが、検尿で尿糖が出る患者さんがいらっしゃいますので、その時はOGTTの説明をして、希望される方には行う様にしています。
プロフィール
こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。