2013.08.30
診療
研究

CERAの腎性貧血に対する費用対効果2

対象患者55名の透析条件です。
透析方法は、55名中49名がオンラインHDF、HDF1名です。
当院の基本治療はオンラインHDFですが、栄養状態が悪化した患者さんでは積層膜を中心としたHDを行っています。

透析時間は、平均4.7時間、血流量は平均355ml/minでkt/vが2.08のしっかり透析です。

今年になり、CERAの使用割合を10%程度から50%まで増加させています。
その分エポエチンαBSが下がっています。

ここからがポイントです。
CERAの使用割合を増加させたところ、Hbは下がる事無く(若干上がっている印象)ESA製剤の使用量を減らすことが出来ました。
週辺り最大で3509単位から2218単位に減らすことが出来ています。

週辺り2218単位と言いますと、週3回750単位使用で2250単位ですから、かなり使用量が少ないのではと思います。
多いときでも週1回1170単位であり、貧血に対してはしっかり透析の効果が出ていると思います。

元々少ない使用量を更に少なく出来た点は大きいです。

もちろん、包括化されているESA製剤のコストも軽減できました。
最も少ないときで、一人当たり1ヶ月で1万円を下回っていました。

2013.08.30
診療
研究

CERAの腎性貧血に対する費用対効果1

先週末に弘前市で行われていた第40回東北腎不全研究会で発表した

CERAの腎性貧血に対する費用対効果

についてご紹介します。
土曜日の医師セッションで発表しましたが、教育セミナーと看護セッションと同時であったためか、参加者は少なくひっそりとしたセッションでした。
せっかく作成したスライドですので、久しぶりにブログでご紹介いたします。

表題です。

目的です。
当院では、今年になり、ESA製剤でCERA使用量の比率を10%程度から50%まで上げて行きました。
当院ではしっかり透析を行っていますが、しっかり透析を行いながらCERAの使用量を増加させたことで、包括されているESA製剤の使用量及び薬価がどのように変化したか調査しました。

方法ですが、当院で現在通院透析中の70名の患者さんの中で、次のスライドで示す除外基準を満たして、当院に転院してから12ヶ月以上経過している55名の患者さんについて以下の項目を調査しました。

ESA製剤使用割合の変化:CERA使用量の比率を10%程度から50%まで上げた状況について

ESA製剤使用量の変化とHbの変化:Hbを一定に維持しながら、CERAをたくさん使うことでESA製剤使用量が減ったかどうかです。

ESA製剤コストの変化:それに伴うコストの変化です。

高容量使用者の変化:今回高容量使用者の割合について見てみました。

鉄剤使用量の変化:貧血治療には欠かせない鉄剤の使用量について検討しました。

Hbサイクリングの変化:そして半年ごとのHbサイクリングの変化についてです。

HbサイクリングはEbbenらの6分類を使用しました。

除外基準です。
基本的には、Hbサイクリングに影響するであろう造血機能以外の因子を除外しているのだと思います。

Ebbenらの6分類ですが、先ず Hb 濃度の目標値を設定します。
目標値は、10≦Hb≦12 g/dLとしている文献が多いようです。
今回の観察期間は6ヵ月としました。

観察期間中のHb 濃度が
目標値より低値で推移した症例を Low
目標値より高値で推移した症例を High
目標範囲内に安定していた症例を Target
目標値と低値の間を推移した症例を LAL
目標値との間を推移した症例を LAH
低値から高値にわ たって変動した症例 HA
と言う6 群に分ける分類方法です。

詳しくは以下の論文を参考にしてください。

http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=JJCD&vol=24&no=13&d1=8&d2=0&d3=0

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/43/6/43_6_507/_pdf

2013.08.25
診療
研究
その他(医療関連)

第40回東北腎不全研究会

土曜日・日曜日と弘前市で行われていた第40回東北腎不全研究会に参加してきました。
今回も下記2つの演題を発表してきました。

CERAの腎性貧血に対する費用対効果

進行した透析アミロイドーシスに対する治療経験

 

機会が有りましたら、ご紹介したいと思います。
それで、日曜日にはオンラインHDFについてのランチョンセミナーがありました。
演者は、オンラインHDFの第一人者と言えるあかね会土谷病院の川西秀樹先生でした。

川西先生の御講演が聞けるなんて、これだけでも今回の研究会に参加した意義があると思いました。

講演は、オンラインHDFについて様々な観点からとても興味深い内容でした。
その中も凄いと思ったのは、オンラインHDFの生存率についての部分です。

スペインのある地方の患者さん906名を対象に行った前向き研究の結果です。

High-Efficiency Postdilution Online Hemodiafiltration Reduces All-Cause Mortality in Hemodialysis Patients

http://www.medpagetoday.com/upload/2013/2/16/ASN.2012080875.full.pdf

906人の血液透析を受けている方を対象に、従来通りの透析を行った450人と、高効率の後希釈オンラインHDFに切り替えた456人との多施設で共同の非盲検ランダム化比較試験です。
通常の透析も、日本で一般的に行われているハイパフォーマンスメンブレムを使った透析であり、決して透析の質が悪い訳ではありません。

それで、結果からは通常の透析を行った群に比べ、オンラインHDFを行った群では、死亡リスクが30%低下したと言うのです。
しかも、心血管疾患では33%の死亡リスクが低下し、感染症関連では55%の死亡リスクが低下したと書かれています。
通常の透析に比べ死亡リスクは30%低下すると言うのはとても凄い事だと思います。
当院は標準透析がオンラインHDFですから、この様なオンラインHDFの優位性の論文は心強いです。

ここまでは、僕も知っていましたし、実際のこの論文は読んでいます。
川西先生が仰っていたのは、このHDの生存率のグラフが現在の日本透析学会の生存率の変化とほぼ一致すると言うのです。

オンラインHDFにきちんとした保険点数が付いて、昨年からオンラインHDFを行う施設が急増しています。
そのため、日本の通常透析を受けている方の多くがオンラインHDFに移行したら、このグラフのオンラインHDFの生存率と同じように、世界で最も優れた成績である日本の透析者生存率が更に30%上昇するのではないかと言うのです。

とても夢の有る話です。
やはり、我々の様な凡人とは視点が違うとも思いました。

ただ、日本で行われている一般的な透析の場合は血流量が低いので、高血流で行われている海外の成績がそのまま当てはまるかどうかは分かりません。
それは、オンラインHDFの効力は高血流で発揮されるからです。
血流量を上げることは全くコストがかからないことです。高血流だから心臓が悪くなると言うのは迷信です。少なくとも300ml/min程度の血流でしたら血圧が下がることもないでしょう。
このブログを見てくれた透析従事者の方は是非とも血流を上げて欲しいです。

生存率ですが、30%は無理かもしれないですが、20%くらい生存率が上がったら、それだけでも素晴らしいですね。

当院でも引き続きオンラインHDFと高血流、長時間のしっかり透析で頑張って行きたいと思います。

2013.08.19
診療
研究
仕事 / 職場

トキシノメーター購入しました。

当院にある透析装置(コンソール)は、一部のボトル式HDF対応コンソール以外の全てがオンラインHDF対応です。
オンラインHDFを行っていく上で、透析液はオンライン補充液でなくてはいけません。

2011年度JSDT「エンドトキシン捕捉フィルタ(ETRF)管理基準」によると
オンライン補充液の定義は

生菌数 10-6CFU/mL 未満
ET 0.001EU/mL 未満(測定感度未満)
とあります。

しかし、生菌数:10-6CFU/mLの測定は不可能であり,最終フィルタ直前の透析液は超純粋透析
液基準を担保するとなっています。

超純粋透析液(ultra-pure dialysis fluid)は、

生菌数 0.1CFU/mL 未満
ET 0.001EU/mL 未満(測定感度未満)
となっています。

CFU/mL という単位は、1 mLの試料に何個のコロニーを作る細胞が含まれているかを示す単位であり、通常の透析用水の細菌数の基準が100CFU/mL 未満ですので、その1/1000と言う値です。
そして、基準としているエンドトキシン濃度は測定感度未満です。

当院では、東レ・メディカル社製「トータルクリーン化システム」を採用しています。これはRO水(逆濾過水)を循環させることで停滞水を無くし、接続部や屈曲部の削減することで、きれいな水をスムーズに送ることが可能になるシステムです。さらに透析終了後、各装置とRO水ラインに極めて濃度の低い薬液を封入することにより配管内をクリーンに保ち、安全かつ安定した水や透析液を供給しています。

しかし、作成した透析液も各コンソールに運ばれる間に汚染される可能性が有ります。
一般的には、コンソールに入る直前でエンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)と言うフィルターを通ることで、再度安全な透析液となります。

でも、本当に清浄化された超純粋透析液となっているか、確認する必要が有ります。
それで、私達は、作成した透析液の状態を確認するための指標として"エンドトキシン"という物質の残留濃度を測定します。

最近では、透析液水質確保加算という点数が請求出来る様になり、エンドトキシンを測定する施設が増えてきました。
ただ、一部のコンソールで測ればいいので、検査を外注検査としている施設が多いようです。

当院では、開院当初から透析液清浄化に力を入れていましたので、トキシノメーターミニという自施設でエンドトキシンを測定出来る装置を購入して測定をしていました。

こちらは4つの検体を同時に測定可能です。

今回、個室透析センターを増築したことも有り、更に多くの部位で検査する必要が出てきました。
オンライン補充液を管理していくためには、システム安定後も毎月全ての末端透析装置で補充液の検査をしなくてはなりません。

それで、今回16検体を同時に検査出来るトキシノメーターを購入しました。

こちらがトキシノメーターです。
現在は、個室透析センター2階の検査室にあります。

測定した結果は専用のパソコンで処理されます。

今までは、1回90分の測定で4検体しか出来ず、臨床工学技士が測定するのに一日がかりの仕事でしたが、今後は測定がスムースになるそうです。
院長としては、かなり大きな出費となりましたが、いい透析を行う為には大切な事だと考えております。

2013.08.14
診療
開業 / 病院経営
仕事 / 職場

おはようございます。

今日からクリニックの外来診療はお盆休みとなります。
透析診療は通常通り行われます。

僕はいつもと同じ出勤ですが、いつもと違ってまったりしています。
今日は一日院長室の片付けと8月24日に青森で行われる第40回東北腎不全研究会で発表する2演題のスライド作りをしています。

まったりしていると、何も出来なく終わってしまいそうです。
今日も一日頑張ります。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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