2008.08.27
診療
仕事 / 職場

頸動脈エコーについて

透析患者さんの動脈硬化について、先日の東北腎不全研究会でちょっと話がありましたので、ちょっと書いて見たいと思います。

まず、簡便に動脈硬化が分かる検査として、頸動脈エコーがありますので、この検査についてお話しします。

頸動脈エコーは、首に超音波の機械を当てるだけの検査ですので、患者さんに負担はかかりません。だいたい20分くらいで終わります。

これを行うと脳に行く動脈のつまりや動脈硬化の程度が詳しく分かります。血管の硬さや厚みは0.1ミリ単位で測定できます。
頸動脈の動脈硬化が進行すると、血管が徐々に狭くなっていき、詰まってしまうこともありますので、危険のある方にはしっかり見ていく必要があります。

この検査では、脳梗塞になるリスクを調べるだけでなく、全身の動脈硬化がどのくらい進行しているのかを評価することも出来ます。
また、検査結果を比較することで、高血圧や高脂血症などの治療が上手くいっているかの指標にもなります。いわゆる治療の効果判定にも使えるのです。

当院でも、専門の超音波技師が居りますので、透析患者さんには定期的に行っており、内科で来院された患者さんで、必要な方に行っています。

動脈硬化の進行した患者さんに頸動脈エコーを行うと、動脈の壁が厚くなっている方がたくさんいらっしゃいます。
その厚くなった動脈壁の中でも、脳梗塞を起こすリスクが高いものは、厚くなった動脈の壁が柔らかく、しかも壁に潰瘍等が出来ているものです。
この潰瘍が進んでいくと、壁がはがれ出していき、血液と共に流れていくと脳梗塞を起こすのです。

それに対し透析患者さんでは、腎不全という病態により、カルシウム・リン代謝の異常が起こり、異所性石灰化が大きな問題となります。

この異所性石灰化は身体のいろいろなところに起こりますが、動脈の石灰化もその一つです。
動脈が石灰化していくと動脈はどんどん硬い動脈となっていきます。
長期透析患者さんや糖尿病性腎症による透析患者さんでは、この傾向が強いと言われています。

それで、やっと前置きが終わりました。
続きは明日といたします。

2008.08.22
診療
開業 / 病院経営
仕事 / 職場

月刊新医療

最近、急に涼しくなってきております。
体調を崩さないように気をつけなくてはいけませんね。

以前、画像診断機器や、電子カルテ、PACSなどの専門雑誌『月刊新医療』から取材を受けた事を記事にしましたが、とうとう9月号に載りまして、雑誌が出版社より送られてきました。

取材後、ゲラというのでしょうか、構成してくださいという添付文書がメールにて送られてきたのですが、フルカラーで3ページにびっくりしました。

実際には、厚い雑誌の真ん中あたりにフルカラーで3ページもの紹介がありました。

見せた人に、福島県と書いてあるのがいいですねと言われました。
クリニックの写真も出ています。
『鈴木一裕氏に聞く』なんて書かれていて大げさです。

自分の姿が、こんな全国紙に紹介されてかなり恥ずかしいのですが、実家の両親もブログを見ていますので、載せさせていただきます。

気持ちとしては、「お父さん、やりました。」
と言う感じでしょうか。

せっかくこれだけ紹介していただけるのですから、本業の方も頑張っていかないといけませんね。
これからも、いい診療が出来るよう頑張っていきたいです。

2008.08.12
診療
開業 / 病院経営
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透析液清浄化

日本臨床工学技士会の出している透析液清浄化ガイドラインには、

透析用水生物学的汚染管理基準
ET活性値:50 EU/L未満 目標値 1 EU/L未満
生菌数:100 CFU/mL未満 目標値 10 CFU/mL未満
測定頻度:月1回以上測定
とあります。

当院でも、月に一回エンドトキシンと細菌の培養検査を行っています。

ET活性値:0.4 EU/L未満
生菌数:0.1 CFU/mL未満

でした。

結果をホームページの新着情報に毎月載せることとしました。

更新する事項がなくて、どうしようかと考えていましたので、載せてみます。
他にもいろいろ載せることを考えてみます。

 

2008.08.12
診療
仕事 / 職場

MIA症候群

たまに、まじめな話。
MIA症候群をご存じですか。

Malnutrition〜栄養障害
Inflammation〜慢性炎症状態
Atherosclerosis〜動脈硬化
この3つの英語の頭文字をとって、MIA症候群と言います。

透析液を常にきれいな状態にしていないと、ダイアライザーを介して、エンドトキシンなどの外因性発熱物質が身体の中に入り込み、対抗するマクロファージがサイトカインを放出して炎症を身体の中に起こします。
炎症が慢性化すると、食欲を低下させ、低栄養になり、動脈硬化や心血管系の合併症を引き起こすと言われています。

だから、透析液は常にきれいでなければいけません。
しかも、ウルトラピュアな状態でなければ意味がありません。

透析液の清浄化以外にも、生体適合性の高いダイアライザーを使用すること、β2―マイクログロブリンなどの大きな分子量の物質が十分に抜けるような透析が必要となります。

そのためには、濾過透析、しかも溶質除去が大きい前希釈オンラインHDFが有効だと言われています。

質が高く、優れた透析を行うことが大切ですので、常にそのような透析を患者さんに提供できるよう心がけています。

2008.08.06
診療
仕事 / 職場
生活 / くらし

お盆休み

そろそろ、お盆が近づいてきました。
8月14日、15日、16日とクリニックはお盆休みとなります。

周囲のクリニックに合わせ、お休みとしましたが、15日は通常通り、透析診療は行います。
ただ、患者さんにお願いし、その日は少し早めの終了といたしました。

10月には、火・木・土も透析を開始するようになりますので、土。日と連続でお休みできるのも今後は難しくなると思います。
週末は、子供を連れてプールにでも行って、思う存分楽しんできたいと思います。

今年の夏はとても暑い夏ですね。
でも、もう8月になり、もうすぐお盆ですので、ちょっとすると秋風が吹くようになるのでしょうね。

透析って、週三回、雨の日も、風の日も続けていかなければならない治療です。
だから、毎回の透析が苦にならないように、除水することが負担にならないような緩やかな透析をしていかなければならないです。

暑さに負けないよう、ただ、決して急がず、焦らず、一緒にやっていきましょう。

 

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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